わみ【ボサノバとエッセイ】

ボサノバなどブラジル音楽を話すように歌う人。機械音痴のカメラ初心者。音楽、落語、美術、…

わみ【ボサノバとエッセイ】

ボサノバなどブラジル音楽を話すように歌う人。機械音痴のカメラ初心者。音楽、落語、美術、旅行など、好きなことを中心に、徒然と書いています。https://youtube.com/@wami_musica

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記事一覧

【美術館】デンマーク「ルイジアナ美術館」

コペンハーゲン市内から、一駅一駅の間隔が長い、中央本線みたいな電車に揺られ30分。駅に到着してもすぐには辿り着きません。郊外の住宅地みたいな地域をとことこ歩くこと…

コペンハーゲンが好きになりました

たった数日間ですが、コペンハーゲンを旅して、コペンハーゲンが好きになってしまいました。沢山撮った写真を見ながら、どうしてだろうと振り返っています。 コペンハーゲ…

ハマスホイさんを訪ねて

9月の半分を旅して過ごしました。主な目的は北ドイツで音楽ユニットの相方さんと音楽をすること。でも久しぶりのヨーロッパ、せっかくだからもう一か国、飛行機が乗り継ぎ…

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夕焼けの写真を集めています

私たちと海

大好きなボサノバのソングライター、ホベルト・メネスカル。彼の一番有名な曲は「小舟」。とてもボサノバ的な可愛らしい曲だが、それ以外の作品はむしろ、どこかクールでカ…

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誰もいない美術館

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日本の夏、川越の夏

山とボサノバ

ボサノバと言えば「海」。ボサノバの代表曲「イパネマの娘」のイパネマはイパネマ海岸のことだし、他にも歌詞に海とか波とか出てくる曲が沢山。 もちろん私もそういう曲は…

リングネーム

 そこに血気盛んな男たちが集結していた。いつもは人通りもまばらな校舎の一角に、仰々しく置かれた特設リング。それを囲む局地的な人集りの一番前に、私は陣取っていた。…

[落語会]奮闘馬石の会_2023/07/23

隅田川馬石師匠のこの会には、毎回必ず行くことにしている。タイトル通り、師匠の奮闘するお姿を拝見できる、楽しみな会。 今回は「辰巳の辻占」以外は初聴き。「豊竹屋」…

夜に聴きたいジョビン

ボサノバはカフェで流れているから、昼に聴くイメージだろうか。でも実は夜に聴きたくなるようなしっとりした曲も沢山。特にジョビンには。 まずは「Inútil Paisagem」。…

[美術館]東京都庭園美術館「フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン」

こけしこさん(ヘッダー画像 Photo by Mr Sekine)が東京都庭園美術館へ赴き、カメラとお散歩してきたようです。北欧のグラスアートで涼を!

心の師匠

 私は普段ボサノバを歌っている。つい体が揺れてしまうリズム。ポルトガル語の甘い響き。目をつぶると、瞼の裏に映るブラジルの空や海。目を開ける。するとそこにはなぜか…

夕焼け声

 昨日、とある音声配信者さんと収録をした。沢山話をしたが、その中で私は、その方の日々の投稿を見聞きして思っていた印象を口にした。 「なんだか夕焼けみたいです」 …

ジョビンの陰影

ボサノバで一番有名な作曲家と言えば、アントニオ・カルロス・ジョビンだろう。「イパネマの娘」や「おいしい水」など、カフェで流れるような明るい曲というイメージを持た…

[美術館]東京都庭園美術館「フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン」

アール・デコ様式の建物に足を踏み入れると、グラスアートたちが、前からそこにいるかのように並んでいました。それぞれがそれぞれに、薄曇りに差す日の光や、時に特別に施…

【美術館】デンマーク「ルイジアナ美術館」

【美術館】デンマーク「ルイジアナ美術館」

コペンハーゲン市内から、一駅一駅の間隔が長い、中央本線みたいな電車に揺られ30分。駅に到着してもすぐには辿り着きません。郊外の住宅地みたいな地域をとことこ歩くこと15分。大きな邸宅に見えますが、そこは美術館。ルイジアナ美術館です。

コペンハーゲン滞在中、沢山の美術館を見てまわり、お腹いっぱい、大満足だった私。当初訪れるつもりのなかったルイジアナ美術館ですが、ある日の予定が思いがけず早く終わってし

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コペンハーゲンが好きになりました

コペンハーゲンが好きになりました

たった数日間ですが、コペンハーゲンを旅して、コペンハーゲンが好きになってしまいました。沢山撮った写真を見ながら、どうしてだろうと振り返っています。

コペンハーゲンを旅することになったのは、北ドイツに行くにあたり、便が良かったから。ギリギリまで立ち寄るか迷ったぐらいで、ホテルを手配するのも直前でした。土地勘もないので、予約サイトで高評価の、中心部にありそうなホテルをさっと手配したのですが、よく見る

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ハマスホイさんを訪ねて

ハマスホイさんを訪ねて

9月の半分を旅して過ごしました。主な目的は北ドイツで音楽ユニットの相方さんと音楽をすること。でも久しぶりのヨーロッパ、せっかくだからもう一か国、飛行機が乗り継ぎやすいという理由で立ち寄ったコペンハーゲンで、素晴らしい画家を知ることになりました。ヴィルヘルム・ハマスホイです。

出発前、コペンハーゲンについて知らなすぎる私が、ネットの観光ガイド的な記事を読みあさっていた時、ふと目に留まり、瞬時に心奪

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私たちと海

私たちと海

大好きなボサノバのソングライター、ホベルト・メネスカル。彼の一番有名な曲は「小舟」。とてもボサノバ的な可愛らしい曲だが、それ以外の作品はむしろ、どこかクールでカッコいい。そう、彼はジャズの影響を受けていると言われている。

「私たちと海」もメネスカルの作品。Aメロはボサノバ的だが、サビになると急にジャズっぽく(コード進行のせい?)、またAメロでボサノバな感じに戻るのがたまらない。

歌詞もとても魅

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山とボサノバ

山とボサノバ

ボサノバと言えば「海」。ボサノバの代表曲「イパネマの娘」のイパネマはイパネマ海岸のことだし、他にも歌詞に海とか波とか出てくる曲が沢山。

もちろん私もそういう曲は歌いますが、実は、何を隠そう、私は海より山派なのです。

山が好きな理由:

高い所が好き

緑が好き

山のランチで食べるおにぎりが美味しい

山でヤッホーと言いたい

山頂でボサノバを歌いたい

(初めて「見出し」と「箇条書きリスト」

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リングネーム

リングネーム

 そこに血気盛んな男たちが集結していた。いつもは人通りもまばらな校舎の一角に、仰々しく置かれた特設リング。それを囲む局地的な人集りの一番前に、私は陣取っていた。

 リングの上では黒と白の縦じまのシャツを着た男子が、きびきびとレフリーをしていた。その大きな目、なんだか見覚えがあった。高校の時、片思いした人。でも彼は違う大学に行ったので、ここにいるはずがなかった。

 次の試合でレフリーが代わった。

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[落語会]奮闘馬石の会_2023/07/23

[落語会]奮闘馬石の会_2023/07/23

隅田川馬石師匠のこの会には、毎回必ず行くことにしている。タイトル通り、師匠の奮闘するお姿を拝見できる、楽しみな会。

今回は「辰巳の辻占」以外は初聴き。「豊竹屋」は義太夫好きVS三味線好きの可笑しな攻防からの、サゲもかわいらしく。「蒟蒻問答」は何だかとても劇画的な風情で、また師匠の新しい魅力を発見。

この日は、五街道雲助師匠が人間国宝になられたばかりとあって、弟子の馬石師匠が何を語られるか、客席

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夜に聴きたいジョビン

夜に聴きたいジョビン

ボサノバはカフェで流れているから、昼に聴くイメージだろうか。でも実は夜に聴きたくなるようなしっとりした曲も沢山。特にジョビンには。

まずは「Inútil Paisagem」。この邦題がたまらなく好きだ。あなたが戻らないなら、見るものすべて「無意味な風景」。

続いて「Por Causa de Você」。邦題は「あなたのせいで」。でも歌詞を読むと「あなたのおかげで」というニュアンスもあるように思

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[美術館]東京都庭園美術館「フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン」

[美術館]東京都庭園美術館「フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン」

こけしこさん(ヘッダー画像 Photo by Mr Sekine)が東京都庭園美術館へ赴き、カメラとお散歩してきたようです。北欧のグラスアートで涼を!

心の師匠

心の師匠

 私は普段ボサノバを歌っている。つい体が揺れてしまうリズム。ポルトガル語の甘い響き。目をつぶると、瞼の裏に映るブラジルの空や海。目を開ける。するとそこにはなぜか、落語家さんの写真が付いたチラシ。

 そのチラシは2年以上前、ある落語会に行くつもりで、部屋の壁のコルクボードに貼ったものだ。ある日、いつものように歌の練習をしていると、ふと、その落語家さんに稽古をつけてもらっている気分になった。落語家さ

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夕焼け声

夕焼け声

 昨日、とある音声配信者さんと収録をした。沢山話をしたが、その中で私は、その方の日々の投稿を見聞きして思っていた印象を口にした。

「なんだか夕焼けみたいです」

 するとその方は困ったように言った。

「どこがですか?」

 収録を終え、そんなに困惑するかな?と思い、その方の過去の投稿をさらってみたら、確かに夕焼け的要素は見当たらなかった。どうしてそう思ったのか、自分でも不思議だった。そしてしば

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ジョビンの陰影

ジョビンの陰影

ボサノバで一番有名な作曲家と言えば、アントニオ・カルロス・ジョビンだろう。「イパネマの娘」や「おいしい水」など、カフェで流れるような明るい曲というイメージを持たれがちだが、私はジョビンには、どちらかと言うと、暗さを感じてしまう。空に照る太陽。海に立つ波。そこにふと感じる影のような。

ジョビンの中で特に好きな曲「Ligia」。リジアという女性への想いを歌った歌詞の一節が、まさにそのイメージだ。

[美術館]東京都庭園美術館「フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン」

[美術館]東京都庭園美術館「フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン」

アール・デコ様式の建物に足を踏み入れると、グラスアートたちが、前からそこにいるかのように並んでいました。それぞれがそれぞれに、薄曇りに差す日の光や、時に特別に施された照明に照らされ、ほのかに発光しています。その様子は、ひとりひとりが「ここにいます」とささやかに主張しているようで、私はそのひとりひとりを丁寧に拝見しなければ、という心持ちになりました。それに今回はカメラを持参しています。先日購入したば

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