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日記やエッセイ、読んだ本など [Twitter https://twitter.com/shizu3619note?s=09]

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  • 2021/01~

  • 短編集

    同じ世界を生きている。

  • 断片集

    日々浮かんでは消えていく、小説の断片を書き留めています。

  • 日記など(2020/11~12)

  • 日記など(2020/09~10)

最近の記事

環境問題を解決するのは科学なんだろうか

太宰府天満宮の宮司というのは千年以上続く家であって、そんなに続く家というは世界中探しても日本くらいではないかとのことだ。この1000年続く家の継承という感覚は、資本主義ドリブンで動いて目先の利益に走る今の経済社会とは随分違っているように思った。100年200年先バトンを繋ぐ、たとえそれが自分の代に実るものではなくとも、それにプライドを持って実行できる。 理系の研究職とかやってると、SDGsだという話題はもう日常的になってきた。そういう環境問題とかはまさに千年の継承の感覚でな

    • 多様性のためには死ぬ必要がある

       なぜ寿命があるのか。別に寿命などなくても、常に新しい細胞を作り続ければ死ぬことはないのに、大概の生物はなぜか老衰して死ぬような設計になっている。  それは、その方が生き残れるからだ。いや死んでるがな、というのはその個体のことであって、遺伝子が生き残るという話である。 そもそも寿命で死ななければ、ドラえもんのバイバインで増えていくどら焼きよろしく、地球上が生物で埋め尽くされて宇宙空間に溢れてしまう、なんていうことはなくて、生きられる個体数はその環境にあるリソースからして上限が

      • ローマ帝国衰退史を読んで

        平和と繁栄が続くと、目の前の危機に鈍感になる。本当に危機が迫っていても、それが危機であることに気付かない。学問や文化、精神性は軽視され、無意味なものだと言われ、富と快楽を求め続けて堕落していく。その間に辛酸を嘗め、爪を研ぎ続けているものがいたとしても、それが我々の繁栄を、権威を脅かすものではないと何故か確信している。それが盛者必衰、諸行無常、という歴史の繰り返してきたことだ。そう思うと現代の我々はどのフェーズにいるのか、それは歴史になって分かることで、今は知りえないが、考えて

        • 足るを知るのは現実逃避か

           インドのヨガや瞑想は「現世での頑張ろう」という気持ちを失わせる、格差社会を受け入れさせるシステムである。カースト制度という絶対的絶望の中で生きるために必要な現実逃避であり、割とその辺が自由な日本人がそれにハマるのはお門違いで、その現実逃避はただの無気力さである。 というようなことを言っている本を読んで、インドの思想には詳しくないけれど、本当かな、と思った。ここで言う「現世での頑張ろう」は社会的に成功しようというような意味合いで、その気持ちを捨てさせるのにヨガや瞑想は都合が

        環境問題を解決するのは科学なんだろうか

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        記事

          和食と洋食の美しさ

           和食は自然との調和。できるだけ手をかけず素材の良さを、そのままの状態で出すのが美しいとされる。  洋食は逆に素材の原型がないくらい手をかける。ミキサーにかけたり、なくなるまで煮込んだりしてソースを作り、油脂をたくさん使って強い旨味を出し、人間の手をかけて美しく整えられる。フレンチの技法では一度味を抜いて入れたりと、料理の中に科学を感じられる。これは人間が自然をコントロールできるという自然観からきている、といえるのかもしれない。偏西風による安定した西岸海洋性気候は、自然は人間

          和食と洋食の美しさ

          仏教って科学的だなと思ったこと

           人間は何も無いところにも因果関係を結ぶのが得意で、それは物語を受け入れやすいということだ。例えば高校野球なんかみんな好きだけど、事実だけ見たら金属の棒で玉を打ってるだけだ。そこに勝手にストーリーを見出して感動している。そんなこと言い出したら大概のスポーツはそうなんだけど、実際そうなんだよな。  他にも神話というのは人間がどうやって生まれたのか、という想像上の説明であるけれど、神話を持たない民族はいないと言うくらい人間はその想像が大好物だ。共通の神話を持つことで、私達はこうい

          仏教って科学的だなと思ったこと

          うたうこと【短編】

           カラオケは苦手だ。何も言わなくても一回は回ってくるから歌いなよ、と言われていたけど、結局回ってこないまま終わってしまった。それはそれで何だかモヤッとした。テスト終わりの打ち上げにカラオケ行こうぜ、と男子たちが言い出したのだ。まあ私には関係ないお企みがあるんだろう、という浮ついたものを感じないではなかったけど、みんな行くというので私も初めてのカラオケというものに行ってみることにした。しかし歌わず仕舞いであった。  テストが終わり次の日は休みだったけれど、私はただの割り勘要員に

          うたうこと【短編】

          英語を勉強している

          英語というのは大体の人が一度は思い立って漕ぎ出して、いつの間にか座礁しているものだと思う。私は今回が初航海である。 あくまで妄想だが大体の人がそうであるように、私も特に英語を勉強する必要性に迫られたわけでもなく、何となく始めた。強いていえば、独学大全という本を読んで、あーなんか勉強とかやってみるかー、という気持ちになって前から読みたかった「利己的な遺伝子」という本を読み終わった後に、大学の意識が高いのか低いのか分からない時期に買ったまま積んであるハリーポッターの洋書を見つけ

          英語を勉強している

          グルテン戦争

          家の近くに美味しいパン屋さんを見つけるという、ハートウォーミングなイベントがあって以来、バゲットを買ってきては、パン切り包丁の切れ味に惚れ惚れしている。 そんな私であるが、巷に言うグルテンフリーのことは、何故かヴィーガンみたいな極端なものというイメージを持っていた。しかし、調べてみるとちょっと違うようだった。グルテンとは小麦などに含まれる植物性タンパク質だ。粘りがあって腸壁に張り付き、水にも溶けにくいので人によっては消化に悪く、胃腸の調子が崩れることがあるよ、ということだ。

          グルテン戦争

          燃え殻

          夏になったらまたやる気が出た。 いつもそうで、夏になると何かやらなければという焦燥感や、何かやりたいなというモチベーションが沸いてくる。去年はとにかく毎日書いてやる、と思って100日くらい連続で、本当に内容もなく更新を続けるという私的には偉業を成し遂げた。といっても特に何が残ったわけでもない、今は燃え殻があるだけだ。 まあ今回もその燃え殻が燻ってきたので、何かやってみようと思う。といっても大層なことはいつもできない。でも大層なことでなくてもいい、こつこつ積み上げることがで

          燃え殻

          竜とそばかすの姫考察 ※ネタバレ有

           細川監督の作品。サマーウォーズのOZから何年後かのUというバーチャル世界の話。サマーウォーズは奥寺佐渡子が脚本だったが、今回は脚本も細川さん。バケモノの子、未来のミライ、も脚本は細川さんで、確かにちょっと違うなという感じがした。  音楽と映像は評判通りとても素晴らしかった、というのは前提で、今回はストーリーに焦点を絞って、感想と考察を書いていく。  主人公のすず視点で話を追ってみよう。  まず幼い頃に母親が川の事故で亡くなっていて、高校生になっても未だ乗り越えられずに

          竜とそばかすの姫考察 ※ネタバレ有

          紅茶の気分

           紅茶の気分だ。と、とりたてて言うほどもなく、いつも紅茶の気分である昼下がりだ。喫茶店の店主に知り合いがいるというのは、なんだか少し特別な感じがするけど、ここは誰に自慢できるようなところでもないなと思う。  彼はいつものように、オレンジ色の癖っ毛に三角巾を巻き付けて、客側の椅子に座り、足を組んで、眠そうにカウンターに肘をついているだろう。そう思いながら、古ぼけたような、よく言えばアンティークな店の扉を開けると、意外と忙しそうだった。 「いらっしゃいませー」 と振り向きざま

          紅茶の気分

          巡れども進まない事とか、

           自分の中で、書く、という燃料が燃え尽きた様な感じがする。定期的に書きたい気持ちがあって、大して何も形にならずに燃え尽きてを繰り返している。前は思春期の頃だったか、大学に入って音楽を始めてから止めてしまった。今回は先月に結婚式が終わってからだ。そう思うと何か精神的に不安定なときに訪れる衝動だと思う。私は何かモヤモヤして悩んだときは書いてスッキリするタイプで、これは中学生の時に発見したやり方だった。だからきっと何かを書きたくなるのは、何か作品を作り上げたいというより、自分の気持

          巡れども進まない事とか、

          思考の泡沫

           結婚式前日、何かやることがあるような気がして休みにしたはいいけれど、特に何もすることはない。挨拶を練習するくらいか。そして、緊張からなのか食欲も少なめ、この時期体調悪いなんて禁句だけど、まあ悪いと言うほどでもない。平熱である。  仕事をしていたときは何も実感がなかったけど、今日になって何もすることがないと急に緊張してくる。人間何もしないでぼうっとしていると、だいたい悪い想像ばかりしてしまうもの。危険予知の本能的なものかもしれないけど、それで少し今はナーバスになっている。だ

          思考の泡沫

          ひょうそ

           少し前にささくれを引っこ抜いたが、多分そこから菌が侵入して、一昨日から左手薬指の指先が赤くなっていた。調べたところ、ひょうそというものらしい。こんなことはたまにあったような気もするし、放っておけば治るだろうと思っていた。それが昨日になると、腫れがひどくなって、風が吹いても痛いレベルになり、調べると嫌なことしか出てこないので皮膚科に行くことにした。  何でこんなに毎日手を洗っているのに、雑菌の侵入を許したのか、洗いすぎて逆にバリア機能が弱まっているのではないかと思ったが、そも

          ひょうそ

          正解したい

           考えても仕方のないと分かっていながら考え続けてしまう。今晩はカレーにするかシチューにするか、朝から晩まで悩んでいても、それは正解のない問題であって、どっちでもいい。それくらいくだらないことなら、どっちでもいいことだ、と考えるのを止めたらいいが、もっと大きなこともある。  例えば、今から結婚式をするか否か、とか。そりゃあ今から計画するならやめとけよと思うが、去年から延期をしてもはや2年越しのイベントとなり、止めるとしても結構なキャンセル料が発生する場合である。リスクを最低にす

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