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伊福部昭、芥川也寸志、吉松隆… アルバム『日本管弦楽名曲集』を初めて聴いたときのこと①

伊福部昭、芥川也寸志、吉松隆… アルバム『日本管弦楽名曲集』を初めて聴いたときのこと①

#思い出の曲

前段:山田耕筰の交響曲
中学生でクラシック音楽にハマった私を、モーツァルトとベートーヴェンを好む父は大層喜んでくれた。そして、単身赴任でたまに家に帰ってくる父が、お土産として何枚もCDを持ってくるのを、楽しみにしていた。
そのうち私は20世紀の楽曲(特に1910~50年頃の作品)に嵌まるようになって、父とは若干好みが分かれてしまったが(整体師に「うちの息子はプロコフィエフを聴いて

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シューマンの交響曲第4番の色々な演奏を聴いて(先輩Aとの対話)

シューマンの交響曲第4番の色々な演奏を聴いて(先輩Aとの対話)

私「最近シューマンの四番を聴いているんですが、Aさんおすすめの演奏はありますか?」

A「1953年、イエス・キリスト教会録音のフルトヴェングラーは聴きましたか?」

私「勿論です!

フルトヴェングラーの、他の追随を許さないロマンティシズムが、これでもかというくらい爆発していて、よかったです。」

A「あれはカラヤンが越えられなかったって誰かが言ってたね。でも、カラヤンの『指揮の芸術』の中の第4

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チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の曲目ノート

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の曲目ノート

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 「四大ヴァイオリン協奏曲」というのがあるらしい。ベートーヴェン(1770-1827)、メンデルスゾーン(1809-1847)、ブラームス(1833-1897)、そしてこのチャイコフスキー(1840-1893)の作品を、まとめてそう呼ぶそうだ。何かにつけて「ベスト○○」などと呼びたがるのは、現代人の哀しき性であるにせよ、これら四曲が古今東西の聴衆を魅了してきたのは疑いの無い事実である。ところ

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マーラーの交響曲第9番を初めて聴いて(先輩Aへ向けた手紙)

マーラーの交響曲第9番を初めて聴いて(先輩Aへ向けた手紙)

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夜分遅くに失礼します。先程の件のお返事も出来ていないのに申し訳ありません。

今しがた、グスタフ・マーラー氏の交響曲第9番を初めて聴きました。

前から聴かなければならないと強く思っていたのですが、中々決心がつかず、それはバルビローリ/BPOとバーンスタイン/BPOのCDを手に入れても踏み切れず、私がマーラーを語っているときに後ろめたさを感じるくらいには悶々としていました。しかし、あまりにも

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