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「U理論」は"相手をよく見る"方法論であり、イノベーションの理論。#探究ノート


”本当に相手のことを知りたかったら、やることは一つ。よく見ることだ。”
"If you really want to see what people are, all you have to do is  LOOK."

これは映画『Wonder!』の最後のフレーズ。本当に素晴らしい映画だった。でね、もう一つ今週すごく感動したのは「U理論」という理論。この「U理論」は、まさに映画の中でオギーが言うLOOK"、これを紐解いたものだと思う。(ちなみに本当にいい映画だったから、言葉を並べると陳腐な気がして、これ以上展開はしないけれど、泣いてしまったのはオギーの親友がケンカするシーン。あとは、わ〜〜学校っていいよなあと校長に感情移入したし、何より映画の主人公たちの家族と夫婦に憧れた!それから監督の哲学を尊敬しました。)

と、映画の感動に波乗りながら、ここからは、ただただ備忘録として「U理論」をまとめておく。読んだのはこれ、漫画なんだけど優秀。。

何がそんなに響いたかというと、去年、山梨の高校に毎週70回くらい通いつめて、はっとしたこと。これまでの自分の姿勢をかなり反省をしたんだけど、反省したらむしろすごく楽しくなってきたこと。その見えにくい認知の変化が、言語化されていたからだ。昔書いてるこの辺の話。

"でも毎週学校に行っていて、課題を解決するために関わるというスタンスの危うさに気づいた。「相手を変えたい」と思って向き合うと、その前提条件が邪魔をしてしまって、相手のほかのところが見えにくくなる。実際、いい授業ができなくて、一向に生徒の名前が覚えられなくて、全然自分にも関心をもってもらえなくて、自分なりに苦戦した。
つまり「変えなければならない相手」は、それは私が決めたことであって、本当にそうではないのかもしれないというこだ。「変えなければならない相手」ではなく「相手を変えたいという自分がいる」ことが事実であって、その行為は、自分の解へ導こうとする強い意図をもつ。"
( https://note.mu/wako_i/n/n43237b2d8e3e )

漫画でいうと、このシーン。
自分がメキメキ楽しくなっているのは、最近脱力ぎみだし、自己責任感がかなり薄いからだと思う。起こる出来事が大事で、誰がやったか(=自分がやったか)はどっちでもいいなあって感覚。実際、起こる出来事は、偶発性も含んだいろんな人の共同作品だしなあという感覚だ。どっちが先か分からないけど、そう思ってからチーム力がメキメキ上がっていることを実感している。実際一人では起こせなかった仕事が生まれつつある。

図にするとこうなる。認知の自己変容の図でもあり、リーダシップの理論だなあと思う。同時にめちゃくちゃ心に残ってる高校生たちとのプログラムとか取材は、このプレッシングが起きてる時だなあと思った。2年前くらいに福島ツアーしたときとか。「震災」「被災者」という大きなカギカッコ、つまり固定概念や思い込みが外れて、相手がどんどん露わになってくる感覚。「被災者」という言葉でくくられた内側には、数えきれない物語や事実がある。

そうやって相手が露わになってくると、やっと物事を変えていけるのだと思う。(その具体的なプロセスは本を読んでください!)
相手がよく見えてくる、それだけで会社のチームワークも、営業成績あげることも、オギーたちが映画の中で見せてくれたことも、そして震災復興も、どんなスコープでも、物事がより良いあり方に進む。

そして「U理論」の面白さは、個人の自己変容を扱った啓発系とかコーチングとかそういうものを超えた真の問題解決方法であることだ。「無理やりねじ込んだシステムの歪みを受け入れざる得なかったマイノリティ」、これが社会課題だと思っているけれど、「U理論」はそのねじれを解きほぐす可能性が高いからだ。なぜならねじれに気づいた社会を変えたい人(自分のことなんだけれども)は、相手のこととか社会のことが気になって気になって、ちっとも自分が見えていないからだ。「U理論」は相手をよく見る方法を教えてくれる理論だけど、その方法は自分を見ることだからだ。観察するのは、ずっと自分のことだ。それが面白い。

なぜ「自分」を観察するのか。
それは、「U理論の大きな特徴は、ブラックボックスになりがちな「内面のあり方」、すなわち卓越したパフォーマンスを発揮している過程において発生している彼らの「意識の変容」に着目している点にある。」からだ。「内面のあり方は外から見ることはできません。そのため、未知の領域として、言葉では表しがたいものになっていました。そんな内面からにじみ出たり、溢れ出ている”何か"は、どのような原理によって引き出されているのか、その謎を解明し、どうしたらその状態を意図的に起こすことができるかを示したもの」、これがU理論。すごいなあ。

もう少しだけ続けて引用。
「内側から何かがにじみ出たり、溢れ出ている状態を「未来が出現しようとしている」瞬間と捉え、プレゼンジングと読んでいます。そして私たちは、その「出現しようとする未来」から学びことができるという新しい観点を提示しています。」PDCAという起きていることを改善していくことを「過去からの学習」と呼び、U理論を「出現する未来からの学習」と読んでいるそうだ。教育学的にもこの発想は、発達論を超えられる気がしていて面白い、、。

あ〜、とても面白いので、漫画じゃない方とかも読んでみます。

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