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水谷被告から見るアメリカ・ギャンブル事情②

この記事では、水原被告の事件を考える上で最も日本人が理解できていないであろう、「州と連邦」の違い、「州法と連邦法」、「州検察と連邦検察」の違いについて解説しようと思っていた。

しかし、web上を調べてみたら、カリフォルニア州の弁護士資格を持つ弁護士村尾卓哉さんが素晴らしいコラムを書いていた。この事件に係るあらゆる法的論点を押さえたものになっている。ど素人の私の解説より、こちらを読んでほしい。

私が、付け加えるとすれば、そもそも、この事件の発端は何だったかということである。
”ESPN" https://www.espn.com/mlb/story/_/id/40058806/ohtani-money-mizuhara-bookie-vegas-casino)。

それは、違法賭博のブックメーカーであるマシュー・ボウヤー氏が、水原被告に、自分のカジノ用の信用口座にお金を送金させ、それをチップに替えて賭け、勝てば現金化していたということである。つまりマネーロンダリングしていたということである。

ボウヤー氏の顧客は600人に及び、ボウヤー氏は、業界ではトップ10に入る大物だったようである。

また、ボウヤー氏は、いわゆる"whale"と呼ばれるカジノの上得意様で、月に2、3回、カジノを訪れ、軍資金は1回あたり25万ドル~100万ドルだったようである。

カジノには5千ドル以上の疑惑があるお金の流れを報告する義務があり、それを怠ったということで、カジノ業界自体が、今、捜査対象となっているのである。

そのため、連邦捜査機関の重点は、このカジノを通してのマネーロンダリングを明らかにすることに置かれており、水原被告の「Theft(窃盗)」に重点は置かれていないということが重要である。

水原被告が、現在、訴追されているのが、「銀行詐欺」と「脱税」で、大谷選手の「お金」を使ったことについては、訴追されていない、のがおかしいと思われる方がいらっしゃるであろうが、そもそもの捜査目的が違うので、期待してもしかたないと思われる。

水谷被告への判決は、10月25日に下るようである(https://www.espn.com/mlb/story/_/id/40277006/ippei-mizuhara-ex-interpreter-shohei-ohtani-pleads-guilty。)

さて、弁護士村尾卓哉さんのコラムにより、水原被告の事件については、書くことがなくなってしまった。

次回は、大谷選手がらみということで、アメリカのプロスポーツの「サラリー」事情について書くか、このまま「ギャンブル」の話題をするか迷っているが、また、読んでください。

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