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【専門課程レポート】「山崎ゼミ」第6期 第2回目講義

こんにちは!
次世代まちづくりスクール「山崎ゼミ」TA(ティーチングアシスタント)の竹屋です。
5/8(月)に行われた、第6期山崎ゼミの第2回ゼミの模様をレポートします。

第6期山崎ゼミのメインテーマは、ポートランド都市経営から学ぶ「まちの未来を自律的に考え、成長し続けるまちづくりリーダーの育成」です。
ゼミでは、まちや地域を盛り上げるための現状分析、戦略作り、合意形成、事業計画(企画)づくりから実際のまちの変化を作り出すまでの一連のプロセスを学びます。

今回のゼミテーマは、「地域経済開発組織における“9つの基本的な理念”を知る・地域分析の方法を学ぶ・実際にやってみる!」でした。
また、山崎ゼミの特徴でもある、ポートランドの都市計画も交えながら学べる回でした。

自分自身、学生時代に実施したまちづくりに関する活動を思い出すような、2時間があっという間に過ぎてしまうくらい非常に濃い内容のゼミでした。

読者の方とともに僕自身も学んでいけたらと思います!

まちを盛り上げるための考え方とは?

山崎教授から、地域経済開発組織における“9つの基本理念”のレクチャーがありました。

まちづくりを私利私欲や企業の儲けのためだけに行うと、“えこひいき”が目立つ・足の引っ張り合いが起きる・妬みが生まれる等の課題が生じてしまいます。
公益のために行うことを前提としながら、きちんと商売をしている人たちが儲かるような仕組みを作らないといけません。
加えて、地域に住む人たちの生活が良くなるためにやることが重要です。

長期的な目線で考え、持続可能に行えるように、明確にしておくべき点や、組織などの環境づくりや予算など、多くの方と進めていく上でのポイントを学びました。

地域分析の主なやり方

対象地域が今後どの方向に向かっていくべきか/何をすべきかについて、データをしっかりと確認したうえで考えていかなければいけません。
以下は、地域分析の主な流れです。

Action①複数のデータ収集/分析

まず初めに、対象地域に関するデータを収集しましょう。
対象地域に関するデータ(場所・規模・評判等の一般的な常識を含む)は、インターネットや市役所に出向いて調べることですぐに把握することができます。
データを収集する際には着目するポイントが重要で、いくつかのデータを組み合わせながら自分なりに仮説を立てて検証していくことが望ましいです。

・人口動態
・産業
・エネルギー
・交通網 等

Action②SWOT分析

データ分析の次は、地域住民を交えてSWOT分析を行います。
SWOT分析とは、対象地域の経済状況を「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの要素に焦点を当てて分析する手法です。
SWOT分析によって、戦略のどこに焦点を当てるべきかを把握し、問題解決への道筋を効果的に導くことが期待されています。

地域住民が行ったSWOT分析の結果と、外部の専門家が行ったSWOT分析の結果は異なることが多いため、まちづくりにおけるSWOT分析においては、住民と専門家が一緒に行うことでこれまでに見えてこなかった“機会”や“脅威”について把握することが期待されます。
みんなでアイデアを出し合いながらブレストすることが重要です。

日本では叩かれがちな“突飛なアイデア”も、SWOT分析ではしっかり活かしましょう。
“普遍的なアイデア”では行動を起こす熱量が少なく、人々のモチベーションを続かせるためにも“突飛なアイデア”の方がふさわしく、周りの人たちのサポートも得やすいです。

Action③アンケ―ト・聞き込み調査

「アンケート」というと、面倒くさがられてあまり受けてもらえないことが多いです。
“アンケート”ではなく、“ヒアリング”等のようなほかの言葉を使うと意外と受けてもらいやすいです。
アンケートの質問項目は、各自治体で作られているものを参考にしながらアレンジしていくとベターです。
可能な限り多くの人にヒアリングしてデータを集め、得られたデータをクロス集計等によって分析していきましょう。

第2回ゼミのまとめ

実は私、学生時代に所属していた研究室の活動の一環で、道東に位置する北海道津別町にて産官学連携の取り組みとしてまちなか再生事業の活動を行っていました。
具体的には、道の駅利用者アンケート調査、まちなか照度調査、住民ワークショップ、議会でのディスカッションです。
その際には、今回のゼミで取り上げた内容がまさに生かされているなと感じました。

例えば、道の駅で利用者にアンケート調査をする際に“アンケート”という言葉を使うと回答してくれる人が少なかったため、違うニュアンスの言葉を使うことで調査サンプルの数を増やすことができました。
他には、地域に関するデータを様々なところから入手して分析することや、住民からワークショップ形式で町についての情報をヒアリングする際に、いわゆる“ソトモノ”である自分たちの感じたことを伝えて何をどう改善すれば良いかを考えるための材料にする、等があります。

地域住民が改善した方が良いと感じているまちの問題でも、“ソトモノ”から見るとそれは問題ではなくむしろ長所だった、ということも多々あります。
地域住民と密に連携をし、意見を交換することで見えてくるものもあるので、まちづくりには対話が非常に重要であることを再確認しました。

次回のゼミは、富山県南砺市の旧井波町にてフィールドワークを行います!

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