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戯曲「ひたむきな星屑」 02/03

6 《時間経過(二ヶ月後)・メール・フードコート》

 大沼、現れる。自室でメールを打っている。

大沼  青子さん。こんばんは。今日もお疲れ様です。夜シフトの方も、引き続き、よろしくお願いします。働き始めて二ヶ月ほど経ちますが、特に困ったことはないでしょうか。何かありましたら私にも遠慮なく聞いてくださいね。

 間。返事がない。

大沼  最近冷えてきたので、体調には気をつけて下さい。

 間。返事がない。

大沼  もうすぐ試用期間終わるので、今度、昇給の話させてもらいますね。

 間。
 赤澤、フードコートに現れる。

青子  いらっしゃいませ

 青子、机などを拭いて退場。
 寝ている水間、起きる。
 赤澤、席に座り、自撮り棒付きのスマートフォンでレポートを動画で撮る。

赤澤  はい、春ちゃんです。本日のレポートを始めます。…えっと、ここには新しいのか古いのか、いまいち統一性がないというか、不揃いなものが多いです。例えば、あそこ、真新しいフードコートの端には、なぜか古めかしいジュークボックスが置かれていて、そこからいけ好かないアイドルソングが流れています。そもそも、この機械から爽やかな未来を謳うご当地アイドルソングっていうのは似合わないと思うんです。というか不気味で仕方なくって…。
そうなんです。こうして私はまた一つ「偽物」を見つけました。
私は毎週末近くもないこの街に車を飛ばして、偵察に来ています。夫は何でそんなに執着するのか訳がわからないようでしたが、…世直しだと思います。不正は正さないと、もう手がつけられなくなってしまうから、私はこの場所の何が膿なのか、リサーチする必要がありました。

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