ボイトレに根性は1ミリもいらない!
皆さん、こんにちは!
シンガー・ボイストレーナーのU-ma(ユーマ)です。
今回は、過去にTwitterでも呟いた、「ボイトレ根性不要論」について書いてみたいと思います。
そもそも根性って何?
先ずは、そもそもの『根性』の意味をハッキリさせる必要があります。
大辞林によると根性とは、
①生まれつきの性質。根本的な考え方
②苦しさに耐えて成し遂げようとする強い精神力
と書いてあります。
この①番は「性根(しょうね)」のような、もともと個人に備わっている考え方を指すもので、今回のテーマである「根性」とは意味が違いますね。
今回のテーマの『根性』とは、まさに②番の苦しさに耐えて成し遂げようとする強い精神力のことです。
苦しみに耐える
苦しさに耐えることで歌を上達させようとする際たる例は、「自分の届かない高さの音に、苦しみに耐えながら何度もガムシャラにトライし続ける」もようなことです。
この方法は断言しますが、絶対に何も成し遂げられません。
なぜそう言えるのかというと、声を作り出している全ての要素を無視しているからです。
例えば、片手で5キロの鉄アレイしか持ちあげられないアナタが、30キロの鉄アレイを持とうとするとどうでしょうか?
そう、上がりませんね。
では、ここで『根性』の登場です!
根性のパワーで上げてみましょう!!
・・・無理です。(ひょっとすると筋断裂ですね。)
鉄アレイを握って腕を曲げる際に必要な、上腕二頭筋の筋力を完全に無視しているからです。
このような話が、歌では頻繁に起こります。
「高い音をひたすら頑張って出せば・・・」「腹式の力をひたすら込めれば・・・」「ひたすら筋トレすれば・・・」などなど。
冒頭の「自分の届かない高さの音に、苦しみに耐えながら何度もガムシャラにトライし続ける」というのは声帯ポリープの最も多い発生原因です。(先ほどの例え話では筋断裂してしまうということですね)
知っていても知らなくても
先ほどの鉄アレイの例で出てきた、上腕二頭筋の筋力は、本人が知っていても知らなくても30キロの鉄アレイを持ち上げる際に必ず必要なものです。
歌においても同じことが起こります。
知っていても、知らなくても歌上達において必要なものが揃わないと、歌は上達しません。
話のオチとして、鉄アレイを上げる際はめちゃくちゃ根性がある人よりも、上腕二頭筋が発達している根性無しの人のほうがパフォーマンスが良いです。
まとめ
①苦しみに耐えて成し遂げようとするトレーニングは絶対に上手くいかない
念のためですが、今回の記事の「根性は不必要」という意味は、トレーニングの効率に関してのみ書いているものです。もちろん、「気持ちの強さ」や「人間力」はパフォーマンスの面で、素晴らしい歌声には必要不可欠ですよ!
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