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カラーマネジメントのお話

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Japan Color その3 印刷標準化実装

Japan Color その3 印刷標準化実装

標準化のための規格化

ここからはJapac Colorがどのように色を定義し、実装ているのかを見ていきます。

標準化を行うために、製品の規格を取り決める必要があります。規格とは、製品の寸法や形状、材質などの標準を決め、「取り決め」を文章化したもので、その「取り決め」は間違いなく判定するために、数値化されていることが望まれます。

例えば、用紙サイズの規格はA3やA4など縦横の長さが数値定義され

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Japan Color その2 誕生から普及までの流れ

Japan Color その2 誕生から普及までの流れ

日本の標準印刷色Japan Color誕生

1995年に日本の代表的な印刷機器、インキ・用紙を資用いてオフセット印刷した場合、どのような色が再現されているかを、ISO/TC130国内委員会によりとりまとめられました。

この時点での日本の印刷業においての一般的な色再現自体が、まずは把握されました。

もともとISO12647-2という、オフセット印刷の世界的標準化 を規定したものがありました。し

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Japan Color その1 制定までの背景

Japan Color その1 制定までの背景

プロローグ

今回から数回に渡り、グラフィックアーツに関わる方でしたら聞いたことがあるであろう Japan Color についてご説明します。

 デザイン・企画など印刷物制作上流工程の方々だと、CMYKプロファイルの1種であり、日本のオフセット印刷の色域を網羅したもであるという理解だと思います。

 その理解で間違いはありませんが、どのような背景で制定され、どんなポイントで印刷現場では管理されて

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デバイスリンクプロファイル カラマネ純色伝

デバイスリンクプロファイル カラマネ純色伝

さあ、基礎編は終わりましたが、カラーマネジメントの話は尽きません。このまま続けます。ここまでカラーマネジメントのメリットを中心に話をすすめてきました。しかしすべてにおいて完璧なシステムはありません。

 もちろんカラーマネジメントにも問題点はあります。

 今回は、どのような問題があるのか、またそれをカバーするデバイスリンクプロファイルをご説明したいと思います。

 カラーマネジメントでは、ソース

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カラーマネジメントを俯瞰してみる 必ず入口と出口がある

カラーマネジメントを俯瞰してみる 必ず入口と出口がある

今回でこの連載のカラーマネジメントのお話は、12本となりました。ここまでで基礎は大方ご説明出来たと思います。

 しかし部分の説明だけでは、全体が見えず、実ワークフローの中でどのようにカラーマネジメントが動いているのか、分かりにくかったと思います。

 今回は、なるべくシンプルなユースケースで、カラーマネジメントの実際の動きを確認してみたいと思います。

 ユースケース

カメラマンが撮影を行い、

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Adobe CC カラー設定 後編 GAFAではなくGAFAAでも

Adobe CC カラー設定 後編 GAFAではなくGAFAAでも

Adobeカラー設定の右半分のお話に戻ります。CM開けということで、この音からです。

変換オプションに入ります。

変換方法:カラーマッチングモジュール(CMM)を選択できます。インストールされるOSごとに選択出来るCMMは違いますが、Adobe(ACE)はどちらのOSでも選択できます。下記は、Window10にインストールされたPhotoshpでの表示なので、Microsoft ICMが選択出

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Adobe CC カラー設定 前編 火曜サスペンスのような中断

Adobe CC カラー設定 前編 火曜サスペンスのような中断

今回はカラーマネジメントの中でも、デザイナーやフォトグラファーのみなさんにとって一番身近であろう、Adobe CCのカラー設定についてお話をします。

カラーマネジメントは、プロファイルで各デバイスのガモットを定義、色の変換を行いながらワークフロー内でなるべく同じ色の見た目の色を維持している、とご説明してきました。

デザイナーやフォトグラファーのみなさんが、PhotoshopやIllustrat

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