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転職して、「他人の評価」というモノサシは「納得感」に変わった。

「仕事ができない」と言われる人の中にも本当に思いやりのある方は沢山いるし、逆に「仕事のできる」人の中にも人間的には参考にしたいと思えない方も沢山いる。

仕事で結果が出ないからといって、ぼくらの人生や人間性が損なわれるべきではないし、ぼくらの人生には仕事のほかにも大切なものが沢山ある。

このような見方ができるようになったのは数年前に大企業から小さな会社へ転職してから。

大企業に入る人というのは、過去のぼくも含めてそれまでの人生で自ら進んで他人からの評価の世界に身を晒してきた「良い子ちゃん」ですから、「他人の評価」というものをとにかく重要視しています。他人からの評価というものは自分ではコントロールできないにも関わらず、です。

大抵の場合、大企業に入ってくる人たちは学校のお勉強やスポーツで日頃の素行で「成績を上げてきた」人たち、「評価を受けてきた」人たち、つまり「努力をすれば、結果=評価はついてくる」と信じて疑わない人たちです。

この「他人の評価」というものがほぼ完全に内在化されてしまっており、大げさに言えば自己の存在意義に関わるような深いところに仕込まれているのが特徴の一つになってます。

新入社員で大企業に入って、それまでの「お勉強優等生」の世界から一転、仕事で評価されず、まるで自分という人間自体が否定されたかのように感じてしまい休職し、そこから退職してしまう人たちも見てきました。(ぼくの後輩にも何人かそういう人たちがいました)。

客観的に見れば、単に「仕事で結果が出なかっただけ」にも関わらず、そこまで追い込まれてしまう。或いは、自分で自分を必要以上に追い込んでしまう。それほどまでに「評価」というものが深く自分の中に埋め込まれているからです。

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大企業に進んで入るような「良い子ちゃん」は過去のぼくも含めて、自分が他人から評価される(それを意識する)のと同じだけ、他人のことを評価しています。無意識に。

「こっちがこれだけ頑張って結果を出そうとしてるんだから、あなたも同じだけ頑張ってよ」「何を楽チンしてるんだよ。もっと働こうよ」

「良い子ちゃん」の問題は、自分が自分に求めるレベルを他人にも無意識に求めてしまうところ。

そして、仕事で結果が出ない人に対して、本来関係のない「人間性」まで疑うハメになる。「仕事で結果が出ない人は、人間性に何か問題があるからでは?」。。

この世界の行き着く先です。

それほどまでに「評価」というものに自分自身を支配されてしまっている。

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数年前に家族の事情もあり、まだ小さかった「娘との時間を大切にしたい」という一心で、小さな会社に転職しました。

https://note.com/yasenjoysake/n/n64f0265b86f0

別に「規模の小さな会社」に進んで転職しようとしたわけではなく、家族の事情優先で勤務地を優先した結果、これまでのキャリアから選択できる転職先が限られていたという話です。

学生時代、1年間大学を休んで経験した海外ボランティアの先に見つけたやりたい仕事、海外インフラ整備に関わる仕事。そのやりたい仕事が前職の大企業にありました。希望していた海外の仕事に配属もされました。

仕事(評価の基準)は厳しかったし辛いことも沢山あったけど、優秀な上司や先輩にもまれ、成長することができた。「苦しい」「辛い」の価値を身にしみて味わうことができた。

20代でヨーロッパにも駐在し幅広い業務知識、価値観を身につけ、それら全てが財産となって今のぼくを支えているという実感があります。

だから、家族のことがなければ特に転職するなんて夢にも思ってませんでした。

でも、転職してよかった。転職してよかったと思うことは色々あるけれど、大企業時代に自分を支配するほど内在化されていた「他人の評価の目」から自由になれたことは大きかったと思います。

大企業時代には当たり前だった「他人の評価」を気にしていない人が、転職先には多数いる。その仕事ぶりから「他人の評価」を基準にしているとはとても思えない人が多数いる。。転職当時はこういった光景があまりにも衝撃的でした。

みんな、「出世」なんて最初から気にしてないんです。組織にいながら、他人の評価や出世というシガラミから離れたところで良くも悪くも自由に仕事をしている。

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そういった空気に馴染むにつれ、当たり前のことに気付くようになりました。

人はそれぞれに個人的な事情と背景を抱えて生きているということ。「仕事」というものは人生を形作るもののひとつの要素に過ぎないということ。

人生で大切なのは、自分でコントロールできない「他人からの評価」ではなく、人生で大切なのは自ら納得感をもって生きることだって。

そう思ってから、自分の転職の選択は正しかったと迷いなく思えるようになった。家族の事情や、娘との時間を優先して選択した転職は正しかったと思えるようになった。

納得感のある人生を自分の価値観で選び取ったと、心から思えるようになりました。

「他人の評価」の世界では気付けなかった、多様性に気付くことができた。
人生で大切なのは自らの納得感を高めること。それは自分の感覚を信じて、自分で決断することから始まる。

ぼくらはそれぞれかけがえのない個別の人生を生きている、という貴重な事実に気付いたとき、ぼくの人生のモノサシは「他人の評価」から、「自分の納得感」に変わっていました。

自分の感覚をないがしろにせずに、自分をもっと大切に扱わなきゃって。

人生の「ふりだし」に戻ったような、そんな爽やかさを再び手にしたような感覚がありました。


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