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ゾーンに入るためのメンタルトレーニング はじめに

☆本記事は全文無料です。

〔書籍「ゾーンに入るためのメンタルトレーニング」(スポーツメンタルトレーニング 名誉指導士/日本メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会 代表 高妻 容一 著、2022年1月刊)より〕

スポーツ選手は、大切な試合や大舞台で活躍できる選手とプレッシャーに押しつぶされて力を発揮できない選手がいます。あなたは、どちらのタイプでしょうか? 世界のスポーツ界では、60年以上前から、オリンピックにおいて力を発揮できる選手とできない選手について多くの研究が行われてきました。またオリンピックでメダルを獲得するには、何をどうすればいいのかという課題に、世界各国が取り組んできました。

筆者は、40数年前に、オリンピックにおいて、アメリカは常に100個以上のメダルを取るのに対し、日本は20個ぐらいしかメダルを取れないことについて「なぜか?」という疑問を持ち、アメリカに留学し、三回の長期留学を含めて合計10年以上の滞在、合計100回以上のアメリカ訪問をしました。そして世界延べ50ヵ国以上を訪れ研修をしてきました。

スポーツは、心技体という言葉が示すように、心技体のバランスが重要であることは読者のみなさんも理解していると思います。しかし、この60年、日本のスポーツ界では、「技」と「体」の練習には時間をかけてやるのに、「心(心理・精神・メンタル面)」に関しては、強化・準備・トレーニングが実施されてきませんでした。一方、海外では、オリンピックレベルだけでなくプロやアマチュアレベルでもメンタル面を強化するメンタルトレーニングが行われていたのです。日本にメンタルトレーニングが導入されたのは、1985年だと報告されています。実はこの段階で、スポーツ先進国から30年遅れていました。今でも日本のスポーツ界では、技と体の練習が中心に行われ、心のトレーニングであるメンタルトレーニングを実施しているチームは少ない現状があります。2021年現在、日本のプロチームで専属のコーチやトレーニングコーチやトレーナーはいるのに、資格を持った専門家であるメンタルトレーニングコーチを専属で雇っているところは皆無です。

2021年12月吉日
スポーツメンタルトレーニング 名誉指導士
日本メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会 代表
高妻容一


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