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詩。よくある心の絶望も書くし、しゃかいふう詩も書くし。フィーリングで書いた。
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2023年3月の記事一覧

うさばらし

うさばらし

真夜中
私のうさばらし

適量出して綺麗な色を作りなさいと
言われた絵の具を好き勝手出して
汚ねぇ色を撒き散らす

脈略のある理論整然とした文章を書けと
言われたけど

ところでとんこつラーメンはやっぱバリカタだよね!?
やっぱり私ならニャオハを選ぶな!!
整然と分かりやすく並べなさいと言われた言葉を

並べる自由で好き勝手に自分!

で     め             か
 た   に  

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火

僕は暗闇を進んでいた
自分の爪に火を点けて

あなたは見つけてくれた
私の心に火を点けた

このライターは
何に火を点けるためにある
僕は君に火を点けようとした
君の家に
君の家ごと、過去を焼きつくそうとした

君の家に這う蔦も
君が飼っている猫も
君の庭に咲く花も
まるごと焼きつくそうとした

でも、あなたが私を見つけてくれた
蔦も、猫も、花も
可愛がるべきものだと教えてくれた

灰にまみれた庭

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じいさん

じいさん

コンピュータを食った
夜勤終えた朝
犯罪小説を伏せ
靴下を靴に丸め入れ
じゃがりこを口に運ぶ
味がしない

プロファイル的に見れば
顎が羊畑
あぐらをかきにければ
カップ酒飲みにけり
靴下の味がして
おもらしジンベイダー

パンツの毛むくじゃら
用無しジジパジャマ
電気で会話する
お寿司の妖怪たち
明日も夜勤なら
寝言は起きて言いな

眠れない夜の夜明け

眠れない夜の夜明け

あわれなる時間がドブに捨てられていく
刻一刻と死滅する脳細胞
適当に生きて適当に死んでいく私の人生
自分の汗水努力の精一杯がデータ化されてライブラリに並べられて消費コンテンツ化される
私の人生がのっぺりとしたバイナリデータとして出力される
刻一刻と宇宙は終焉へと近づいていく
人々は笑い怒り転げる
我が物顔で何もかも知った気になって大通りを歩いている
知らないことへの耐性がなくなっていく
スーツに入

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友だち

友だち

友だちの友だちが死んじまった
秋風が小便の臭いを運んできた
俺は数学の問題集を着ている
鉄の塊の周りで
鉄の塊の中で
鉄の塊は 嗚呼

ささやいて
僕は月
水の渦と
南の島と
ささやいて
落ちる枯れ葉
喰われる兎
蚊と間違われた蜻蛉
ささやいて
僕の友だちよ
事あるごとに

恐ろしいけどどうしようもない
地面がずれて友だちに会えるのは
エスカレーターから出てきて
友だちと一緒に神を狩ろう
霊を呼

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やすらぎ

※この詩には希死念慮に関する表現が含まれております。

右眼にゴミが入った
瞬きして涙で流す
左眼もちょっとゴロゴロする
両眼ともとは珍しい

充血した両眼が見下ろす世界
直接触れないように繋がりを求める
右目だけ泣きながら左眼で追う
文字の荒野にカウボーイを放つ

何も感じない
と心が言ってみた
何も感じない
というのは何か感じているということである
何も考えられない
と頭が言ってみた
何も考え

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