見出し画像

すべては「心を豊かにする喜び」のために

久しぶりの美術展レポ、今回は去年告知を見てからずっと楽しみにしていた、大阪の国立国際美術館で開催されている「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に行ってきました!

2年前、実際にイギリスに旅行した際ナショナル・ギャラリーに行ったけど、良い絵はやっぱり何度でも見たい!!

というのも、ロンドン・ナショナル・ギャラリーがコレクションをまとめて海外に貸出するのは滅多にないので、これはチャンスなんですよね。
しかも今回は美術館の大型改装ではないにも関わらず(美術館が長期改装の際はコレクションを海外に貸し出すことが多い)ゴッホのひまわりやフェルメールなど、美術館側としても常設展の目玉にしているものが自国を離れるのは珍しい。
日本で観られるのは最初で最後かもしれないのです。

日本は他国と比べて、海外からの大型巡回展が来やすいので恵まれたところなのですが、それはひとえに国とキュレーターさんたちの交渉の賜物。

そしてぶっちゃけ日本には、ルーブル美術館やMoMA、大英博物館、そしてナショナル・ギャラリーのような常設展示だけで世界中から何百万人も人を呼び込めるだけの力強い美術館や博物館が少ないため、大型巡回展が多い……ってのも理由だったりします。

だからみんなチケット取って目当ての展覧会は観るけど、そのあと常設展示が同じ展覧会のチケットで一緒に鑑賞できるにも関わらず、行かない人多いのです。うーん、もったいない。

展覧会はすべて日時指定の事前チケット購入制。美術館内では直接チケットを購入できないので、注意して下さい。

私が行ったのは日曜日の朝9時~10時入場のチケットでしたが、9時ちょうどに着くとすでに長蛇の列でした。
ただ開場するとほとんど待つことなくスムーズに入れましたし、会場内は比較的ゆっくりと観ることができました。

奥に行けば行くほど人数もまばらなので、会場のラストを飾るゴッホの『ひまわり』あたりは数人が囲っているだけ。近くでじっくり見放題!

入場制限はあれど会場に入ってしまえば時間制限は設けられていないため、中途半端な時間帯だと、前の時間に入場したお客さんがまだ入鑑賞しているので、朝早くに行くのがベストかも。

画像3

英国議会によって創設された希有な美術館

ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、王室のコレクションを主体としていたヨーロッパ他国の美術館とは異なり、英国議会によって「国民の心を豊かにする喜び」のために創設されました。

当時、経済大国となっていたイギリスには、他国と競えるような美術館は存在せず、さらに古くからライバルともいえるフランスがフランス革命中にフランス美術館(現ルーブル美術館)を開館したことで、芸術を国民にも解放していこうという機運が高まっていました。

しかしイギリス王室のコレクションは、国王のものであり、相続財産。おいそれと国民に見せるわけにはいきません。

そこで資本家や収集家たちの寄贈によって、ナショナル・ギャラリーは開館しました。

全部名画? ナショナル・ギャラリー展の見所

通常、大型展では一番見せたいものを会場の最後に持ってきます。
今回はポスターにもなっているゴッホの『ひわまり』ですが、それ以外にも聞いたことある画家や教科書などで観たことのある絵がたくさん。

どれが一番!というのはないですが、モネ、ドガ、ターナー、そしてフェルメール。と名画と呼ばれるものが多いので眼福です。

大型サイズの絵が多く、展示内容もテーマがわかりやすくまとめられているので、プチナショナル・ギャラリーを体感することができます。

光に焦がれたゴッホの夢

会場の最後を飾るのは、もちろんゴッホの『ひまわり』。
展示会場内ではゴッホが生涯で描いた全7枚のひまわりについての詳細な解説もあるので、楽しめます。
以前、名探偵コナンの映画でも、焼失したゴッホのひまわりを巡る映画があったね……。

以前ナショナル・ギャラリーで実物を観たときよりもゆっくり鑑賞できたのですが、構図は日本に残っているひまわりの絵とほぼ同じ。
照明の関係か、私の記憶補正のせいか、ナショナル・ギャラリーで観たときは「意外と黄色のトーンが暗いな……」という印象でしたが、今回のひまわりは燦然と輝くような印象を受けました。

ほんとは現地で観れなかったジョージ・スタッブスの『ホイッスルジャケット』が来ないかな……と密かに期待してたのですが、残念。

展覧会鑑賞後は、堂島にある紅茶専門店、『ロンドンティールーム』でブランチをとって終了です。

画像1

画像2


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?