ゆづき

成人済。本読みの文字書き。最近はクリスタも練習中。本を読んだり美術館に行ったり、紅茶を…

ゆづき

成人済。本読みの文字書き。最近はクリスタも練習中。本を読んだり美術館に行ったり、紅茶を飲むことが好き。 ここでは主に関西を中心とした美術館巡りの感想を書いてます。 Twitter→https://twitter.com/worldhappyend

最近の記事

  • 固定された記事

文豪と美術

今回は美術展に行った感想ではなく、少し趣向を変えて日本の文豪と美術との関係性のお話です。 日本近代文学を支えた文豪と画家、または絵画や彫刻といった美術品の関係は多いのですが、意外とまとまったweb記事や関連書籍がなかったため、あくまでも私が知っている範囲のみのお話になります。 専門家の記事ではないので、ふわっと読んでみてください(逆に良い資料があれば教えていただきたい……) 近代文学と美術 明治時代。文明開化によって、多方面にわたる欧米文化が日本に入ってきました。 多く

    • すべては「心を豊かにする喜び」のために

      久しぶりの美術展レポ、今回は去年告知を見てからずっと楽しみにしていた、大阪の国立国際美術館で開催されている「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に行ってきました! 2年前、実際にイギリスに旅行した際ナショナル・ギャラリーに行ったけど、良い絵はやっぱり何度でも見たい!! というのも、ロンドン・ナショナル・ギャラリーがコレクションをまとめて海外に貸出するのは滅多にないので、これはチャンスなんですよね。 しかも今回は美術館の大型改装ではないにも関わらず(美術館が長期改装の際はコ

      • 文豪と美術2

        なかなか美術館や博物館に行けない日々が続いています。 このなんちゃって美術館お出かけコラムで書くネタもなく……なので、以前書いた文豪と美術の第二弾を書きました。 前回書き切れなかった有名文豪と美術との関わりを知ってもらって、少しでも話のネタにしていただければ幸いです。 【夏目漱石】 日本の近代文学を代表する夏目漱石。彼も美術に大きな関心をもっており、著作にもたびたび絵画について出てきます。 ロンドンに留学していたこともあってか、小説『三四郎』にはフランスの画家クルーズ、ウ

        • それは生命の未来と可能性のカタチ

          バイオアートって何? 芸術カテゴリのひとつとして、『バイオアート』という分野があります。 科学芸術、特に(広い意味合いとしての)生物学と芸術を組み合わせたものであり、遺伝子工学が発展していった20世紀後半から現在まで広がりをみせつつある今注目の芸術です。 ここ数年、日本国内でもバイオアート関連の展示が増えてきていたのですが、なかなかタイミングが合わず、行きそびれてました。そんななか、ちょうど東京へ行く機会があったので、森美術館で開催中の『未来と芸術』展に行ってきました。

        • 固定された記事

        文豪と美術

          絵に人生を詰め込んだような天才画家の生涯

          明けましておめでとうございます。今年も関西の美術展を中心に、色々お出かけしてこちらのnotoを更新しようと思っているので、よろしくお願い致します。 さて2020年の美術展一発目は、あべのハルカス美術館で行われている『カラヴァッジョ展』に行ってきました。 なんというか、新年なんだから、もう少しお目出度いものを観に行けばいいのに……。と自問自答しつつ、正月休みに美術館行く人もあまりいないだろうと思ってたら、意外と人多かった。 カラヴァッジョ展を観る前に一点注意していただきたい

          絵に人生を詰め込んだような天才画家の生涯

          芸術の秋に、たっぷり日本画

          11月も半ばに入り、関西も日に日に寒くなってきました。 芸術の秋!ってことで、今回は日本画メインに、京都で行われた展覧会と今年10月にオープンしたばかりの美術館へ行ってきました。 まずは京都国立近代美術館で行われている『円山応挙から近代京都画壇へ』展へ。展示は円山応挙だけでなく、江戸時代後期~昭和にかけて、応挙の影響を受けたと思われる画壇を中心とした展示となっています。 円山応挙といえば、龍、虎、鷹、孔雀、そしてコロコロとした可愛らしい子犬など、立体感のある動物たちが魅力

          芸術の秋に、たっぷり日本画

          ウィーンのモダンで洗練された文化を追う

          画家クリムトが活躍した世紀末ウィーンは、ちょうど第一次世界大戦が始まる前。オーストリア=ハンガリー帝国が華々しく中東欧に君臨し、ヨーロッパの文化や芸術が花開き始めた時代でした。 『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道』は、クリムトとシーレの絵画をメインにしつつも、女帝マリア・テレジアの時代から、約二百年ほど駆け抜けるかのようにしてウィーンの文化をまとめて観ることができる展覧会です。 実はこの展覧会以外にも、今年はいくつか『クリムト展』という形でクリムトの絵が日

          ウィーンのモダンで洗練された文化を追う

          “ファム・ファタル”に魅入られた画家。ギュスターヴ・モロー展

          『ファム・ファタル』とは、フランス語で「宿命(運命)の女」という意味になる。 ファム・ファタルと聞くと、どうしても『傾国の美女』『悪女』のイメージが強いけれど、運命的な恋愛相手という側面もあり、古くから画家や詩人の恋人はファム・ファタルとして表現されてきた。 『神曲』に登場する、ダンテにとっての永遠の恋人ベアトリーチェは、その最も有名な例ともいえる。 というわけで、今回観に行った展示は『ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち』 ギュスターヴ・モローは19世紀フランス

          “ファム・ファタル”に魅入られた画家。ギュスターヴ・モロー展

          『桃源郷』と呼ばれた美術館へ

          先日前々から気になっていた滋賀県甲賀市にある『MIHO MUSEUM』に行ってきました! 場所が山奥山奥って聞いていたけど、マジで山奥にあった。 大阪からだと快速急行で最寄りの石山駅まで電車で40分、さらにバスで50分。 これは冬期は雪のため閉館するのも、納得の場所です。 あまりにも山の中へ入っていくものだから、果たしてこんなところまでお客さん来るのか??と怪しんでましたが、意外にも駐車場は自家用車でほぼ満車。 さらにはツアー客らしき人たちや、外国人観光客も多かったで

          『桃源郷』と呼ばれた美術館へ

          チームラボの超主観空間論

          今日は姫路市立美術館で開催されている、アーティスト集団「チームラボ」の展覧会、『世界は暗闇からはじまるが、それでもやさしくうつくしい』に行ってきました。 チームラボの展示はなかなか関西に来る機会がないので、ぜひ観に行きたい!! とプチ旅行気分で遠出してきました。 そもそも「チームラボ」って何?最近インスタ映えでも有名になってきましたが、「チームラボ」とは、アーティストだけでなく、プログラマ、エンジニア、建築家などの様々なスペシャリストで構成された、最新のテクノロジーを駆使し

          チームラボの超主観空間論

          フェルメール展in大阪

          今日は大阪市立美術館で行われている『フェルメール展』へ行ってきました! 久しぶりに天王寺公園へ行きましたが、芝生が広がり、カフェやドッグランなどがあって、すっかりオシャレスポットになっていたのにはびっくりです。ただ、ちょこちょこと昔の公園らしさは残っていて、ほっこりしてしまいます。 先日上野の森美術館で行われた東京展限定では、日本初公開の『ワイングラス』、『赤い帽子の娘』、期間限定展示の『取り持ち女』を含め、9点のフェルメール作品が展示されていましたが、今回の大阪展では『取

          フェルメール展in大阪

          弾丸!アートなロンドン旅行記 番外編

          ここからは旅行中の失敗とか、その他あれこれの話になります。正直こっちのほうがネタは多い。 最初の前提として、私の英語レベルは中学生にちょっと毛が生えた程度。身振り手振りと単語をつなぎ合わせて、なんとかいけるか!? くらいのレベルです。自分の英語が現地では伝わらないだろうなというのは百も承知だったので、事前準備としてロンドンで行きたい場所と住所を英語でメモして、いざとなったら見せて道を尋ねることができるようにしておきました。 いや、さすがに機内でコーヒーを頼んだつもりが、ティ

          弾丸!アートなロンドン旅行記 番外編

          弾丸!アートなロンドン旅行記 その4

          近代美術から最新アートまで! テート・モダン最後は現代美術を中心とした美術館、テート・モダンです。かなり広いので、やはり三時間くらいはかけたいです。 テート・モダンの館内。元火力発電所だった場所を2000年に美術館として開館。ロンドンは21世紀以降テムズ川沿いに開発が進み、前衛的な建物が多くあります。 少しわかりにくいですが、一番下にあるのがミュージアムショップ。ここ以外にも建物内に三カ所くらいショップがあり、これまで見てきたミュージアムのなかでも面積が広く、オシャレな雑

          弾丸!アートなロンドン旅行記 その4

          弾丸!アートなロンドン旅行記 その3

          『テート』の名を冠する美術館たち現在ロンドンには『テート』と名がつく美術館が二つあります。 ひとつはターナーコレクションが豊富な、白亜の神殿のような造りをした『テート・ブリテン』、そして発電所を改築した近代的な建物内にある、現代美術中心の『テート・モダン』です。 この『テート』というのは、国立美術館ネットワークの総称でもあり、毎年イギリス在住の美術作家に贈られる『ターナー賞』の主催もしています。 日本の院展とは違い、注目度が高く、テレビでも中継される華やかな授賞式が有名です

          弾丸!アートなロンドン旅行記 その3

          弾丸!アートなロンドン旅行記 その2

          このnoteを書いているあいだに、来年2020年、春から秋にかけ、東京と大阪で『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』が開催されることが決まりました。オリンピックに合わせたのかな?? ゴッホの『ひまわり』が初来日予定とか。他にも同館にある作品が60点ほど公開されるそうですが、どんな作品が来るのか、続報が楽しみであります。 前置きはここまでにして、日にちが開いてしまいましたが、アートなロンドン旅行記続きです。 とにかく何でも集めておけ! 精神の大英博物館お次はイギリスに来たな

          弾丸!アートなロンドン旅行記 その2

          弾丸!アートなロンドン旅行記 その1

          昨年10月、三連休の前後で有給を取り、三泊五日の弾丸で、ロンドンへ一人旅をしてきました。 初めての海外一人旅、初めてのヨーロッパ。 しかもツアーではなく、トランジットありの完全な個人旅行です。 ロンドンを選んだのは、「まあ、英語ならなんとかなるやろ(安直)」と思ったのと、少ない日数でも効率よく美術館と博物館に回れそうな都市。で選びました。本場の紅茶も飲んでみたかったし。 はたして三泊五日でどこまで楽しめるのか?三泊といっても、ロンドンで使える時間は実質丸2日。 スケジュー

          弾丸!アートなロンドン旅行記 その1