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『桃源郷』と呼ばれた美術館へ

先日前々から気になっていた滋賀県甲賀市にある『MIHO MUSEUM』に行ってきました!

場所が山奥山奥って聞いていたけど、マジで山奥にあった。

大阪からだと快速急行で最寄りの石山駅まで電車で40分、さらにバスで50分。

これは冬期は雪のため閉館するのも、納得の場所です。

あまりにも山の中へ入っていくものだから、果たしてこんなところまでお客さん来るのか??と怪しんでましたが、意外にも駐車場は自家用車でほぼ満車。
さらにはツアー客らしき人たちや、外国人観光客も多かったです。

『MIHO MUSEUM』ってどんなところ?

『MIHO MUSEUM』は宗教家、小山美秀子氏の美術コレクションを展示した美術館です。

実業家が個人のコレクションを公開するために建てられた美術館は全国にも多数ありますが、宗教家の方の美術コレクションというのもなかなか珍しい!

この美術館の見所は、『桃源郷』をコンセプトとしたトンネルから見える桜並木と、あのルーブル美術館のガラスのピラミッドを設計した建築家による、洗練された建物。

桜の季節になるとトンネルの向こうにピンク色の景色が広がりますが、今の時期も青々とした緑の景観がトンネルにうっすらと色が映って風情があります。

実際、バスを降りて美術館に行くまで約500メートルほど距離があるので、てくてく徒歩で行くのもよし、10分間隔で運行している無料のカートに乗っていくのもよし。

長いトンネルはジブリ映画の『千と千尋の神隠し』を彷彿とさせます(それにしては近代的だけど……)

ちなみに夏期の特別展示はこちら。

展示を観て気づいたのは、螺鈿(貝)を使用した細工が特に多かったこと。光輝く金箔ではなく、主に金に似た合金が使われていたこと。
これは金銀の使用が幕府によって制限されていくなか、螺鈿で華やかさを出し、さらには独自の技術で合金の配合を考えていった職人の工夫だそう。

地下1階にある常設展示はエジプト、メソポタミア、アッシリア、古代中国等々。主に紀元前の文明のものがエリアごとに分かれていました。

絵画や工芸品ならともかく、古代の石像やフレスコ画まるごととかは、いったい個人でどうやって集めたんだ??と思うものばかり。ごっちゃりなところは、大英博物館を思い出す……

常設展示だけでも結構見応えがあるので、ゆっくり回ると一時間近くはかかります。

あと私立美術館の強みだと思うのですが、どの展示フロアもどこに何を飾るかを念頭に置かれた設計になっていて、作品展示のためにどのような工夫をしているのかというフロア解説も読むと楽しいです!

これは床にモザイク画をそのまま置いた大胆な展示。

同じく地下1階にあるレストランで食べた、有機野菜を使用したトマトのパスタランチ。
パスタも美味しかったけど、フォカッチャがもちもちで、噛みしめるたびに甘みがあり、うまうまでした!(パンはカート乗り場前にある施設でも買えます)

トンネルに入る前、カート乗り場手前にもレストランはあって、そちらの方がメニューも豊富ですが、個人的には本館地下にあるレストランの方が建物の構造や山の景色を見ながら食べられるので、オススメ。

バスで行く際は、1時間に数本しかないので、時間配分を考えて鑑賞してくださいね!

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