記事一覧
2月27日「うららか」
京都の占いに行くのは昨年の夏ぶり、二度目である。家族との関係についてみてもらったところ「あなたのお母さんと妹さんは他者からどう見られるかが大事なので、そもそもマウンティング基質です。あなたにそのつもりがなくてもマウンティングされたと思うと怒りだします」と言われ、理不尽にひっくり返りそうになる。「マウンティングさせておけば平和なので、させておいてあげましょう。それによってあなたは不当に名誉を傷つけ
もっとみる2月25日「草青む」
呪いとはかくもおそろしいものだなあ、と思う。あいかわらず恋愛方面で迷走している後輩だが、おそらく彼女は、自分が性的に扱われることをそもそもあまり好んでいないタイプだと思うのだ。けれどこの世の中は、恋愛至上主義に満ちている。どんなに仕事がいちばんだと言ってもどこかで「そうは言っても恋したらそれが最優先、いちばん大事なことになるだろう」という前提で話されることも多いし、どんなにさみしくないと言っても
もっとみる2月23日「天皇誕生日」
地味に気になっていることがある。うちのトイレットペーパーホルダーは二つ横並びになっているタイプなのだけど、縦に積める予備ホルダーも置いているので、基本はひとつしか使っていない。が、きのう友人のどちらかがセットしたようで、気づくと使いかけが二つ並んでいた。理由がわからなさすぎる。と、こいびとに伝えると、友人たちが帰ったあと5回くらい首を傾げていたそうで、それはもう地味ではなく派手に気になっているよ
もっとみる2月22日「春一番」
友人たちと日本酒持ち寄りの会をもよおすので、わたしにしてはめずらしく数日前から食事を仕込んでいる。醤油と酒にしょうが・にんにくをあえればだいたいなんでもおいしくなるので和食は偉大だ。早々に食事は準備できたので窓をあけて部屋を掃除していると思いのほか風が強く、枠をがたがた揺らしていた。春一番がやってきたのだ。
去年より半月もはやい到来で花粉が大量飛散しているらしく、こいびとにはお気の毒なことで
2月21日「土脉潤起」
久しぶりに映画館に行った。レディースデーでもauマンデーでもない正規料金で。なにをおいても観たいものがあった、というより、頭をエンタメに染めたかった。ほんとうは『パラサイト』を観たい、というかあれは観ておかないとまずそうだなあ、と思っているのだけれど、あんまり難しいことを考えずスカッとした気分になりたかったので、終わりかけている『ナイブズ・アウト』を。アメリカの移民問題とか、立場の強弱による関係
もっとみる2月17日「魚上氷」
仕事仲間の発案で、雀荘に集まり、卓をかこんだ。初対面の人たちばかりで、挨拶も自己紹介もそこそこにじゃらじゃらと牌を鳴らしながら対局をはじめる。お金は賭けずに、ただひたすら真剣勝負する、超健全な頭脳ゲームとしての麻雀だ。おなじ業界に身を置いているひとたちがほとんど、と言っても、具体的に仕事の話をすることもなく、気づけば4時間があっというまに過ぎていた。あれほど神経を研ぎ澄ます機会は日常になく、知恵
もっとみる2月14日「梅の花」
ここぞというときにしか食べないようにしている鮨屋のランチをいただき、食べ終えたあとなぜか涙が出そうになった。まだ大丈夫だ、とおもった。満腹感の幸せが悲しみに打ち勝つうちは、まだまだ全然、生きていける。
と、書いているときに昨日の日記を読んだ兄さんから「一枚の絵にはいろんな色が入ってる」とLINEがきた。べつの友だちからも、ここ数日のを読んだけど大丈夫か、と聞かれた。こいびとは私のめんどくささ