石黒和己

WAKO ISHIGURO | 2023年4月、NPO法人青春基地の代表を卒業。

石黒和己

WAKO ISHIGURO | 2023年4月、NPO法人青春基地の代表を卒業。

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  • 学校づくりの探究ノート

  • RESPECT

    かっこいい!面白い!悔しい!と思った記事をストックしています◎

  • 英治出版オンライン

    4月から英治出版オンラインで連載をさせて頂くことになりました。ここにストックします、読んでくださいませ!

最近の記事

ステイホーム中の5つの独り言。

どうやら、みんながこんな感じのようだけど、コロナは考え事がやたらめったら進む。進みすぎて、行先迷子なので、ここに着地させておくことにした。以下、どこにもいかない考え事リストでございます。5つございます。 怒りについて | 「怒り」についてずっと考えている。 この不確実な時代においては「不安」という感情がやっかいなもので、大事なテーマだとずっと思ってきたが、「怒り」はもっとやっかいな感情かもしれない。この時代に怒りを抱いたら、その矛先は、世界を知ろうとするほど収集つかぬほど無

    • 「アフターエンド」の世界を生きる

      たぶん、今私たちは、「アフターエンド」の世界を生きている。 先週、どっと悲しみが溢れてきた日がある。引きこもり生活が一ヶ月経ち、自分なりに世界で今なにが起きているのかだんだん分かってきたからだろう。今の時点で、世界中の死者はおおよそ25万人。…この先の社会のなかで、"想像力"がよろこびを教えてくれることは、果たしてあるんだろうか。想像することはわたしにとって最重要ポリシーの一つで、それを疑ったことはこれまで一度もなかったから、この言葉が出てきたときは、かなりショックを受けた

      • 【2020年春】おすすめの映画や本など。#最近触れたものシリーズ

        #わたしの触れたものシリーズ 大学時代に毎月まとめてていたシリーズ復活させてみます。一人の時間のちょっとした癒しにどうぞ😌映画や本はどこにでも連れて行ってくれるから。少しばかり情報の海と離れて、世界に没頭してみてください。ふう、ってなります。これ観てオススメ返しも大大募集! 一応、1月以降くらいに触れたものから厳選しました〜! photo: 去年、夏のニューヨーク。セントラルパーク近くの交差点。 🎬映画編 ※Netflixなどで見れるやつ限定にしました▼△BROKEBAC

        • 想定外の未来をどう生きるかー、3月に入って私なりに考えたこと

          想定外の未来をどう生きるか。 なかなか大きく出るな〜、というタイトルだけど、これは自分の組織のビジョンに書いている言葉だ。大学3年時、直感的につけた「想定外の未来をつくる」という言葉は、今年の冬に入ってから特にメッセージ性を強くしている。今年は大豪雨が起きたと思えば、冬らしい日が数日来ただけで桜が咲き始めている。と思えば一昨日は都内で雪が降った。今週末が満開予測だけどどうなんだろう。想定外ばっかりだ。 そして世界中に広がっているコロナウイルス。世界中が緊迫し、日本でも咳をし

        ステイホーム中の5つの独り言。

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        記事

          フェーズ01の終わり、そろそろ次の役割へ。#高校日記

          都立第一商業高校で学校改革をはじめてから、2年目の後半にさしかかっている。まずは3年間と仮決めしたこのプロジェクトも、あっという間に後半戦になったようだ。 そんな今週、学校改革をすすめてきて、はじめての嬉しい気持ちになった!うまく言葉にできないが、この感覚は二度と味わえない気がしてならない。これまでは課題をクリアしたり、とても嬉しい出来事がおきたり、その一つひとつの「変化」に対する喜びだった。しかしこの感覚は、一言でいえば、はじめて建てた建築物が竣工した建築家のような気持ち

          フェーズ01の終わり、そろそろ次の役割へ。#高校日記

          先生の多忙化をふまえて注目したい「Student Agency」というOECDの概念について

          最近、先生たちから「子どものニーズが多様化していて、突発的な事案が増えてきている」と聞くことが多くなっている。 ほんとは集中したいときにもトラブルや対応がしょっちゅう入るし、中々腰を据えて時間を確保するのは学校の中で限られていると。教材研究も本当はもっとしたいけれども、特に15時以降の下校時間は忙しく、個別対応とホームルームと、会議とそれから保護者対応と色々重なって、部活動が始まって見に行ったりしていると、バタバタしているうちに日が暮れる。教員という仕事は、教壇に立ちながら事

          先生の多忙化をふまえて注目したい「Student Agency」というOECDの概念について

          バラバラだからこそ、一つのものが生まれる、私たちなりの組織論 #探究ノート

          最近、仕事自体だけでなく、"青春基地"という一つの組織づくりの実験がとてもとても楽しい。たとえば先週末のSeisun-Campにて。 尽きない議論の先に社外の方から一言。 「こういう困難な意思決定をするときは、代表どうしたいんですか、と普通は問われるけど、全くないね」と。「あ、そういうものか!」と笑うメンバーたち。 たしかに公立高校の学校改革というこの仕事には、困難が起きつづける日々だけど、そういう時は、課題に全力でぶつかる人、何故かすり抜けられる人、敢えて波風立てる人、

          バラバラだからこそ、一つのものが生まれる、私たちなりの組織論 #探究ノート

          「U理論」は"相手をよく見る"方法論であり、イノベーションの理論。#探究ノート

          ”本当に相手のことを知りたかったら、やることは一つ。よく見ることだ。” "If you really want to see what people are, all you have to do is LOOK." これは映画『Wonder!』の最後のフレーズ。本当に素晴らしい映画だった。でね、もう一つ今週すごく感動したのは「U理論」という理論。この「U理論」は、まさに映画の中でオギーが言うLOOK"、これを紐解いたものだと思う。(ちなみに本当にいい映画だったから、言葉

          「U理論」は"相手をよく見る"方法論であり、イノベーションの理論。#探究ノート

          地下鉄サリン事件から23年。<彼ら>と<わたし>の違いのなさ  #探究ノート

          (その日ぐるぐる考えていたことを、パっと書き出す。それがこの「 #探究ノート 」になります。探究のリズムと、回転数を上げたくて書いているので、未完成です、すみません!) 今日、死刑が執行されたらしい。 結局この約20年間ほぼ証言することなく終わったらしい。自分が生まれた翌年の1995年に起きたこの事件は、自分にとっては初めて社会について考え始めた象徴的な存在であり、いろんな考えが巡ってくる。 思春期のころ、こじらせて村上春樹にハマったきっかけが、サリン事件の被害者に対する

          地下鉄サリン事件から23年。<彼ら>と<わたし>の違いのなさ  #探究ノート

          ソーシャルインパクトに対する違和感 #探究ノート

          その日ぐるぐる考えていたことを、パっと書き出す。それがこの「 #探究ノート 」になります。探究のリズムと、回転数を上げたくて書いているので、未完成ですみません! インパクト、というとかっこいい。社会変えている感じがするし、ソーシャルセクターの誰もが目指している方角だろう。 でもだからこそ、筆者はずっと「ソーシャル・インパクト」に違和感があった。簡単に言い直せば、<数>で本当に変えられるのか疑問だった。機会やプロダクトのインストール数を広げていくような<側>の拡大で、複雑に

          ソーシャルインパクトに対する違和感 #探究ノート

          カルチャーが止まらない学校をつくりたいなあ。#探究ノート

          とある機会で、中学三年生のときに、マイケル・ジャクソンを超リスペクトしていたことを思い出して、今日ずっとこれを聴いている。 マイケルが亡くなった2009年、自分はちょうど中3。急死をうけて出来たドキュメンタリー映画『This is It』が、自分の教室では大ブレイクし、みんな2、3回観に行った。映画館で拍手をしたのはこの時が初めてだった。ずっとMook Walk練習してる男子もいたし、感化されすぎてクラスの卒業アルバムのタイトルは『This is it』になった(笑) そ

          カルチャーが止まらない学校をつくりたいなあ。#探究ノート

          時に心地わるい「新しい」さえ、楽しむ。 #探究ノート

          その日ぐるぐる考えていたことを、ばっと書き出す。それがこの「 #探究ノート 」になります。探究のリズムと、回転数を上げたいためのものなので、一生未完成ですみませんが、宜しくお願いします! 組織のメンバーに対して、唯一求めていることがある。 そしてチームづくりで、最も大切にしていることがある。 それが「探究」することだ。 ベンチャー非営利組織の青春基地には、学生、社会人いろんな人たちが集まっている。できる時に、できる力を貸してもらいながら舵を進めているので、基本的にスキルや

          時に心地わるい「新しい」さえ、楽しむ。 #探究ノート

          ヒップホップの誕生が、衝撃的だった…。

          個人的に、ヒップホップがアツい。 ほんの数週間前までほとんどノーマークだったし、今も音楽としてめちゃくちゃ好きかというとそれも違う。でも自分にとって、衝撃的な存在すぎた。おかげで隙あらば、音楽と映画と書籍を手に取っている。(苦笑) これはヒップホップが生まれたNY、ブロンクスの当時の一枚。 戦場かと疑う瓦礫の山が続くこの景色は、1970ー1980年代、つまり今からたった4、50年くらい前らしい。NYが一番荒れていた時代で、高速道路の建設のために黒人や有色人種だけが取り残され

          ヒップホップの誕生が、衝撃的だった…。

          “怒り”から考える、政治とカルチャー

          今日は、名古屋で開催された25年目になる「授業改革フェスティバル」に行ってきた。200人を超える先生と生徒たちの授業や研究発表。数々の教材展示。休日に当たり前のように、先生と生徒が同じく集い、それぞれの持ち場で発表をしていた。保護者が出す100円のコーヒーや、当たり前のような空気感、そういう一人の人物や団体だけで起こした場ではない、積み上げられた歴史に嫉妬感もある、なんだこれは!と。 実行委員は、愛知県私立学校教職員組合連合とNPO法人アスクネット。この私教連とは、私学の教員

          “怒り”から考える、政治とカルチャー

          教師と生徒という二元論をどう超えるか、ランシエールの『無知の教師』から考えてみた。

          今年度は毎週高校に通うことで、NPOという構造的な外部性や介在的な性質のなかでの<課題解決>との向き合い方について、もやもやと考えてきた。問いの起点は、生徒たちの名前がなかなか覚えられないこと、同時に生徒たちから自分自身への関心も薄かったという壁だ。授業が終わると気を張っているのか、どっと疲れる自分がいた。 それは、これまで一日限りの出張授業を届ける機会も多かったため、たった一度の時間のなかで生徒たちの状況を把握・判断し、できる限りいい時間を届けたいと思うゆえ、「相手を変えた

          教師と生徒という二元論をどう超えるか、ランシエールの『無知の教師』から考えてみた。

          『MOMO』の引力は、<物語>の力

          ぐわ、ああこの感覚、ってなった。 1ページ目、すごく懐かしかった。円形劇場の景色が次々思い出されてくる。2メージ目、3ページ目、びっくりした。こんな文書なのか、こんなに主観と客観をまぜてくるんだっけかと面白くなった。たとえばモモの説明。 「はっきりしたことは言えない、名前はモモとかなんとかいうそうなーーこういう話でした。」「そのうえに古ぼけたぶだぶだの男ものの上着を着て、そで口を折り返しています。長すぎるぶんをきってしまうのはいやでした。」 この言葉を話しているのは、語り

          『MOMO』の引力は、<物語>の力