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神として生きた女性

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中山みきという人の伝記を書こうとしています。
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#中山みき

「教祖絵伝」を読み直す 8/25 「立教」再考その4 「神憑りになった」のか「神になった」のか

「教祖絵伝」を読み直す 8/25 「立教」再考その4 「神憑りになった」のか「神になった」のか

「立教」とは何だったのかをめぐる考察も、今回でようやく最終回である。中山みきという人が、長男の秀司の足痛を治すために行なわれた「寄加持」の場で「神憑り」になったことから、天理教の歴史が始まった、という教団が伝える伝承は、そのほぼ全体が中山秀司という人本人による「作り話」に他ならなかったということを、前回までの記事ではつぶさに検証してきた。しかしながら、「それなら中山みきという人には実際には何が起こ

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「教祖絵伝」を読み直す 7/25 「立教」再考その3 天理教とは何だったのか

「教祖絵伝」を読み直す 7/25 「立教」再考その3 天理教とは何だったのか

「神として生きた女性」であるところの中山みきという人が「神として生きること」を開始した結節点は、史実として確かに存在した。けれども天理教という宗教が「立教にまつわる史実」として伝えているその内容には多くの「うそ」が含まれており、かつその「うそ」の出処をたどってみたなら、それを人々に伝えかつそれを事実であると人々に信じさせることのできる立場にあった人物は、物語の当事者であるところの中山秀司という人以

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「教祖絵伝」を読み直す 6/25 「立教」再考その2 秀司は何に恐怖したのか

「教祖絵伝」を読み直す 6/25 「立教」再考その2 秀司は何に恐怖したのか

天理教という宗教は、「中山秀司という人の足痛」から始まったということが伝えられている。この「秀司の足痛」を治すために行われた「寄加持」をきっかけに、その母親の中山みきという人に「神憑り」が起こり、「元の神·実の神」と名乗る「神」が「世界いちれつをたすけるため」に「みきを神のやしろに貰い受けたい」という要求を発したのに対し、彼女の夫の善兵衛という人がこれを受諾したことから、天理教の歴史は始まったのだ

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「教祖絵伝」を読み直す 5/25 「立教」再考その1 立教とは何だったのか

「教祖絵伝」を読み直す 5/25 「立教」再考その1 立教とは何だったのか

天理教という宗教の「立教」にまつわる物語として現在に至るまで語り伝えられている一連のストーリーは、その中で中山みきという人の口を通じて伝えられた「神の言葉」とされている様々な文言まで含め、大部分が中山秀司という人によって「作られた話」であり、そこに真実の要素はほとんど含まれていないというのが自分の見解である。ということを前回の記事で私は書いた。

けれども「立教」、すなわち天保9年の旧暦10月に「

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「まんが おやさま」を読み直す 15/48 「立教」その4 「最初の語り手」は誰だったのか

「まんが おやさま」を読み直す 15/48 「立教」その4 「最初の語り手」は誰だったのか

…ああ、話の展開が早すぎる。「立教」という出来事にはいつの間にか「決着」がついてしまい、「内倉でナムテンリオウノミコト」の話から「貧に落ち切れ」の話まで、ものすごい勢いで物語が動き始めている。私は中山みきという人は「ナムテンリオウノミコト」という言葉は絶対に使っていなかったはずだと思っているし、「貧に落ち切れ」というのは「状況を受け入れるための言葉」として口にしてはいたかもしれないが、彼女が自ら積

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「まんが おやさま」を読み直す 14/48 「立教」その3 神の歴史と人間の歴史

「まんが おやさま」を読み直す 14/48 「立教」その3 神の歴史と人間の歴史

「われは元の神 実の神である」と、「顔のなくなったみきさん」が「神の言葉」を語り始めるシーン、子どもの頃に読んだ時は、とにかくひたすら怖かった。人間に「神」が入り込むと顔がなくなる、という絵画表現の手法は、誰が考えたのか知らないけれど、異様な説得力があると今でも感じる。1970年代から現在に至るまでずっと続いている「ガラスの仮面」という演劇マンガがあって、私はこれが大好きなのだけど、このマンガでは

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「まんが おやさま」を読み直す 13/48 「立教」その2 「寄加持」は本当にあったのか

「まんが おやさま」を読み直す 13/48 「立教」その2 「寄加持」は本当にあったのか

「このあと、いったい何が起こるのか!?」という欄外のアオリの文字に、読んだ当時幼稚園児だった私がどれだけ心臓をドキドキさせたかは遠い記憶の彼方の出来事なのだが、オトナになった今の私は、そもそもこの「寄加持」というのは「本当にあったこと」なのだろうかということから、検証し直してみなければならない必要を感じている。

それというのも、前回「石上明神の洗い場の石を踏んだタタリ」云々というセリフが出てきた

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「まんが おやさま」を読み直す 12/48 「立教」その1 中山秀司のこと 中野市兵衛のこと

「まんが おやさま」を読み直す 12/48 「立教」その1 中山秀司のこと 中野市兵衛のこと

中山みきという人の伝記を書くにあたって最も謎に包まれた部分である「立教」と呼ばれる出来事が「何」であったのかを考察する作業に、今回からは入って行くことになる。本当ならば「検証」と書きたいところなのだが、「検証」をやれるほどの材料、すなわち何が史実であったかを客観的に証明できるような資料が余りにも不足しているため、今の私にやれることは「考察」がせいぜいであることを、あらかじめお断りしておきたい。もっ

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「教祖絵伝」を読み直す 4/25 足達照之丞の話 再考

「教祖絵伝」を読み直す 4/25 足達照之丞の話 再考

前回では、中山みきという人にまつわる伝承の中で最も理不尽だと私が感じてきた「足達照之丞」のエピソードについて、幼い頃から溜め込んできた疑念を全部吐き出させてもらったわけなのだが、いまだに釈然としないのは、どうしてこのような「誰も幸せにしない作り話」が、天理教の信者さんたちには長年にわたって大切にされ続けてきたのか、もっと言うなら、愛され続けてきたのか、ということである。この逸話は平田弘史さんの「教

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「まんが おやさま」を読み直す 11/48 足達照之丞の話 後編

「まんが おやさま」を読み直す 11/48 足達照之丞の話 後編

この話を5歳の時に読んでしまった当時の私の気持ちというものを、想像してみてほしい。中山みきという人は、何とひどい人なのだろうと思った。こわい人なのだろうと思った。今までずっと、中山みきという人はやさしい人だ、何でも許してくれる人だというイメージを植えつけられてきたわけだけど、その「正体」はこんな人だったのかと、連載一年目にしていきなり手のひらを返されたような気がした。

子どもの頃の一年間というの

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「まんが おやさま」を読み直す 10/48 足達照之丞の話 前編

「まんが おやさま」を読み直す 10/48 足達照之丞の話 前編

「まんが おやさま」の10回目。当時5歳だった私に精神的外傷とも言うべき巨大なショックを植えつけた「足達照之丞」のエピソードの前編に当たっているのだが、本当に怖かったのはこの次の号に掲載された話を読んだ時のことだったので、その恐怖の内容については今回はまだ触れないことにしておく。しかしながら今になって読み返してみて、当時の私は決定的なことがまだ何も起こっていないこの号の時点においても、充分な恐怖を

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「教祖絵伝」を読み直す 3/25 「五重相伝から舅·姑の出直し、秀司·おまさ·おやすの出産まで」

「教祖絵伝」を読み直す 3/25 「五重相伝から舅·姑の出直し、秀司·おまさ·おやすの出産まで」

平田弘史さんの作画による「教祖絵伝」の読み直しも、順を追って進めて行きたい。「まんが おやさま」の中で取りあげられていなかったエピソードの中で特筆すべきは、中山みきという人が中山家に嫁いで6年目の19歳の時に、現在天理高校になっている場所の南側に位置する勾田村の善福寺という寺で、浄土宗の秘儀とされている「五重相伝」を受けた時の様子が描かれていることだと思う。このことは善福寺の記録にも残されており、

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「まんが おやさま」を読み直す 9/48 人だすけの逸話2

「まんが おやさま」を読み直す 9/48 人だすけの逸話2

「まんが おやさま」を読み直す企画の9回目。作画者のとみ新蔵さんは、この回を描く時、かなりの葛藤を抱えながらも、真摯な気持ちで原稿と向き合われたのだろうなということが、伝わってくる気がした。貧乏に苦しみながらも、必死に突っ張って生きている人間の気持ちというものを、この人は「知っている」人だ、と感じたからである。それにも関わらず、この回における「乞食のおばさん」の描かれ方は差別的であると、私には感じ

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「まんが おやさま」を読み直す 8/48 人だすけの逸話1

「まんが おやさま」を読み直す 8/48 人だすけの逸話1

1983年10月に「リトルマガジン天理少年」に掲載された、「まんが おやさま」の第8回。前回までの「おかのさん」のエピソードとも合わせ、中山みきという人は本当に「何でも許してくれる人」だったのだな、というイメージが、子どもだった私の中にも深く刻みつけられたことを覚えている。しかしながら、史実を正確に検証しようと思うなら、庄屋の役こそ務めていても「辛うじて自作農」と言える程度の家だったという当時の中

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