思考の泡沫

 結婚式前日、何かやることがあるような気がして休みにしたはいいけれど、特に何もすることはない。挨拶を練習するくらいか。そして、緊張からなのか食欲も少なめ、この時期体調悪いなんて禁句だけど、まあ悪いと言うほどでもない。平熱である。

 仕事をしていたときは何も実感がなかったけど、今日になって何もすることがないと急に緊張してくる。人間何もしないでぼうっとしていると、だいたい悪い想像ばかりしてしまうもの。危険予知の本能的なものかもしれないけど、それで少し今はナーバスになっている。だから体もぎくしゃくしていて、なんか変だぞという感じになっている。

 実質、区切りという意味では二人で住み始めたときがそうだろう、明日が終わったからと言って何が変わるのか。そんなことより何か抜かりはないか、こんな時期に来てくれるゲストに失礼はないか。場の空気は大丈夫だろうか、BGMがミスマッチにならないだろうか。そもそも挙式のリハとかしてないし、流れとか何も知らないんだけど、本当に大丈夫なのか。式場のスタッフが全部何とかしてくれると思っているところに、自分たちで準備すべきだった穴があるのではないか。とか言うような考えばかり、湧いては消えていく。うまくやろうと気負いすぎなくていい、美味い飯が食べれれば、多少新郎がポカしようがむしろご愛敬で、笑って帰ってくれるもんだ。
 この楽観と悲観のバランスはどのくらいがベストなのか、そんな真面目なことを考えている時点で色々むいてないと思う。

 たまには緊張するのもいい。脳の刺激になって、新しい経験になる。最近緊張したのはいつだろうか。こんな緊張はいつぶりだろうか。

 妻にはいつも機嫌良くいて欲しい。妻の機嫌が悪いことは私にとって結構なストレスで、と言ってもそれがストレスにならない人なんてあまりいないと思うけれど、私は過剰に気にして頑張りすぎるところがある。結婚式をやるといったら、それはゲスト皆に適応されて、機嫌良くいて欲しいと思う。そりゃ誰でもそうだろうが、統計をとれば私は平均より、その感情に強迫感が伴っているのではないかと思う。HSPの素質があるのかもしれない。でも気にしすぎるだけで、本当に人の気持ちを汲み取れる能力があるわけではない。他人の気持ちなんて分からんものだと、適当に割り切ってしまうことができればいいなと、そんなことを思っては消えていく。寝転びながらこんなことを書くくらい暇を持て余して、前夜を迎える。

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