Yoshida Hiroko

食べること、暮らすこと、そして創造のためのヒント録。 宿泊施設「閒居」と料理店「吉田や…

Yoshida Hiroko

食べること、暮らすこと、そして創造のためのヒント録。 宿泊施設「閒居」と料理店「吉田や」オーナーシェフ。 著書『京都 吉田屋料理店』『吉田屋とヒント』 fb: 閒居吉田や,insta : yoshidayahiroko ,http://www.kyoto-yoshidaya.jp

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最近の記事

新生姜、茹でずに甘酢漬け

京都の暑い夏を過ごすには甘くて酸っぱいものが必需品。わが家では薬味にしたり、熱々のご飯と混ぜたり、天ぷらにしたりと何かと出番が多いのでシーズン中は何度も仕込みます。お酢が味の決め手となるので美味しいものを使いたい。 1500ccのガラス容器分の材料 新生姜900g、甘酢—千鳥酢400cc、水200cc、塩大さじ1、砂糖100g 新生姜はたわしで洗い、皮はそのまま、ピンク色の部分を切り落とし、スライサーで薄くカット(生姜の繊維に沿うように)煮沸したガラス容器に詰

    • 1年たっぷり実山椒

      毎年5月を過ぎると仕込み仕事に忙しい。実山椒に始まり新生姜、梅にらっきょう。どれも手間をかけただけ美味しくなるので手ぬきはできません。 実山椒適量、塩少々 枝から実を外す(これが大仕事)。たっぷりの沸騰したお湯に塩少々、実山椒を入れ再沸騰まで2分ほど茹でこぼすしザルにあけ水を軽くかけ冷ます。 水が切れたら保存袋に入れ冷凍庫へ、1年持ちます。 *実山椒は季節はじめの小粒がオススメ

      • 冬のお茶活 黒茶

        日本のお茶はほとんどが不発酵なので体を冷やしてしまいがち、冬場はなるべく体を温めてくれる全発酵の紅茶や、微生物発酵の黒茶を飲むのがおすすめです。黒茶といえばおなじみなのはプーアール熟茶、中華料理の油を分解してくれるという、あれです。「黒茶を鉄瓶で煮込むと美味しくなるよ」とお茶の老師から教わって以来、冬の黒茶にすっかり魅了されています。 黒茶(プーアール熟茶、茯茶など) 8gにお湯4〜500cc 鉄瓶にお茶とお湯を入れ、茶漉しを使い1煎目を捨てる(*お茶の状態により2煎目も

        • じっくり低温焼きプリン

          卵、牛乳、砂糖、たった3つの材料でプリンはできる。でも、焼きプリンって「カラメルソースがね〜、難しい〜」で、ついついゼラチンでかためてしまう派の人の気持ちもよくわかる。この問題、わが家ではこんな方法で解決してます!①カラメルは別添え。②大きな器で焼く。こうするとカラメルを作り、小さな器に入れる手間が一掃でき、いつでも手軽にプリンが作れます。さらにこのシンプルな材料を低温でじっくり焼くことで、なめらか&クリーミーな仕上がりになります。低温焼きはまさに魔法の調理法。 全卵3+卵

        新生姜、茹でずに甘酢漬け

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        • 食のこと
          15本

        記事

          肉汁じゅわ〜、加水ハンバーグ

          お肉の下ごしらえで水を加える。家の料理ではあまり馴染みがないけどプロの料理では珍しくはない。ローストチキンを焼く前にブライン液(塩と砂糖を入れた水)に浸したり、ソーセージの仕込みで肉にクラッシュアイスを混ぜ込んだり、肉団子に氷水を足したりと。お肉を焼くときに水分が失われかたくなってしまう、だったら先に水を加えてそれを防ごうという調理法です。なんだか科学的。その応用でハンバーグにもできるんじゃないか、ということで作ってみたら大成功!! [3、4人前] 挽き肉400~450g(

          肉汁じゅわ〜、加水ハンバーグ

          鶏肉の皮をパリパリに焼きたい!

          お店で食べる鶏のローストは皮目がパリパリしていて肉汁がじゅわ〜。それにあこがれ、家で同じように焼いてみてもなんだか真ん中がぶにゅっとして油っぽく、焦げ目がきれいにつかない、という悩みをよく耳にします。お店では一体どうやって焼いているかというと、、、 こうやって焼いてます!!皮を下に、中火でスタート、油は少なめにひく。フライパンのヘリに鶏肉の1/3ぐらいが立ち上がるようにおき、時々時計回り(反時計回りでも)に動かしながら焼きます。ついでに野菜なども焼くとよい。鶏肉の真ん中が凹

          鶏肉の皮をパリパリに焼きたい!

          、、、でも捨てられない焼き海苔

          手巻き寿司や海苔巻きを楽しんだあと、中途半端に残ってしまう焼き海苔。おにぎりには味付け海苔を使うので焼き海苔の出番があんましない。で、賞味期限が来て、もったいない罪悪感に落ちてしまう。カビや傷みがないのなら自己責任で料理に使いたい。いま一度、焼き海苔の原初の姿を思い出し、そうただの海藻!元に戻す気分で味噌汁に大胆にぶち込む。他の具はなくてよし。 焼き海苔、味噌、おだし 味噌汁を作り、仕上げに焼き海苔をドバッと投入 *中華スープやわかめスープ風にしてもOK

          、、、でも捨てられない焼き海苔

          あさりの砂出しどうしてますか?

          あさりを買ったらまずは砂出し。潮干狩りのあさりなどはたっぷりと砂を含んでいるのでとくに時間をかけて砂を吐きださせたい。まずは表面を擦り合わせて流水で流す。底の平なバットか器に水と塩を入れ、舐める。海水ぐらいならOK。多すぎなければ問題ないのであまり神経質にならずにね。で、平に並べる。あさりが水から顔を出ているくらい。つかってしまうのは✖。暗い環境が良いので明かりをさえぎるものでフタをして小1時間待つ。そしてバットからザルにあげ軽く洗い流す。あさりには十分に塩分があるので料理の

          あさりの砂出しどうしてますか?

          粉末ソース焼きそばを失敗しない

          関西人には粉もんが欠かせません。お好み焼き、焼きそば、たこ焼き、うどん。子供の頃はそれらをおかずにご飯を食べてたし、部活の子たちはおやつとして食べてた。お店で食べるだけではなく家の中でも定番で、冷蔵庫には粉末ソースが付いた3食セットの焼きそば麺が常あって具材は普通にキャベツと豚の切り落とし。袋の表記通りに作るとなぜかベチャベチャの切れ切れ麺、子供心に「まぁ、こんなもんか〜、しゃあないな」ぐらいに思っていた。が、ある日、ひらめいてしもうた!蒸し焼きにすればうまくいくんちゃうかと

          粉末ソース焼きそばを失敗しない

          夏の食欲(6)とうもろこしとヒゲのかき揚げ

          とうもろこしのヒゲは何なのか?考えるようで考えない、みんな捨てちゃってませんか。ヒゲはもともと長〜く伸びた雌シベで1粒に1ヒゲ。どうやら大事なものらしく、栄養もたっぷりとのこと。夏になるとフレッシュなものが手に入るのも季節のお楽しみで、ヒゲごとかき揚げにするのがわが家の定番です。 とうもろこし、天ぷら粉、揚げ油 とうもろこしは包丁で下処理。ヒゲは3cmほどに切る。天ぷら粉を水で溶いて合わせ、大さじのスプーンにとり、油に入れて揚げる。 揚げ物が苦手な人はてんぷら粉を増やす

          夏の食欲(6)とうもろこしとヒゲのかき揚げ

          夏の食欲(5)そして青梅は再びジュースになる

          梅雨入り前に梅仕事は欠かせまへん、最近の定番は青梅のシロップ。炭酸で割ってジュースにするのが楽しみ。でもこれが目的なんで青梅がたくさん残ってしまう。それじゃあジャムにすればいいのでは!と、作ってはみたが酸味が強くやや不人気。知恵を絞ってソルベにしてみたところ、家人たちが大喜び。再び炭酸を加えてシャリシャリジュースに。2回もジュースが味わえて、2度目の豆苗が育ったような気分やわ〜、お得。これで暑い夏を乗り切るのだ。 シロップの残り梅(小さく切る)、種、砂糖、水を鍋に入れ10分

          夏の食欲(5)そして青梅は再びジュースになる

          夏の食欲(4)入り盆の野菜そうめん

          お盆の間はなんとなく肉食から遠ざかる。暑気あたりと冷たいものの取りすぎで胃腸の調子が良くないことも原因かもしれないが、いやいや、たまには仏教徒としての徳を積むべき時間なのかもしれない。とはいえ、菜食主義でもないので鰹だしぐらいは見逃してくださいな、仏様。今年はわが家のきゅうりとしそ、みょうがが豊作中につきそうめんにのせ、おしょらいさんを迎えるとしよう。 そうめん、野菜はお好みで。写真はきゅうり、しそ、万願寺とうがらし、みょうがと花。そうめんつゆ、すりごまを用意。 京都では

          夏の食欲(4)入り盆の野菜そうめん

          夏の食欲 (3) ちょいゆで&待つこと30分のやわらか鶏

          こんなに蝉のうるさい時はコンロの前にいるのを想像するだけであ〜、暑い。かといって流行りのレンチン料理には興味がない。電子レンジは便利だけど何かの成分が壊れるのじゃないかとこっそり疑っている。そんな時のお助けはゆで鶏。再沸騰からたった1分で完成。お手間いらずで3日は保存できる。旨味たっぷりのスープもすべてたいらげよう。 鶏肉、もも肉または胸肉(切らない)、生姜、塩少々。ネギ、セロリなどはお好みで 鶏肉は冷蔵庫から出し30分ほど置いて常温に戻す。鍋に水を沸かし(鶏肉が重ならず

          夏の食欲 (3) ちょいゆで&待つこと30分のやわらか鶏

          夏の食欲 (2) おつまみおにぎり チュモクパプ

          数年前のこと、カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)を食べたくてカンナムの人気店を訪れた。扉を開けたその前には一人のおばちゃん。黙々と小さなおにぎりを手の中からつまみ出していた。すごい速さの上、右手からも左手からもおにぎりが生まれ落ちる。まるでおにぎりの水芸(笑)。これは食わずにはおられぬと、お目当てと一緒に注文。登場を待つ間、韓国の友人にその名を尋ねると「チュモクパプ、日本語でいうとおつまみおにぎり?」かな、と教えられた。普段は家で食べるものなのでレストランではあまり見

          夏の食欲 (2) おつまみおにぎり チュモクパプ

          夏の食欲 (1) 引き出しにたまる緑茶の茶活

          京都で暮らすと様々な集まりの返礼などでお煎茶、緑茶をいただく。お祭り、地蔵盆、法事、会葬御礼それに手土産などなど。緑茶は体を冷やすので冬には飲まない身としては夏まで大事に取り置いて、暑くなるこの時を楽しみに待っている、水出し緑茶。よく冷やした緑茶はすっきりと、ほのかに甘い風味で淡い色も美しく、苦味もない、その上に五臓六腑を冷やしてくれるではないですか。蒸し暑〜い京都ではありがた〜い飲み物に違いありません 水1Lに緑茶6g(大さじ1) 冷蔵庫に入れて6時間後〜飲める。そのまま

          夏の食欲 (1) 引き出しにたまる緑茶の茶活