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気ままな読書日記

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ジャンル関係なく、気ままに本の感想を書いていきます。
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2022年12月の記事一覧

須田史朗、小林聡幸『キャラクターが来る 精神科外来』金原出版

須田史朗、小林聡幸『キャラクターが来る 精神科外来』金原出版

自治医科大学精神医学講座の先生たちは、コロナでオンライン授業を求められた。そこで物語や歴史上の人物を精神科診断させるレポートを提出させることにした。それは、アメリカ精神医学学会のDSMなどの診断基準をただ当てはめるだけではすまないという診断の機微に触れる機会を設けるためであった。

2020年4月から2021年2月まで、109キャラクターが集まった。ちなみにレポート数の多いキャラ3傑は、野比のび太

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黒嶋敏『戦国の<大敗>古戦場を歩く なぜ、そこは戦場になったのか』山川出版社

黒嶋敏『戦国の<大敗>古戦場を歩く なぜ、そこは戦場になったのか』山川出版社

戦国時代は、魅力的な時代である。多くの武将が登場し、敗れ去っている。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった英雄たちが活躍した城や古戦場に興味を抱く人も多いと思う。

古戦場の中でも、大敗した場合、古戦場に首塚や、太刀洗いなど、恐ろしげな史跡が残される。著者は、大敗をテーマとした共同研究を行い、いくつかの大敗現場を訪れたという。

本書は次の古戦場を取り上げる。
第1章 桶狭間(今川義元)
第2章 人

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イヴ・ジネスト、本田美奈子『ユマニチュードへの道 イヴ・ジネストのユマニチュード集中講義』誠文堂新光社

イヴ・ジネスト、本田美奈子『ユマニチュードへの道 イヴ・ジネストのユマニチュード集中講義』誠文堂新光社

病院や介護の世界で、いま注目されている「ユマニチュード」の哲学と技術を伝えるため、複数の大学でおこなわれたジネット先生と学生との対話をまとめたものだそうです。

ユマニチュードは、NHKの番組などでも取り上げられ、その言葉を聞いたことがある人は多いかと思います。介護におけるケアの技術であることくらいは知っている人もいるかもしれません。

ユマニチュードは、認知症の人や高齢者に限らず、ケアを必要とす

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