ベストカラーソング iMacキャンディーカラーの衝撃
少し前の話になりますが、今年の5月に新型iMacが発売され、カラーラインナップが全7色となりました。
今回話題にしたいiMacは、今年発表のモデルではなく、1999年に発売され、これまた多色展開された2代目iMacです。
時は20世紀に遡ります。1998年、スティーブジョブズの復帰の「のろし」を上げる、革命的なiMacが発売されました。
なにより、その色とデザインが革命的でした。グレーやベージュが当たり前だったパソコンを、ボンダイブルーのスケルトンボディーという、他の分野の製品でもまだ見たこともない先進的な外観が衝撃的でした。
しかも、キーボード・マウスから、なんと電源ケーブルに至るまでそのスケルトンを配するほどのこだわりです。
間違いなくこれは、初代Macintoshと肩を並べる、歴史的な出来事でありました。
そして翌1999年、1色であった初代iMacは、キャンディーカラーと呼ばれる5色へカラーラインナップを拡張させます。
スペックは初代のマイナーチェンジに過ぎませんでしたが、私にとって忘れられないのがそのテレビCMです。
5色のiMacが滑るように画面に飛び込み、踊るように回転をしながら、その美しいボディをあらゆる角度から映し出します。
特筆すべきは、CM音楽である、ザ・ローリング・ストーンズのシーズ・ア・レインボーです。(The Rolling Stones / She's a Rainbow)
タイトル通り、虹に例えて彼女の美しさを唄っています。そして、イントロのピアノの1音目から虹のカラフルさを感じさせる、とても美しい曲です。
抽象的な歌詞なので和訳が難しいのですが、私が気になるのは、恋する彼女を色に例え、その色はeverywhereにあることです。
彼女が髪を掻き上げる、虹色が浮かび上がること。
当人にとって、彼女の存在が世の中の全てであり(恋というのは「そういうものである」と微かに記憶があります)、その美しさを色で表現し、その色はeverywhereに存在するとサビで唄っています。
このことはまさに、美しく至るところにある、という色の本質をしっかり捉えていますね。
また色彩を科学的に捉えて気になる歌詞の部分は、
彼女が青い服まとう様を海・その顔の色白さを純白な帆に例えて、こんな綺麗な女性(ひと)見たことないと唄ってます。
※女性と書いて「ひと」と読ませるのはサザンの歌詞でよく見られます。
まさに色のコントラストですね。
コントラストとは暗部と明部分の濃度の差のことで、コントラストを大きくすることにより、各色部分は強調されます。
PhotoshoのCMYKトーンカーブでS字カーブをかけるとそのような効果を得ることが出来ますが、
この曲では言葉の表現を巧みに使ってコントラストを上げ、彼女の綺麗さを強調しているように感じます。
まさに言葉のトーンカーブとでもいうのでしょうか??
また、ギターサウンドのロックバンドであるストーンズが、こんな美しいメロディーを奏でているといことも、別のコントラストがかかり、曲の綺麗さを強調しているかもしれません。
私はこの曲が色をテーマにした、
人類史上ベストソングだと思います。
ただ惜しいのは、レインボーなので5色ではなく、7色の発売であってほしかったこと。今年のiMacの多色展開は7色でしたが。。
今日はこの辺で、お粗末様でした。
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