Yosuke Kojima

神戸在住。会社員。スポーツ中毒者。スポーツ哲学者。テニス愛好家。Vissel神戸、Ar…

Yosuke Kojima

神戸在住。会社員。スポーツ中毒者。スポーツ哲学者。テニス愛好家。Vissel神戸、Arsenal、SF49ers、R.Federerの大ファン。ギリシア哲学にあこがれ、大学・大学院では数学、哲学、法学を学ぶ。スポーツを哲学から統計学まで駆使し分析したい。

マガジン

  • 書評

    金,土、日更新予定。主に新刊のスポーツ関連書籍を取り上げたいと思います。週2~3冊

  • 「お金」とスポーツ

    日本ではあまり語られない、「お金」の話をここではしていきたい。主に、ギャンブル、カルテル、労働契約、サラリーキャップ、FA、ドラフト、放映権料、ビジネス。

  • サッカー学

    サッカーに考察しております。主に、今では必須になった統計的手法。そして、法学・社会学的手法を用いております。また、ゲーム理論を用いた分析もいずれは行いたいと思います。

  • サッカーは勝点1からはじまる。

    私の知る限り、世界では誰も行っていないアングルからの考察です。ただの「妄想」かもしれませんが。評価は、お任せします。

  • スポーツ・ルール学

    ルールについて考えること。それは、近代について思考することと同等である。ルールは、前近代、近代、現代、それぞれの時代の思想が折重なってできている。それらを一枚ずつ剥がして考察したい。

最近の記事

書評:『野球IQを磨け!勝利に近づく"観察眼"』飯塚智弘、2004年

本書は、いわゆる「野球のセオリー」が分かる本である。たとえどのレベルであろうと、野球選手にはマストな本である。私は少年野球をやっていたので、コーチから色々教わったことを思い出した。 また、野球コーチには、コーチングの仕方が変わる本であろう。 野球を観戦される方にもお薦めである。 「野球あるある」を頭に詰め、野球観戦に行こう。何かつぶやけば、賢人と思われるかも。 ただし、本を読みながら、書かれていることを視覚化できない方には、厳しい読書となる。なぜなら、図やイラストが入って

    • 評論:『レシーバー:風を切って走る』、NETFLIX、2024年

      昨日、NFLファンにとって待望の『レシーバー:風を切って走る』が公開された。NFLファンではない方も、NETFLIXに加入されているなら、ぜひ見て頂きたい。その世界に圧倒されることは、間違いない。 NFLの魅力は、その選手一人一人の能力がスーパープレイという形でどのスポーツより最も現れるスポーツであるということである。アスリートのスピード、パワー、スキル全てがスーパープレーにつながるので、初めてNFLを観る方でも、その選手の何がすごいか一発で分かる。 ルールが難しいという

      • 真の「攻撃力」、「守備力」を数値化する。ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

        この記事では、従来の順位表の「得点数」、「失点数」「得失点差」からは分からない、そのチームの真の「攻撃力(得点力)」、「守備力(失点力)」を導き出し、「勝負強さ」というものを数値化したい。 下記は、J1リーグ第22節時点の順位表である。 勝点、得点、失点、得失点を抜き出したものである。 さて、この表から何が言えるだろうか。一番、疑問に思うのが、私がハイライトしたところであろう。 「得失点差」と「順位」が逆なのである。 Jリーグのレギュレーションでは、順位を決めるのに、⒈「

        • 水谷被告から見るアメリカ・ギャンブル事情②

          この記事では、水原被告の事件を考える上で最も日本人が理解できていないであろう、「州と連邦」の違い、「州法と連邦法」、「州検察と連邦検察」の違いについて解説しようと思っていた。 しかし、web上を調べてみたら、カリフォルニア州の弁護士資格を持つ弁護士村尾卓哉さんが素晴らしいコラムを書いていた。この事件に係るあらゆる法的論点を押さえたものになっている。ど素人の私の解説より、こちらを読んでほしい。 私が、付け加えるとすれば、そもそも、この事件の発端は何だったかということである。

        書評:『野球IQを磨け!勝利に近づく"観察眼"』飯塚智弘、2004年

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        • 書評
          10本
        • 「お金」とスポーツ
          4本
        • サッカー学
          11本
        • サッカーは勝点1からはじまる。
          7本
        • スポーツ・ルール学
          3本
        • Jリーグ勝敗予想
          5本

        記事

          『「相撲規則」をガチで読む。』①

          『「相撲規則」をガチで読む。』と行きたかったのではあるが、そもそも、力士はどこと「雇用契約」を結び、どこから「給料」をもらっているのだろうか、と調べだしたら、それはあまりにも前近代的システムであった。 そのため、これは慣習法で当事者が納得しているのならば、ほっといてもいいのではないか。と迷いが生じ、正直、どのように考察していけばいいのか、分からなかった。 私が思い出したのは、ローマ時代の「剣闘士」である。「剣闘士」は、その多くが「貴族の奴隷」であった。その仕事としては、も

          『「相撲規則」をガチで読む。』①

          水原一平被告から見るアメリカのスポーツ・ギャンブル事情①(補)

          前回の記事では、スポーツ・ギャンブルの仕組みについて、説明した。 読み直してみて、一点大事なことを書き忘れていた。 それは、胴元は顧客によって、「かけ率」を変えられるということである。 例えば、顧客Aには、2倍と言ったとしても、負けが込んできた顧客Bには10倍と言って勝たせてあげることができるのだ。 このようにすることで、顧客にかけを続けるさせるのが、彼らの商売だからだ。これから、参照していく「ESPN」の記事では、捜査関係者が、彼らの仕事をいわゆる「営業(salesmen

          水原一平被告から見るアメリカのスポーツ・ギャンブル事情①(補)

          書評:『暗躍の球史 根本陸夫が動いた時代』、高橋安幸著、集英社、2024年

          読んでいて、ふと「白洲次郎」を思い出した。白洲次郎は、百姓から時の首相吉田茂、イギリスの貴族、マッカーサーまで、分けへだけなく付き合ったことが知られている。 そのような稀有な「才能」を根本陸夫は、持っていたんだなと思った。 本書の内容ついては、著者が「はじめに」の中で、概要を書いているので、それを読んで、興味がある方は、ぜひ本書を手に取っていただきたい。 私は、根本が活躍した時代に生まれていなかったか物心がついていなかったため、根本の伝説的トレードやドラフトについて、ほと

          書評:『暗躍の球史 根本陸夫が動いた時代』、高橋安幸著、集英社、2024年

          水原一平被告から見るアメリカのスポーツ・ギャンブル事情①

          あなたは、スポーツ・ギャンブルの実際をご存知であろうか。私は、ギャンブルは全くと言ってしないのであるが、NFLやNBAの情報収集のため、ほぼ毎日と言っていいほど、アメリカのポッドキャストやYou Tubeを聴いたり観たりしている。 そのため、アメリカのスポーツ・ギャンブルについて、かなり詳しくなってしまった。まず、今回は、スポーツ・ギャンブルの仕組みについて、おさらいをしておきたい。 ここでは、分かりやすくするため、登場人物を3人としよう。顧客A、顧客B、胴元である。

          水原一平被告から見るアメリカのスポーツ・ギャンブル事情①

          モデルをアップデートしました。J1リーグ 第22節 勝敗予想(7/6,7/7)

          昨夜の、広島・神戸戦の結果を受けて、モデルを作り直しました。Try & Error ですね。 問題意識は、下の記事に書きましたので、興味がある方はぜひ読んで見てください。

          モデルをアップデートしました。J1リーグ 第22節 勝敗予想(7/6,7/7)

          得失点差だけで順位を導き出す方法ーサッカーは勝点1から始まる

          得失点差とは何か? 説明するのは、簡単ではある。 全試合の全得点から全失点を引いたものである。 さて、ここからが問題である。 下表は、J1リーグ第21節の得失点差のみの順位表である。 ここでは、チーム名の入っていない「戦績表」が与えらえ、そこから「得点」、「失点」を計算するとする。議論をシンプルにするため、得失点差がプラスの9チームを挙げる。 ここで、「あれっ」思うのは、必ずしも得失点差が大きいチームが、上位にいるとは見えないのである。2番目に得失点差の大きいチームが7位

          得失点差だけで順位を導き出す方法ーサッカーは勝点1から始まる

          「お金」と「スポーツ」ー序

          この連載では、欧米に比べて日本では語られることの少ない「お金とスポーツ」について、様々な観点から書きたい。 例えば、日本のスポーツ選手が海外のクラブに移籍する際に、「大リーグ挑戦」とか「ヨーロッパ挑戦」という言葉で語られることが多い。私は、これらの「言葉」にいつも違和感を感じている。 ここで、考えてみてほしい。プロスポーツ選手も我々と同じく労働者である。プロスポーツ選手も、海外に行くことで、我々と同じように、その労働の対価である「サラリー」を最大化しようとするのは至極当然

          「お金」と「スポーツ」ー序

          スポーツ・ルール(競技規則)をガチで読む。序の二(参考文献紹介)

          前回では、中村敏雄氏の『スポーツ・ルール学への序章』を紹介した。 各論に入る前に、この連載における私自身の視座を整理し、見通しを良くしておきたい。 私の問題意識の喚起してくれたのは、4冊。いずれもスポーツを考える者ならば、読んでおかなければならない必読文献である。1冊というなら、最後に紹介する、守能信次『スポーツルールの論理』(大修館書店、2007年)をお薦めする。スポーツルールについての最良の教科書である。VAR等、最近のスポーツルールの変更について、語りたいなら、これ一

          スポーツ・ルール(競技規則)をガチで読む。序の二(参考文献紹介)

          7/5(金)Jリーグ 22節 広島対神戸 勝敗予想

          本カードは、攻撃回数という意味では注目のカードである。両者とも総攻撃回数の上では、ダントツである。広島がリーグ1位の244回、神戸がリーグ2位の240回である。首位の町田が、リーグ3位の230回、2位の鹿島が226回であることからしても、驚きである。 ここでいう総攻撃回数というのは、対戦した両者の攻撃回数を足したもので、攻守切替の回数だと、ざっくり考えていただきたい。 まず、注目したいのが、気温と湿度が上がる中で、この数字がどれほど落ちるかどうかである。直近の数試合では、

          7/5(金)Jリーグ 22節 広島対神戸 勝敗予想

          横浜対鳥栖 勝敗予想

          前節の勝敗予想は、7勝3敗であった。サンプル数(試合数)が増えてきて、私のモデルも幾分精度が上がってきたようだ。 今回もアリバイのため、勝敗予想をあげておく。 本日の気候では、攻撃回数がかなり落ちると思われる。Jリーグでは、夏場の試合のクオリティを考察する際、走行距離、スプリント数などが、挙げられる。しかし、私が注目するのは、攻撃回数である。 これは、追って考察したいが、総攻撃回数というものが、私の分析の肝となっている。これは、ざっくりというと攻守切替の回数である。それが

          横浜対鳥栖 勝敗予想

          「引分の磁力」(「勝点1の磁力」)ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

          前回は、広島が中位に甘んじているのは、引き分けが多いからではなく、勝ちが少ないからである、と言うことを「宇宙人の順位表」を用いて、説明した。そこで、改めて気づいたのは、引き分け試合というのがかなりの頻度で起こっていると言うことである。下の表は、「人間の順位表」である。 なんと、引き分け試合の割合はリーグ平均29%である。例えば、20チームのリーグでは、毎節10試合行われるが、その3試合が引き分けなのだ。私は、ギャンブルはしないが、「引き分け試合を3試合選んで下さい」と言われ

          「引分の磁力」(「勝点1の磁力」)ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

          「引き分けO.K.」は何がO.K.なの?人間のバイアスを解くーサッカーは勝点1から始まるゲーム

          さて、前回の記事では、「直接対決の重要性」と「シックス・ポインター」の重要性を検討した。 今回は、「宇宙人の順位表」から分かる。最も、明白にして重要なことを指摘したい。 それは、当り前の話ではあるが、「勝てば勝つほど順位は上がる、負ければ負けるほど、順位が下がる」といことである。 我々は、勝点というものに慣れすぎて、まず勝点に目が行ってしまうのではないだろうか。ともすれば、勝点しか載せていない順位表もある。 それでは、下記に「宇宙人の順位表」を再掲する。 多少の例外があ

          「引き分けO.K.」は何がO.K.なの?人間のバイアスを解くーサッカーは勝点1から始まるゲーム