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柳生二千翔「『まばたきの季節』リサーチ報告会+戯曲リーディング」実施にあたって
※イベント詳細:http://www.kac.or.jp/events/25678/ 『まばたきの季節』というプロジェクトの名前は、その街の1年をまばたきのように景色や時間を切り取っていく、とい…
2018/11秋滞在→→→2019/03春の滞在にかけての雑感
2018年の夏と秋の京都での滞在を通して、『ウォーターフロント』という戯曲を書きました。(https://note.mu/yagyunichika/n/n7fc79488bbd4) 夏の滞在については以下にま…
短編戯曲「目尻がとろける」
サラリーマンの山崎は、まとまった金が手に入るたびに整形を繰り返し、最良の自分を見つけようとしている。ある日、交通事故をきっかけに彼の右手が意志を持ち始め…。
ひとり多ずもう(監修:松井周[サンプル])参加作品
上演時間/15分 キャスト/3人
◆登場人物
山崎まひる…商社勤務のサラリーマン。ボーナスが入るたびに、整形をする趣味がある。
右腕
左腕
胃
その他、山崎の体の部位
ウェイター
同
戯曲「Dreams of Dreams」 02/03
3場
【9】PM 及川についての証言⑴ 近所の子・白石実①夕方になる。
白石 及川夕ちゃんは、市営団地の同じ棟に住んでいたんで、小さい頃はよく遊ぶっていうか、一緒にいました。一緒にいるうちの1人でした。世の中的にはもう出生率下がってきた時期だったけど、家賃も低めっていうか、ブルーカラー一色の、まあそういう地域だったんで、ある意味暮らしやすいんですよね。ガラは悪いけど、子供も多かった気がします。
★戯曲の上演申請について★
上演を希望する場合は有料、無料公演ともに柳生まで必ずご連絡ください。
ワークショップ、稽古場での使用は自由に行ってもらって構いませんが、一言ご連絡いただければ活動の励みになります。
Mail:yagyu.works●gmail.com (●→@)
その際は以下の要綱をお知らせください。
上演料に関しては事前にお問い合わせください。
(無料公演の場合には、企画内容を確認させていただいた上でのご
戯曲「ひたむきな星屑」 03(完)/03
10 《謝罪・翌日のフードコート裏》 スタッフ控室にて。
大沼が現れる。
大沼 青子さん。
青子 …お疲れ様です。
大沼 お疲れ様。逃げてきちゃった、人すごくて。
青子 まだ落ち着かないですか、避難してるお客さん。
大沼 まあ、ことがことだしね。イライラしちゃってて、みんな。
青子 ですよね。
大沼 やー、怖いよね、ああいうの。
青子 ええ。
大沼 …吸うんだね。
青子 あ
戯曲「ひたむきな星屑」 02/03
6 《時間経過(二ヶ月後)・メール・フードコート》 大沼、現れる。自室でメールを打っている。
大沼 青子さん。こんばんは。今日もお疲れ様です。夜シフトの方も、引き続き、よろしくお願いします。働き始めて二ヶ月ほど経ちますが、特に困ったことはないでしょうか。何かありましたら私にも遠慮なく聞いてくださいね。
間。返事がない。
大沼 最近冷えてきたので、体調には気をつけて下さい。
間。返事
戯曲「ひたむきな星屑」 01(始)/01
第一回 田畑実戯曲賞 受賞作
上演時間/90分 キャスト/5人(女3・男2)
◆あらすじ
私たちは、いったいどこに向かおうとしているのだろうか?
この街は、入り口でも出口でもない。
朝日ケ丘には新たに建造された高速道路が敷かれている。
街を縦断するように伸びる道。渋滞の高速道路には赤いテールランプが輝いている。
そこに併設されたサービスエリアが、現在の街の主産業となった。
数年ぶりにこの街
戯曲「メゾンの泡」 04(完)/04
4場【11】 再会 綿貫、バイトが終わり、帰ろうとエレベーターを待っている。
エレベーターに入る。
遅れて、真矢が滑り込んで来る。
真矢 すみません、乗ります。
綿貫 あ。
間。
綿貫、ドアを開けっ放しにする。
真矢、無事乗れるが、綿貫と気づいて気まずくなる。
真矢 あ…こんにちは。
綿貫 こんにちは。…62階でいいですか。
真矢 あ、はい。
間。
綿貫 お久し
戯曲「メゾンの泡」 03/04
3場【7】 ハッピーバーズデー 綿貫、自室に帰って来て、京子の家に悠介の私物を投げ込む。
京子 それから何度も、悠介さんの私物が届くようになり、彼は、ますます家に帰ってこなくなっていた。隣の部屋に入り浸っているのか、私にはもうよく分からない。生活費は振り込んでくれる。それ以外は音沙汰なし。このまま、ひっそりと息ができるくらいの隙間で、毎日過ごせたらいいのに。死んでいないだけでも嬉しい。死んでい
戯曲「メゾンの泡」 02/04
2場【4】 隣の部屋 京子と真矢、部屋の整理を続ける。
やがて真矢は就活に向かう。
京子、椅子に座る。
綿貫 新暦73年10月5日、最近、隣の部屋が騒がしくなってきた。今まではむしろ静かすぎたのだが、どうも声の大きい女が新しく増えたようで、壁も薄いから割と筒抜け。何だ、急に楽しそうだな。その賑やかな部屋の横で、K太郎は寝ている。K太郎がここに通うようになったのは半年ほど前で、頻度はその
短編戯曲「私の好きだった週末」
・登場人物
本城拓馬
本城紗和
本城真紀・・・拓馬の母
バニラ・・・拓馬の実家の犬
◆本編1.車のなか
高速道路。渋滞している。
車中、運転席に紗和、助手席に拓馬。
拓馬のスマートフォンとカーステレオを無線で繋いで、音楽が流れている。
しばらくして、メールの通知がくる。
拓馬、スマートフォンを確認して、視線を窓の外に移す。
拓馬 「何時に着く?」
紗和 え?
拓馬 母さんから。
紗和
柳生二千翔「『まばたきの季節』リサーチ報告会+戯曲リーディング」実施にあたって
※イベント詳細:http://www.kac.or.jp/events/25678/
『まばたきの季節』というプロジェクトの名前は、その街の1年をまばたきのように景色や時間を切り取っていく、というコンセプトに由来します。しかし何度も素早くシャッターを切るというよりは、そのスピードはゆっくりで、そこに映った1枚の景色をじっくりと、しかしぼんやりと眺めるような時間になればと思っていました。
滞在制
戯曲『ふちどり かたぬき 愛とよべよ』 を書くまえに
(2019年3月京都滞在を通して) 柳生二千翔×京都芸術センターの協働プロジェクト『まばたきの季節』の一環で、
2019年5月に、“許せないことに疲れている” をテーマに、至極個人的な生い立ちや、それに対する私の思いを背景とした戯曲を発表します。タイトルは『ふちどり かたぬき 愛とよべよ』 とします。
これと同一のアプローチをした過去作品は1度あります。しかしその際は失敗しました。思いが強すぎて
2018/11秋滞在→→→2019/03春の滞在にかけての雑感
2018年の夏と秋の京都での滞在を通して、『ウォーターフロント』という戯曲を書きました。(https://note.mu/yagyunichika/n/n7fc79488bbd4)
夏の滞在については以下にまとめています。
秋の滞在に寄せて(柳生二千翔より)
夏は、その場所に滞在することを通して、浮ついた状態(観光気分)から脱すること/土地に身体を馴染ませる感覚を意識的に大事にしていました。外