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Bitter, and Sweet. note #03 大切な世界観

山倉ボッサです。
読んでいただきありがとうございます!
今回は自分が大切にしている世界観についてお話ししようかと思います。
自分の作っている音楽の雰囲気や歌詞にもその様子は現れるように言葉や音を選んで作っているので、これを読んだ後音楽を改めて聴いてただけたら嬉しいです。


Bitter, and Sweet.


タイトルにも書きました。
Bitter, and Sweet.
直訳すると「苦くて甘い」。味わいを表している言葉ですが、皆さまはどんな時にこのBitter, and Sweet.が蘇るでしょうか?

僕は以前自己紹介でお話ししたように、お店で働いてしまうほどコーヒーが大好きなので、深煎りの美味しいコーヒーを飲むと必ずこの味わい深い感覚が僕を迎え入れてくれます。最近食べてないですが、ちょっと焦げが多めのみたらし団子とかもこのフィーリングかなと思います。

苦く始まって、甘くフェードアウトするのがコーヒー。
甘く始まって、苦くフェードアウトするのがみたらし団子。
そんなイメージです。

僕は音楽を作っていますが、一曲の中にこの「苦い要素・甘い要素」というものを必ず意識するようにしています。調味料の度合いが作りたい料理によって変わってくるように、仕上げたい楽曲の世界観によって「苦い要素・甘い要素」を調整しています。

僕にとって
音楽的な「苦い要素」は重低音の強さ、エレキギターの歪み(ギャーン!って音質がとがる成分)の強さ、ボーカルの迫力や歌詞のストレートな表現など。
音楽的な「甘い要素」は使っている楽器の種類の数、耳あたりのいい癒される音質、曖昧な表現や音符に変換できない息づかいや声の表情など。
といった言い方ができる気がします。

剛と柔、陰と陽、これらとニュアンスが近いところはあると思います。
でも食う飲む寝るが好きなんで僕はBitter, and Sweet.で行きます←


コーヒー屋時代培った感覚


そもそも僕が音楽活動を始める前にコーヒー屋の社内セミナーにて
「ブレンドコーヒーについて」の研修があり、そこで個々の存在を活かして一つの味をつくるということの哲学に触れたことが、僕にとってかなり大きい影響を与えた出来事だったと思います。

働いていたコーヒー屋はオリジナルブレンドコーヒーが味わい別に9種類もあって、全て明確に異なるキャラクターのコーヒーでした。
たった1杯のコーヒーが9種類も、です
産地ごとに異なる風味のコーヒーを、ポテンシャルの発揮される度合いで焙煎し、出来上がったものから配合のバランスで味を作っていく、まるで織物を作るような気の遠くなるプロセスを経て、初めて完成するマスターピース、それが「ブレンドコーヒー」です。

この9種類のコーヒーにはそれぞれ映画のタイトルのような名前がついていて、そのコンセプトに寄り添うというのが第一のルール。
同じ生産地の豆でも年によって状態が変わるので配合を適宜変更するのが第二のルール。
出来上がったものを何度も試飲して、飲み終わるまでそのイメージを持っていってもらえるか検証する第三のルール。
これらを重ねることでいつも美味しいコーヒーを用意するというものでした。

その中で感じたことは
「苦い要素・甘い要素」それぞれがゼロになってはいけない
ということでした。
互いの良さを引き出すために必要な対の存在であるということです。
甘さを引き出すためにスイーツに使う塩などもこういうことだと思います。
僕はポップスの楽曲を作っていますが、ポップであるために必要な

・歌詞のとっつきやすさや、メロディー優先で作る構成
・確かな高揚感を届けるためにロックバンド編成で作るスケール感
・時折各楽器のソロパートを設けて音楽として間延びしない遊び感

これらの要素に気をつけて音楽を作っています。
一度聴いただけで伝わったらそれはとても嬉しいですが、音楽を聴いていただけるだけで芸術としてのゴールはある意味果たされたと思っています。

「感じる」、そして「理解する」。無理して発信しなくていい。


たまに食事が終わった後に
「美味しかった!上手く言えないけど」
音楽を聴いた後に
「よくわかんないけど、かっこいいね!」

とコメントを添える方がいます。
とてもありがたいコメントではないでしょうか?

これはSNSで個人が発信することができるようになったが故の弊害なのではないかと考えていますが
「受け手はその感動を相手に伝えなければいけない」
という心理が働いているのではないかと考えます。
感動のあまり言葉が出なくなってしまうという場合もありますが、パフォーマンスとして及第点を取った時の反応としての話です。
それに対しての僕の本音ですが

聴いてくれてありがとうございます。それだけでとても嬉しいです。

これに尽きます。
感想が聞きたくないというわけではないのですが、「どうだった?」と聞くのが圧迫感を生んでしまいそうですのであまり聞かないようにしています。

逆に無理して言葉にしようとして頓珍漢な言葉を言ってしまう人もいたりするのはワインバーでよく見かけたりします。
「〇〇みたいな香りが〜。。。」とか
僕もコーヒー屋だったので味わいの表現について勉強するためにさまざまなものを口にしてはテイスティングノートを記録したりしていました。
でもそこをプレゼンとして前に出してしまうと相手の自由な発想を奪いかねないと思ってしまいます。
それこそ芸術が言葉で説明しないと楽しめないのだとしたらそれはもう芸術じゃなくてただの話術になっちゃいますしね。

「感想を言葉にすることはマナーではない」

受け取って、味わって、静かに終わっていく。
ただただ世界が回っているだけで、生きてて幸せ。
そんな静かで確かな充実感が音楽で与えられたら嬉しいなと思って気をつけていることです。

もちろん音楽仲間にデモ音源を聴かせてブラッシュアップさせるための目的で新しい曲を聞いてもらったりすることもありますが、その音楽仲間も楽しく一曲聴き終えて「いいね!」とだけ言ってくれたらそんなにいいことはないです。
「微妙だねこの曲」と正直に酷評してくれる人も作り手の僕としてはとても貴重ですし、満場一致のいい曲を作るという僕の目標もありますから、そこへは貪欲に向かっていきたいですね。
とこんな具合に大切にしている世界観
Bitter, and Sweet. でした。

最後まで読んでくださった皆さま、ありがとうございました。
次に会うのはnoteか、ライブハウスか。
またお会いしましょう。

山倉ボッサ

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