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10分でわかる 何故大企業はベンチャーに負けるのか?

10分でわかる 何故大企業はベンチャーに負けるのか?

忙しい人の為の10分でわかる 大企業がベンチャーに勝てない理由

どうして大企業はいつもベンチャーに淘汰されてしまうのでしょうか?例えばテクノロジー関係なんかは露骨で

yahoo検索がGoogleに淘汰されたり、Windowsがスマホに淘汰されたりと、大企業は基本的に規制が無いと新規業者に淘汰されてしまいます。

例えば古くからある業界、医療業界などがいい例ですが、このように昔から存在し、既得権ががっちり規制をかけていると淘汰は進みません。

大企業も安心安全です。

所がテクノロジー業界のように、比較的新しく、新陳代謝が激しく、医療業界のとは違い

別に大きく失敗しても人の命に関わらないような業界だと大企業は常にしたから突き上げてくる新規事業者に寝首をかかれます。

さて、ここではミニコンと呼ばれる本棚みたいな奴がPC(パーソナルコンピューター)とUnixサーバーに淘汰されてしまいました。

そして、淘汰された理由が

経営者が思料や能力が足りない

理由で淘汰されたらここで話は終わるのですがそうではありません。経営者は常に合理的な判断をしていたのにも関わらず淘汰されてしまったのです。

なぜ、優秀で合理的な経営判断をしていても規制がなけれはベンチャーに淘汰されてしまうのでしょうか?

基本的に多くのテクノロジー企業がベンチャーに淘汰される理由はたった二つで

・経営戦略のプロセス化、合理化
・利益中心主義

の2点です。

そしてこの2点は残念ながら組織を合理的に恙無く運営する上で必要不可欠の要素です。

なのでレッドオーシャンだったり規制や既得権が強く新規のチャレンジャーが参入しにくい戦場以外では往々にして大企業は淘汰される運命にあると言っても差し支えないかもしれません。

超大型業務用冷蔵庫みたいなマシーンを作っていたDECが何故経営戦略をしくったかと言うと

クリステンセンいわく

自前主義と呼ばれる、商品の出だしから出口までを全て自社開発するような手法ですね。これをやっていた為に

競合他社であるPCメーカーは、自前主義ではなく、必要な商品を一番合理的なサプライヤー(他のメーカー)から仕入れる方式

にしていた為、淘汰されたと結論づけています。

これは、要するに自前主義だと、全部をいちいち自前で作らねばならない為、オペレーションコストだったり、人的コストが大きくかかります。

それと、例えば自前で何年も、何十億もかけて作った部品があったとしたら、コンコンドル効果のせいでそれが時代やニーズに合わなくても

経営者は何としてもそれを使って今までの開発費でかかった赤字分くらいは回収したいと考えますよね。

それに自社には強力な販売網や商品があるわけですから。

そうやって、無理くりニーズに合わないような見当違いな部品を組み込んだり開発運営したりする事で実は自前主義は高コスト体質になりやすいのです。

これがサプライヤー方式だと、自前で部品を作って利用するよりも、部品一点の価格は高くつきます。

それに自前で生産するよりも部品に対する融通が利かなくなります。

それでも、常に時代のニーズにあった商品を臨機応変に選択できるという利点ともう一つはいちいちコンコンドル効果に付き合わされずに済みます。

コンコンドル効果 / 埋没費用効果 (sunk cost effect)
ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態を指す。 超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とする。

人間は感情の生き物なので中々今まで散々手塩にかけて育ててきた物だったり愛着のある何かを切り捨てる事が出来ません。

それがサプライヤー方式で例えば今までAという商品をサプライヤーから買っていたがこれからはDという商品に時代のニーズに合う

となったらAからDに部品の製造しているメーカーを切り替えれは住むだけです。

これが自前主義だと、Aという商品が今後当たると予想したが実際はDが来た時なんかはAを使い続けざる終えません。

と、不確実性が強い世の中ならサプライヤー方式が合理的で不確実性が弱けれは自前主義がオススメです。

これがDECがPCに失敗した理由その1ですね。

次に利益中心主義とは

DECでは

荒利率が50%以上でなけれは我が社でやる必要がない粗利率40%を切るような事業は切り捨てて良い。

という合理的な経営判断をしていました。

これって経営者としたなら当然と言えは当然の極めて合理的な判断です。だって企業は利益で食っているわけですからね。

例えば、DECの商品のチャレンジャーとしてUnixワークステーションが現れました。

所がその当時のUnixは本当におもちゃに毛が生えたような性能で、例えばDECの製品とUnixワークステーションを比較した場合は

価格以外の性能で

DECがUnixワークステーションに負ける要素が無かった訳です。要するにUnixワークステーションは価格以外で優位性を表現する事が出来ません。

消費者も価格以外でUnixワークステーションを利用するメリットが無かった為

DECはそんなおもちゃみたいな昔の中国のパチモンのような性能のUnixワークステーションを脅威などとは思ってもいませんし。

それが自分の商売を将来脅かすなんて想像出来ません。

例えばこの状況がわかっている未来人の我々が、DECにUnixワークステーションはあなたの企業の脅威になるから

今すぐに劣化版の安いマイコンを作って下さい。

と言われて、ホイホイと付いてくるでしょうか?

多分誰も付いてきません。

何故なら劣化版を作るという事は今うまくいっている高品質の製品のパイも食う事になるので

いわゆる自分で自分の足を食っているタコになってしまいます。

何故、今利益が出てて売り上げが出ていてお客さんの付いている商品を価格を

中国のパチモンみたいな製品に対抗する為に出して自分の売り上げを下げるような事をしなければならないのだ?

となるわけです。

商品の価格を決定する上で一つの方法としては

市場との対話で決まります。

市場のニーズが旺盛で、DECの価格に満足し、顧客がその価格に納得してお金を払っている市場が存在するのに

なぜ、たかだか、中国のパチモンみたいなおもちゃの為に価格を下げねばならないのか?

意味なく価格を下げれば当然

市場は、

何か後ろ暗い事がこれから起るのではないか?

とか

商品の質が落ちた

とか下手の勘繰りをします。

だから合理的な理由からガリバー企業は下手に価格を下げたり出来ませんし、合理的経営判断から利益優先の企業体質になるのです。

よって、規制がない市場ではそのうちUnixワークステーションが性能を上げていきミニコン(全然ミニではない)を淘汰したように、

大企業は淘汰されるように出来てしまうのです。

では大企業はどうやったらいいのでしょうか?

ベンチャーはどうやったら正しい経営戦略を立てることが出来るでしょうか?

本当に自前主義はダメなのでしょうか?

を解説します。

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