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第15章:サイレントの扉、開く③
およそ半年振りに愛猫たちと会えたというのに、私の心は一向に晴れませんでした。心が晴れない理由は先生の不在です。「イスタンブールに到着すればすぐ先生に会える、先生と会えばすぐに仲直り出来る」と私は安易に考えていました。ですが、何ひとつとして現実になりません。肝心の先生がイスタンブールに居ないからです。
もっとみる第14章:サイレントの扉、開く②
到着口の外へ出ると、そこには私を迎え入れてくれる先生の姿があると思っていました。先生に抱き締められて、先生の広い胸の中で幸福を感じるであろう自分を想像していました。ですが、全ては幻となったようです。
先生からのメッセージを読んで私はやっと、先生がどれだけ私に怒っているかが理解出来たかもしれません。そして、先生の意志の固さと決意も思い知らされたような気がしました。先生は明らかに私を避けているように
第13章:サイレントの扉、開く①
先生からの追い打ちメッセージに精神的ダメージを受けた私は、暫くの間悶々とした時間を過ごしていました。そのようなある日、今度は先生のお母さんから何度かメッセージが届きました。「急いで確認したいことがある」という内容のメッセージでしたが、私は先生のお母さんと話しをするような心境ではありません。「先生が私を非難するようなことをお母さんに話して、それでお母さんが私を叱責しようとしているのかもしれない」こう
もっとみる第12章:先生からの最終通告
深まるふたりの溝
突然爆発した先生の怒りと不満。ですが先生にとっては決して突然湧き上がったものではなく、ずっと我慢していたのかもしれません。私が先生の内なる感情に気付けなかっただけなのです。
第11章:爆発した先生の怒りと不満
子宮筋腫手術
2017年3月某日。いよいよ、子宮筋腫の手術日がやってきました。
両親に見送られ、私は新大阪駅から岡山行きの新幹線に乗り込みました。
プラットホームまで付き添ってくれた両親。車両の中から母に軽く手を振ると、母は眉間に皺を寄せながら厳しい表情を私に返してきました。
1時間ほどで岡山駅へ到着、そこから病院まではタクシーで向かいました。
その日は私を含め3名が手術を受ける予定とのこと。