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#作曲

ambient tune 聴取の詩学VII

カメラを持つと意識が変わる。
面白いものを探して歩くようになって、
慣れ親しんだ道にさえいろんなものを発見するようになる。
よく言われることですね、実感してます。

私にはもうひとつ、
慣れ親しんだ道でさえ見え方が変わるような習慣があります。
それは、このシリーズで紹介しているような曲を聴きながら歩くこと。

電車の中、街頭、カフェ、公園、ショッピングモール…
曲がBGMとなって、何でもない風景が
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ambient tune 聴取の詩学VI

これは私にとって、とても不思議な曲なんです。

パソコンで音楽作り始めたのがかれこれ15年ほど前。
そのころ、MIDIキーボードもなく、ギターを録音する機材もなく、
黙々とマウスで音を入力しながら何曲か作ったうちのひとつ。
当時、特に気に入ってたとか、思い入れが深いとかそいうものでもなく、
数回聴いてすっかり忘れてました。

それから何年後、突然あるフレーズが頭の中に浮かんできました。
聴き覚えの
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ambient tune 聴取の詩学V

眼前の風景を楽譜と見立て、それを見ながら演奏する。
そんなふうに即興演奏することを夢想しています。
加古隆がクレーの絵をみながら演奏してたみたいに、
楽譜じゃないものから音楽を読み取って演奏する。
世界の全てが私に音楽を奏でさせてくれる…そんな素敵な境地に入ってみたいな、と。
…まあ、修行中です。

昔、ある時ふと思いました。
スケッチって、特に速写するスケッチ(クロッキーというほうが適切ですね)
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ambient tune 聴取の詩学IV

私の教え子、一昨年大学のギャラリーで開催した個展を私が記録した動画です)。

これまでの3本、この「聴取の詩学」シリーズのために音楽に画像を加えて新しく動画を作ったものを紹介してきました。
今回紹介する曲もそうするつもりだったんですが、
「そういえばこの曲、以前動画のBGMに使ったなあ」
と思い出し、引っぱり出してきました。

自分で言うのもなんですが、作品と音楽、なかなか良い感じにマッチしている
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ambinet tune 聴取の詩学II

私の曲も感触が大切、というか感触が全て。

音楽についての知識ってほとんどなくて。

どこを押さえると何調の音になるか、それはわかります。
和音、理屈は知ってますが、即興の中で臨機応変に使えないです(ジャズの人、凄すぎです)。
私が奏でる和音は調のスケールの中の音を適当に選んで押さえているだけ。それがなんという名前の和音なのか私はわかりません。

音、弾く前にどんな音、響きになるのかイメージできま
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ambient tune 聴取の詩学I

数日前に作った曲があります。
正確には「作った」ではなく「そのように成ってしまった」もの、即興です。
「作る」というのは目的や完成のイメージがあって、それに照らして「こうしよう」「こうすべき」「これは違う」「こっちのがもっと良い」…といった具合に吟味していくものです。
でもこの曲はそのようにしてできたものではありません。
適当に弦を押さえる。何調にするにはどの音を押さえるか、という知識はありますが
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