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食は広州にあり②~恐怖の水〇キ〇〇~

これは昨日の記事の続きですが、話は独立しています。

 中国広東省の人たちの食へのアグレッシブさを示す言葉に「天上飛的不吃飛機;四隻腳的不吃桌子;海裡游的不吃潛艦(空飛ぶ物は飛行機以外、四本足は机椅子以外、海を泳ぐものは潜水艦以外《何でも食べる》)」と言うのがあります。

広州で目にする食材の中には「どうして、これを食べてみようと思ったんだろう?」と疑問に思うようなものも少なくありません。

 私が広州赴任して間もなく、事務所の皆で外食する事がありました。行くのは海鮮レストランですが、毎回必ず出てくるものがありました。

それが水ゴキブリ(水甴曱または水蟑螂)と呼ばれているゲンゴロウ。

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最初は私の歓迎で、わざわざ珍しいものを頼んでくれたのかと思いましたが、事務所メンバーでの会食には必ず出てきます。

ゲンゴロウの素揚げ

2000.07.16夕飯2

これは、私も箸で触れる事すらも無理でした。



「・・・無理でした。」



でホンットに終わりたかった・・・。

でも、ゲンゴロウ好きのメンバーが食べ方を説明しながら素手で

私の目の前で最初に足をむしり取りました。そして「ホラお尻を取ると一緒に腸もついて来るから」と言いながら、流れるようにスムーズに頭もプチュッと取り、表面の茶色の硬い羽をむしると下にある透明な羽もバラッと一緒について来ました。


・・・もうその光景がホラー。


そして黄色と茶色と黒の縞模様のお腹だけになった楕円形の物体


コロン


と私の皿に乗せてくれました。

無題6




至れり尽くせり💛

・・・でもね・・・でもですね・・・っ

どこからどう見ても昆虫のお腹以外の何物でもありません。

どう贔屓目に見ても昆虫のお腹以外の何物にも見えません。

私の為に、ゲンゴロウのアレやコレを取り除いてくれたコが「コレでもう何も怖いものはないでしょう!?」と言わんばかりの自信たっぷりの満面の笑みで私が箸をつけるのを期待のまなざしで見つめています。

私は箸を持ち、ゲンゴロウのお腹に持って行こうとしました。

「!?」

自分の身体なのに、自分が制御不可能な激しい震えが私を襲っています。

自分で見ても箸を持つ手がガクガクガクガクと激しく揺れています。


どんだけ~~~~~~っ。

私の身体、どんだけ拒否ってるんだ・・・。

震えで1.5cm×3cmほどの小さなお腹を箸でつまめないベタなお笑いネタのような反応が恥ずかしくて私は箸を皿に押し付けてつたわせる様にしてお腹をつまみました。

(あ~~イヤだっ!)

と思いながら、蛇と同じく端っこをちょいっと齧りました。

お腹の羽側はカチっと硬くなっていて噛み切れないので、お腹側の縞模様部分だけを歯でこそげ取って食べるもののようです。

味はビーフジャーキーみたいな干し肉系の味で、揚げているからか生臭さとかもなく見た目の恐ろしさから比べれば全然普通でした。

でもあれだけ丸ごと素揚げで食べられるのは、こんなちっちゃなお腹だけ・・。

それって何率が悪いっていうんだっけか・・・?回収率?

ここまで苦労して食べるほどの価値あるか?!

ちなみに、ゲンゴロウの漢方薬としての効用は子供のおねしょを治す効果があるらしいです。

って言うかその効果、私必要ないんですけど・・・。








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