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エッセイストになりたいねん

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自分の人生や日々の生活に起きたことをエッセイにしています。
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2020年8月の記事一覧

喪失の響き

わたしには文学の才能ってものがない。自分で書いていて虚しいほどにわかる。語彙は少ないし、小説も数えるほどしか読めたことがないし、コツコツと地道な作業を続けるのも苦手だ。

それでも、書かないと生きられない瞬間があったから、これまで書き続けてきた。

わたしが本当にやりたい芸術は音楽だ。音楽でなら、どんな言いたいことだって表現できる。音は血肉となってわたしの中を流れている。こどものころからずっと、記

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人はシェイクスピアにすらも慣れる

昔の洋画を重点的に観るようになってからひと月ほど経つだろうか、最初のうちは「すごい!白と黒ですべてが表現されている!」とかなり根本的なところにすら感動を抱いていたものだが、今では映画が白黒であることは当たり前に感じるようになり、逆にカラーの映画を観ると「うわっ、色が付いてる!」だの、「カラーなだけでなくデジタルではないか!」だの、過去から来た人のような反応を示すようになった。

そういう意味では私

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二年間外に出ないと夜に見る夢はどのように変化していくのか

謎の奇病にかかりし候、私がぶっ倒れたのは今から約二年前のことである。それからしばらくはぶっ倒れ度120%の生活を送っていたため記憶が全然ないのだが、半年近く経ってぶっ倒れ度が110%になったあたりで面白い出来事があった。それは夢の内容が変わってきたということである。

最初の半年間は、過去のそれまでと変わらない、日常生活と関連性があるのかないのか分からない、いかにも夢夢しい夢を見ていた。ところがど

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