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コロナ禍の今こそ読みたい本

コロナで時間あるな〜という方に!

違う誰かになりたい!もう遠くに行きたい!な時の2冊、
なんか最近、仕事も生活もつまんないな〜な時にぴったりの2冊、
折角だし、これを機に食生活見直しますか!という時の2冊です!

①初恋温泉/吉田修一

横道世之介、悪人、怒り、太陽は動かない、ANA機内誌のエッセイで有名な吉田修一の短編集。男女5組の温泉旅行の話。

高校生カップルが親に内緒で温泉へ行く話、ダブル不倫の艶っぽい話、旅行前日に離婚を切り出す妻と戸惑う夫の話などなど。
一番好きなのは、お喋り好きな夫婦の「白雪温泉」。読後感がすごくいい。温泉に入った後みたいに気持ちがほぐれます。

また何年後かに読み返したら、その時の気持ちで惹かれる話が変わりそうな、不思議な小説。離婚の話でないことを切に祈る。


②この世にたやすい仕事はない/津村記久子

芥川賞作家の方。ミュージック・ブレス・ユー!!からファン。
著者が大阪出身ということもあってか、リズム感のよい文章ですいすい読めます。

内容は、きつい仕事に燃え尽きた36歳の女性主人公が、短期の契約社員として「たやすい仕事」を求め、5つの職場を経験する「おしごと小説」。
というと、現実逃避したいのに仕事の話か〜い、ってなりそうなんですが!タイトルもハウツー本っぽいし(笑)、げんなりしちゃうかもなんですけど、内容は全然違います。いい意味で!

出てくる5つの仕事がちょっと現実味ないというか、変わったお仕事なんです。ちょっと世にも奇妙な物語な雰囲気のものもあったり、ゆったりした時間の流れのものや、仕事内容が謎で不気味な緊張感のあるものまで。

自分がハローワークの窓口で紹介されて、実際に働く時のようなドキドキ感が味わえるし、新しい職場に行った時の、その職場独自のルール、環境、人間関係を様子見しながら働く疑似体験ができます。


この作品の、作者のコメントがすきで。

「やりがいのある仕事は人から頼りにされ、誉められもしますから、仕事と愛憎関係にも陥りやすい。その結果、好きな仕事に裏切られると、心身ともにボロボロになってしまいます。そういう人が、やりたい仕事ではなくやれる仕事からやってみて、仕事と自分との関係を建て直す。それが、この連作の通底にあります」。

仕事と愛憎関係って言い得て妙。私自身が、最近仕事と愛憎関係になりつつあるかも…という時に読んだのですごくよかった。
なんせ「おしごとファンタジー」なので。なんか違う仕事したいな〜という行き詰まりがある時に読むと、現実逃避できていいかな〜と思います。


③局アナ 安住紳一郎/安住紳一郎

最近面白いことないな〜という時はエッセイですよね。
他の人の生活を体験できる気がして、気晴らしになります。

これは自分が読んだエッセイの中で、一番好き!おすすめしたい!特に30歳前後のサラリーマン!(笑)
エッセイって穏やかな暮らしを…著者独自な視点で…みたいなのが多いイメージだったんですけど(偏見かも)。

この本はね〜〜違った!まず安住アナ、さすがお話が上手なので!クスッと笑える話が多い。
かと思ったら、「どれだけ番組に出ても給料は同じ」と語る、局アナらしいサラリーマンの哀愁を感じるエピソードには、テレビの向こうの遠い存在だけど、会社で働く人間としてちょっと共感してしまう。

あとは、目を背けたくなる失敗談と、それをフォローする周りの同期や先輩方のエピソードにじ〜んとします。
なんかね。安住アナの先輩や仕事に対する眼差しから、いったん読むのを止めて、自分の仕事のことを真剣に思い直しちゃったりしました。そういうお話も結構ある。


あと地元の帯広から上京する時の、飛行機での機長のアナウンスに気持ちを救われた話。何回も読み返した。
言葉の力を信じる人なんだな〜と思ったし、言葉を通して優しさや勇気をもらった経験ってみんなあるよな〜と。
や〜、それを投げかける側の人間になりたいものです。

なんかもうね、この人、人間味がありすぎるし、言語化がうますぎる。話もうまい。


個人的には、安住アナのサイコパスみさえ感じる「たんぱら(怒りっぽい)」っぷりにドン引きした。
高校生の頃、親にキレて空き地で教科書から勉強道具一式、なんと本棚まで火をつけて燃やしたそうな。すごい。ヤバい人じゃん…。

もともと安住アナが好きで、中高時代はぴったんこカンカンとか、さんまのからくりTV、金スマを毎週みてたので!それもあって熱量が高い!話が長くなりました。


や、でもこんなに気持ちが忙しくなるエッセイは初めてでした。おもしろかった。

安住アナが30歳前後の時に連載していたエッセイなので、会社の中での境遇というか、仕事や周りの人に思うところっていうのは、同じ年代だと重なるものも多いんじゃないかと。
や〜ほんとによかった(何回言うねん)。


④話すチカラ/安住紳一郎&齋藤孝

おい!また安住アナかい!しつこい!って感じなんですが。
大人として、社会人として、サラリーマンとしてめちゃめちゃ参考になったので。

コロナで時間もあるからビジネス本でも読むか〜や〜でもだるいな、という方に(果たしているのか?)ちょうどいいです。
タイトルに反して、全然説教っぽくないので気楽に読めます。


というのも、安住アナの出身校、明治大の現役生に向けて行った実際の講義をもとに作られてます。それに恩師の齋藤先生がコメントする形。

なので、先輩からの!リアルな!為になる話!って感じでスッと腹落ちするし、熱量が伝わってきて、すいすい読めます。


特に人前で喋る機会のある方は、安住アナの話し手としての工夫がすごく参考になるかと。
例えば、心を掴むには自分たちが特別に扱われたと思わせる!とか、関係性ができてない相手の気持ちをのせるには、内容でのせるか、段取りでのせるかだ!とか。リアルに役立ちそう。


私自身、社会人生活で無意識に身につけたものもあって、おお!安住アナと同じテクニック!とテンションがあがったりしましたが(自惚れんな)
話の着地のさせ方についてのテクニックなんかは、さすが限られた時間で話を締めるアナウンサー!といった感じで、とにかく短い発表をさせられがちな新入社員の頃に知りたかった〜と思いました。


他にも、お世辞の心得というかコツ?だったり、時事ネタを雑談として話せるようになるには、とか、偏愛できるものを持って自己肯定感をあげろ!等々。
これから社会人になる大学生への、ちょっとお節介な思いやりというか、同じ会社の後輩には(利害関係があるし)出し惜しみしたくなるだろうな〜という話もあって、とってもよかったです。


メルカリでめっちゃ転売されてて悲しくなった。こういう本の運命ですね。



⑤決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典/足立香代子

コロナで家にいると、普段なら適当にすますご飯も、ちゃんと選ぶ時間やメニューの選択肢が出来て困りませんか。ふと、健康のことを思ったりしませんか。

つい先日、母親から(わたしが個人的に思う)名言がでまして。「20〜30代の食生活と生活習慣が、50代の健康状態を左右する」
ガンになった母親の、ガン予防に効く食品が全部嫌いだったと気づいた話とか、看護師の時のエピソードとかも含めて、説得力がすごくて。恐れ慄いた。

ということで、自分が食べてるものに自覚的になろ〜という試みで買いました。プライム会員なら無料で読めます。
五大栄養素の働きから、食品ごとの栄養素、調理方法のコツ、体調不良の症状とそれに合った食品まで。Q&Aとかもあって読み物としてもよかった。

情報量めっちゃ多いので、気になるところをパラパラ読むだけでも勉強になります。


⑥佐々木敏のデータ栄養学のすすめ/佐々木敏

「野菜は1日に350gを摂取することを推奨」というのはネットや書籍でも見かけますが、なんでだろう?と思ったことありませんか。

わたしは⑤で読んだ本で、まず自分の食生活を見直した時に、え、野菜、全然足りない…となり、350g摂取を目指してみました。そしたら全然無理だったんですよ。250gくらいが限界。


この本は、なぜ350gが推奨されるのか、摂取量によって寿命や健康状態に違いは出るのか?というこに関しての根拠やデータの検証がされています。
他にもビタミンや低糖質、野菜を最初に食べるとかに関しての話も。


今、テレビでもネットでも◯◯を食べれば健康に、とかありますけど、それに振り回されないために、栄養やからだに関してのリテラシーをあげることにつながる本です。

今iDeCoだNISAだと投資が流行ってるけれど、健康を保つことが一番の投資だな〜と父親が病気で倒れたのに直面した時にすごく感じたので。
Amazonレビューのこれは身に迫るものがありました。

”人の体はおもちゃでも使い捨ての試供品でもありません。両親から授かった唯一の体であり、かけがえのない命です。取り換えはできません。ですから、本当かどうかわからないことを簡単に信じてしまったり、「自分の体を使って」ちょっと試してみようと考えたりするのは、命や人の体・健康を軽んじる危ない行動だと僕は思います。”
この書籍の姉妹本の 佐々木敏の栄養データはこう読む! に書かれている一節に、著者の誠実な姿勢が現れていると思います。


ちょっと真剣に栄養学に触れたい方にぴったりでした。
まだ途中なので私もこれから読みます〜。


今思い返したら、くどうれいんさんのエッセイもよかったんだった。6選…。ああ…。

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