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『おもちゃ絵芳藤』関連

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『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)がナツヨム2021に選出されていました

『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)がナツヨム2021に選出されていました

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 作家という商売をやっているといろいろあるなあ! という感慨を抱く機会がまあまあある(そして悪い事態に直面していることが大半な)のですが、今日は凄く素敵な話が飛び込んできました! ありがたや。というわけで。

 有志の書店さん、書店員さんにより運営されているフェア「ナツヨム」の2021年の対象作品に、拙作『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)が選ばれておりました!

 うわー。ありがたいです!

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谷津の絵師ものについてまとめてみた

谷津の絵師ものについてまとめてみた

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 作家を八年もやっていると、なんとなくネタが被ってきたり、同時代を扱うことが出てきたりして、蓄積が生まれてきます。特に作風がバラエティ豊かと称されるわたしも例外でなく……。
 その中で、わたしの表看板である「絵師もの」なんかはかなり分厚くなってきた感じがあります。

 純粋な絵師ものは、

『洛中洛外画狂伝』『安土唐獅子画狂伝』(狩野永徳が主役)
『おもちゃ絵芳藤』(歌川芳藤が主役)

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『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に登場するジョサイア・コンドルについて

『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に登場するジョサイア・コンドルについて

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 今日は『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に登場する人物の一人にして異彩を放つ人物、ジョサイア・コンドルについて話してゆきます。

史実のジョサイア・コンドル 日本史にお詳しい方だと、コンドルといえば「ああ、確か明治時代の御雇外国人だよね?」と思い出されることでしょうし、もっと詳しい方だと「確か建築家だったよね」と思い出されるはずです。おっしゃるとおり。彼は明治十年に来日し、それ以降、工部

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福井のポータルサイト「ふーぽ」さんで拙作『絵ことば又兵衛』(文藝春秋)をご紹介いたただきました&『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に出てくる絵師・小林清親について

福井のポータルサイト「ふーぽ」さんで拙作『絵ことば又兵衛』(文藝春秋)をご紹介いたただきました&『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に出てくる絵師・小林清親について

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 まずはご報告です。

 表題にもあります通り、福井のポータルサイト『ふーぽ』さんで拙作『絵ことば又兵衛』をご紹介いただきました。

 本当にありがたい限りです……!
 本作、福井のご当地小説の側面がありまして、できれば地元の方に読んでいただきたいなあと願っておりました。記事にもありますとおり、わたしは福井県人のクオーターで、なんとなく遠い故郷のように感じている地域です。もしコロナなん

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『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に出てくる絵師・歌川芳艶について

『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に出てくる絵師・歌川芳艶について

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 本日の『おもちゃ絵芳藤』人物紹介は、一章で強い陰影を見せた歌川芳艶です。では早速行ってみましょう!

史実の歌川芳艶 国芳門下には様々な弟子がいますが、国芳の弟子たちは師匠の様々な得意を自らのものとして、それを延長していった感があります。本作主人公の芳藤も、師匠の戯画的な部分を引き継ぎ、自家薬籠中の物としていった風雅見て取れます。
 さて、国芳といえば武者絵です。そして、国芳の弟子の

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「日光ミュージックブックカフェ」さまにて『廉太郎ノオト』(中央公論新社)のお話をしました

「日光ミュージックブックカフェ」さまにて『廉太郎ノオト』(中央公論新社)のお話をしました

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 お知らせです。
 お呼ばれしまして、お話ししております。

 「道の駅日光 日光街道ニコニコ本陣」さんの公式youtubeページ内のインタビューにお呼ばれしました。
 音楽の話題で色々の情報発信をなさっておられる関係で、拙作『廉太郎ノオト』にご興味を持っていただいたことから実現した企画です。
 『廉太郎ノオト』の裏話(実はあんまりクラシックに詳しくない、とか)についてもかなり赤裸々に

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『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に出てくる絵師・落合幾次郞(芳幾)について

『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に出てくる絵師・落合幾次郞(芳幾)について

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 今日は『おもちゃ絵芳藤』の影の主役と言っても過言ではない、落合幾次郞(芳幾)の話です。ここだけの話ですが、『おもちゃ絵芳藤』の中において、わたしが一番好き(というか感情移入と共に描いた)なのがこの人物であったりします。

落合芳幾という人 まずは史実ベースの話をしましょう。
 歌川国芳の弟子に入ったことは既にお察しのことと思いますが、本作の登場人物の順番としては芳藤の次くらいに入門し

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『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に出てくる絵師、河鍋暁斎について

『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に出てくる絵師、河鍋暁斎について

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 本日、『おもちゃ絵芳藤』絡みでご紹介するのは、名前は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。河鍋暁斎です。というわけで、早速ご紹介!

史実ベースの河鍋暁斎 まず、この方、「かわなべ きょうさい」と読みます。
 いえね、一昔前まで、「ぎょうさい」と濁って読んでいたんです。ところが、どうやら「きょうさい」らしいぞ、ということになり、最近では「きょうさい」読みが主流となっています(余談まで

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『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に出てくる絵師、月岡芳年について

『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)に出てくる絵師、月岡芳年について

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 今日は『おもちゃ絵芳藤』関連のお話です。
 芳藤の脇を固める登場人物の一人、月岡芳年の話です。

史実の月岡芳年について この方はめちゃくちゃ有名な方なので、わたしが云々申し上げるまでもないのですが、さわりだけ。
 江戸の商家の生まれ。若くして歌川国芳の門を叩き修行、幕末期に兄弟子である落合芳幾との合作である無惨絵『英名二十八衆句』などが好評を博し、人気絵師の階を上っていきます。
 

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『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)の解説が読めます&師匠・歌川国芳について

『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)の解説が読めます&師匠・歌川国芳について

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 今日は『おもちゃ絵芳藤』関連の話題を二本立て。ということで、行ってみよー。

『おもちゃ絵芳藤』解説が読めます ミステリー作家の岡崎琢磨さんからいただいた『おもちゃ絵芳藤』の解説がWEB上で読めます。

 岡崎さん、小説はいわずもがなで上手い方ですが、解説もすげえなあと思っていたのですが、多くの方に読んでいただける形態で世に出たことは大変喜ばしいことです。
 岡崎さんに褒められたりた

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『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)の主人公・歌川芳藤について

『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)の主人公・歌川芳藤について

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 今日は、文庫新刊『おもちゃ絵芳藤』の話題を。
 この前の更新でおもちゃ絵なるものがどういうものか、ご理解いただけたんじゃないかと思います。では、本作の主人公である歌川芳藤とは何者なのか。今日はその話です。

歌川芳藤さんの大まかな年譜 1828(文政11)年生まれ。姓は西村、名は藤太郎。
 いつからか浮世絵師、歌川国芳の門に入り、国芳の画姓である「歌川」と、「芳藤」「よし藤」の名を遣

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ゲットナビウェブさんで、芸術選書をしました

ゲットナビウェブさんで、芸術選書をしました

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 お仕事報告です。
 いつもお世話になっているゲットナビウェブさんで選書をいたしました。

 今回は「谷津さん、新刊出たばっかりですからダイマとかやってもいいですよ」とのことだったので、二回もダイマをやらかしている狂った記事です。大事なことだから二回言う。大人のたしなみですね。

 今回ご紹介したのは『知識ゼロからの日本絵画入門』(安河内眞美 幻冬舎)、『浮世絵師列伝』(小林 忠・監修

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『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)の「おもちゃ絵」ってなんじゃいという話

『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫)の「おもちゃ絵」ってなんじゃいという話

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 単行本版を刊行した際、多くの方からいただいた疑問がこれでした。

「おもちゃ絵ってなんですか?」

 ですよねー。
 ここのところ、どうしたわけかおもちゃ絵に関わる展示会が増えてきたこともあって認知が進んでいるものの、それでもどういうものかイメージの付かない方も多いそう。そこで今回は、めくるめくおもちゃ絵の世界についてご説明しましょう。

おもちゃ絵は幼年向け雑誌の付録みたいなもの 

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『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫版)本日10/7発売です

『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫版)本日10/7発売です

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 いやー、発売日はいつも静かですね。
 というわけで、本日、拙作『おもちゃ絵芳藤』(文春文庫版)発売です。

 第七回歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞作。幕末から明治にかけて活躍した国芳派絵師たちの姿を、おもちゃ絵の制作が多いことから「おもちゃ芳藤」のあだ名が付いていたとされる歌川芳藤から描き出しました。歌川芳艶、河鍋暁斎、落合芳幾、月岡芳年といった同時代の絵師や、小林清親など後ろの世代

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