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学校づくりの探究ノート

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フェーズ01の終わり、そろそろ次の役割へ。#高校日記

都立第一商業高校で学校改革をはじめてから、2年目の後半にさしかかっている。まずは3年間と仮決めしたこのプロジェクトも、あっという間に後半戦になったようだ。 そんな今週、学校改革をすすめてきて、はじめての嬉しい気持ちになった!うまく言葉にできないが、この感覚は二度と味わえない気がしてならない。これまでは課題をクリアしたり、とても嬉しい出来事がおきたり、その一つひとつの「変化」に対する喜びだった。しかしこの感覚は、一言でいえば、はじめて建てた建築物が竣工した建築家のような気持ち

教師と生徒という二元論をどう超えるか、ランシエールの『無知の教師』から考えてみた。

今年度は毎週高校に通うことで、NPOという構造的な外部性や介在的な性質のなかでの<課題解決>との向き合い方について、もやもやと考えてきた。問いの起点は、生徒たちの名前がなかなか覚えられないこと、同時に生徒たちから自分自身への関心も薄かったという壁だ。授業が終わると気を張っているのか、どっと疲れる自分がいた。 それは、これまで一日限りの出張授業を届ける機会も多かったため、たった一度の時間のなかで生徒たちの状況を把握・判断し、できる限りいい時間を届けたいと思うゆえ、「相手を変えた

カルチャーが止まらない学校をつくりたいなあ。#探究ノート

とある機会で、中学三年生のときに、マイケル・ジャクソンを超リスペクトしていたことを思い出して、今日ずっとこれを聴いている。 マイケルが亡くなった2009年、自分はちょうど中3。急死をうけて出来たドキュメンタリー映画『This is It』が、自分の教室では大ブレイクし、みんな2、3回観に行った。映画館で拍手をしたのはこの時が初めてだった。ずっとMook Walk練習してる男子もいたし、感化されすぎてクラスの卒業アルバムのタイトルは『This is it』になった(笑) そ

「U理論」は"相手をよく見る"方法論であり、イノベーションの理論。#探究ノート

”本当に相手のことを知りたかったら、やることは一つ。よく見ることだ。” "If you really want to see what people are, all you have to do is LOOK." これは映画『Wonder!』の最後のフレーズ。本当に素晴らしい映画だった。でね、もう一つ今週すごく感動したのは「U理論」という理論。この「U理論」は、まさに映画の中でオギーが言うLOOK"、これを紐解いたものだと思う。(ちなみに本当にいい映画だったから、言葉

バラバラだからこそ、一つのものが生まれる、私たちなりの組織論 #探究ノート

最近、仕事自体だけでなく、"青春基地"という一つの組織づくりの実験がとてもとても楽しい。たとえば先週末のSeisun-Campにて。 尽きない議論の先に社外の方から一言。 「こういう困難な意思決定をするときは、代表どうしたいんですか、と普通は問われるけど、全くないね」と。「あ、そういうものか!」と笑うメンバーたち。 たしかに公立高校の学校改革というこの仕事には、困難が起きつづける日々だけど、そういう時は、課題に全力でぶつかる人、何故かすり抜けられる人、敢えて波風立てる人、

先生の多忙化をふまえて注目したい「Student Agency」というOECDの概念について

最近、先生たちから「子どものニーズが多様化していて、突発的な事案が増えてきている」と聞くことが多くなっている。 ほんとは集中したいときにもトラブルや対応がしょっちゅう入るし、中々腰を据えて時間を確保するのは学校の中で限られていると。教材研究も本当はもっとしたいけれども、特に15時以降の下校時間は忙しく、個別対応とホームルームと、会議とそれから保護者対応と色々重なって、部活動が始まって見に行ったりしていると、バタバタしているうちに日が暮れる。教員という仕事は、教壇に立ちながら事