見出し画像

【仕事が無い】バングラディシュの若者達【金も無い】でも他は全部有る⑦



こんにちわ。
旅人のABBです。
バングラディシュ編最終回です。

その前に前置きで私が旅をしている理由を語らせて下さい。

①私の原動力

私の旅の原動力の一つは。
「子供と若者が輝ける社会」を創る。
そのために色々な世界と社会を見てみたい。
そのヒントを見つけたい。
ということ。

とまぁ政治家みたいなことをホザいておりますが、実際の所最近友人知人から「政治家になったら?」と言われることは割とあります。
「政治家になる」
実は考えたことが無いわけではないです。

私は山形県の山形市と言う街に住んでいますが、私が準備している事業予定資金を選挙費用にぶちこめばもしかしたらいつかは市議にはなれるかもしれません。
ですが一市議になった所で、根回しと世渡り。
実際の力を得るには20年位かかるんじゃないでしょうか。
私は30代中盤で若くは無いのでそんな時間はありません。
そしてこれではサラリーマン時代に後戻りです。

制度上は市長選に立候補することも可能です。
票数で現任に勝てば市長になることができます。
私がもし登録者数100万人のYoutuberだったらワンチャンあるかもしれませんが現実はフォロー数160人のnoterに過ぎません。
そして何より私の住む街は高齢者が多く、現状維持を望む人が多いです。
私のような奇天烈なアウトサイダーは受け入れられることは無いでしょう。

もし何かの間違いで市長になれたとしても「子供と若者が輝ける社会」を実現するには現状維持を望む既得権益と抵抗勢力を捻じ伏せる力が必要になります。
私にはその力は無いです。
安芸高田市長の石丸さんを見ていても思います。

やっぱ政治家は向いてないな、というか無理だな。
そう思うABBなのでした。

②福祉起業をする理由

私には児童福祉施設、就労支援施設での勤務経験があります。
会社組織の中で酸いも甘いも経験してきました。

「今の自分にできることってなんだろう」って考えた時に、株式会社を作って児童福祉施設を運営して自分の生まれ育った地域のために活動しようと思いつきました。

社長になって株を100%保有すれば、私を縛るものは法だけになります。
つまりは私が良いと思ったことを考え実行できるわけです。

そしてそれを評価するのは消費者(子供達・保護者)です。
市場原理にさらされることによって商品サービスは向上し、結果として子供達の利益になります。
提供する商品サービスが悪ければ当然マーケットからの退場を余儀なくされることになります。
それは嫌なので良いサービスを提供するためのヒントを得るために私は旅を続けていました。

以上、それでは本編です!

バングラディシュの大学の就職課に色々聞いてみた。

前回の記事ではバングラディシュの児童福祉施設に潜入してきました。

今回の記事では相棒のイクラムとダッカ市内の大学に行って学生たちの就職状況やバングラディシュの産業構造について色々聞いてきたのでその内容を紹介したいと思います。

ダッカ市内中心部にある
MNARAT INTERNATIONAL UNIVERSITY
以下マナラット国際大学と呼ぶ。

実はガイドのイクラムはマナラット国際大学の卒業生だ。
イクラムは国際大学卒とあって私よりも流暢な英語を話す。

構内の進路指導室にて。

今回お話を聞いたのは助教授のMd.Nurul Huda Razibさん。
専攻はマーケティングだそう。
以後Md(ムハンマド)さんと呼ばせていただく。

ABB「はじめましてABBです。今日は宜しくお願いします。」

Md「はじめまして。バングラディシュへようこそ!楽しんでいますか?」

ABB「良い意味でメチャクチャでカオスで日本と完全に違うので楽しいです。あとカレーが美味しいです。」

Md「それは良かったです。私は長年バングラディシュの若者達を見続けてきました。そこにいるイクラムも含めてです。何でも聞いて下さい。」

ABB「ありがとうございます。」

右のソース顔イケメンがイクラム。

バングラディシュの大学生

ABB「バングラディシュの大学進学率はどの位なんですか?」

Md「約20%程です。」

ABB「(…以外と高い。※失礼)。在校生は経済的に余裕がある家庭が多いですか?」

Md「そうですね。このキャンパスには3000人が在籍していますが裕福な家庭の子達が多いです。」

ABB「学費は年間どの位ですか。」

Md「学部によりますが年間1200ドル(≒¥190000)です。」

ABB「バングラディシュの経済水準を考えると高いのでしょうね。ダッカ(首都)出身の学生が多い?」

Md「ダッカ出身の学生は30~40%です。上京してきた地方の学生は寮か部屋を借りて自活していますね。」

この記事は帰国後に執筆しています。
もらった大学のノートと当時のメモ。

バングラディシュの就職事情

ABB「学生からはどんな職業が人気ですか」

Md「まず知って欲しいのがこの国には仕事が少ないです。ここは国際大学ですから殆どの学生が英語を習得しています。彼らの目指す先はカナダなどの海外です。」

ABB「なるほど。」

Md「私は日本の企業をたくさん知っています。TOYOTA、HONDA、SONY、UNIQLO。ABBは一つでもバングラディシュの企業を知っていますか。」

ABB「いえ、わからないです。」

Md「そうなのです。この国には2億人近くいる人口を養うだけの産業がありません。学生たちは最初から海外を目指しています。イクラムもこれから日本に行くんでしょう?」

イクラム「YES笑」

ABB「日本でも最近は似たような傾向があります。数は多くは無いですが。企業の初任給はどの位ですか。」

Md「200ドル程度です。ただ給料は年々上がってきていますね。10年前は100~150ドル位でしたから」

ABB「すごい上昇率ですね。だけどもその給料だと確かにカナダを目指すのはわかります。」

Md「良い仕事は奪い合いで中々経験の浅い新卒には巡ってはきません。強いて言うなら政府はIT人材の育成に力を入れています。IT企業数も1000社程あると言われていますよ。」

ABB「大学に進学できなかった人はどういった仕事に就きますか」

Md「重労働の仕事が多いです。あなたは外に走っているリクシャーのドライバーと建設作業員をたくさん見たと思います。女性は繊維産業に携わる人が多いですね。」

ABB「ユニクロもバングラデシュに工場があると聞いたことがあります。先日訪れた児童福祉施設にもミシンがありました。」

Md「そうです。縫製は女性が賃金を得る為に必要なスキルです。ユニクロの他にもH&Mやプライマークの工場もありますよ」

ABB「先進国のファストファッション企業がバングラディシュの人達を搾取しているといったテーマの記事を良く見ます。Mdさんはどう考えますか」

Md「それは初めて知りました。実際に私が働いているわけでは無いので何とも言えませんが、この国に新しい仕事ができるのはありがたいことだと思いますよ。」

偶然この日は卒業式の日だった。
女性はヒジャブの上から帽子被るんですね。

バングラディシュの抱える社会問題

ABB「日本ではひきこもりが大きな問題で、140万人のひきこもりがいると言われています。」

Md「ひきこもりの若者はこの国にも大勢いますよ。彼らは家から出ずに1日中Youtubeやゲームをして過ごしています。」

ABB「ええ、ちょっと意外です。皆さん生きるのに必死なのかと思っていました。」

Md「働いて辛い思いをしても給料が安いですからね。そもそも仕事が無いですから。ニート多いですよ。」

ABB「(…これがリアル働いたら負けか‥。)福祉分野について教えて下さい。街を歩いていると本当に若い人が多いです。お年寄りが少ないのでしょうが介護施設はありますか?」

Md「ここ10年で福祉施設が多く拡充されました。老人ホームは増えてきていますね。日本は高齢者が多い国なんですよね?」

ABB「そうですね。どんな田舎にも福祉施設があって、一つの産業として成り立っていますね。」

Md「日本は本当に素晴らしい国だと思います。見習うべきことが多いです。」

ABB「ありがとう。実は私も施設の運営をこれから行う予定です。」

Md「それは素晴らしいことです。」

ABB「最近社会的弱者への支援について関心が高まってきている?」

Md「アッパー(富裕)層の関心は確実に高まってきていますね。実は総理大臣の娘が自閉症と言われています。そんな背景もあってこれからも福祉は拡大していくと思われます。」

ABB「自閉症の方々の施設もあるんですか。彼らの仕事は。」

Md「充実してきていますね。仕事は無いです。元気な若者向けの仕事すら少ないですから。ですがイスラム教の教えが根底にあるので彼等は援助を受けることができるので食べるのに困ることは少ないと思います。」

ABB「なるほど。今日ここでした話を日本でブログに書きたいと思います。貴重なお話でした。ありがとう。」

Md「こちらこそ初めて日本の方と話すことができました。是非私達の国のことを日本の方々にも知っていただきたい。あなたの成功を祈っています。」

ABB・イクラム「ありがとうさようなら」

大学構内で気持ち良さそうに寝ている犬。

相棒と別れの時が来た

次のフライトの時間が迫ってきている。

ABB「イクラム。短い間だったけど本当に楽しかった。ホームステイしたり、子供達の施設にいったり普通じゃ行けない所に行って本当に勉強になった。ありがとう。」

イクラム「ああ、本当に悲しいよ。気を付けて。」

ABB「バイク乗り回して遊んでばっかいないで日本語勉強するんだよ。もう少しでも日本に来るんだから。」

イスラム「ありがとうABB。さようなら(涙ぐむ)。」

ABB「もう行かなくちゃ。今度は俺が君を日本でガイドするから」

さよならバングラデシュ。
最初は本当にやべぇ国に来てしまったと思ったけど本当に最高の国だった。

バングラデシュではビルの鉄骨をあえて残します。
事業が儲かった時に階数を増設するため。
次来る時にはもっと高いビルがにょきにょき増えているんだろうな。

この国にはきっとまた来ます。
ありがとうバングラデシュ。
ありがとうイクラム。

バングラデシュ編
〜完〜













この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?