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会計学の基礎

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2020年5月の記事一覧

取得原価はとっても大事な情報:簿記の基礎を学ぼう

取得原価はとっても大事な情報:簿記の基礎を学ぼう

1.取得原価は基本だけどその意味は?簿記を学ぶ上であまり意識していないこと。

それはやっぱり取得原価が基本にある、ということ。

取得原価、取得した原価、その時のものの価格ということ。

・車両運搬具(車)500万円を現金で購入した。

(借)車両 500万円 (貸)現金500万円

と仕訳しますよね?

買った時のものの価値というのが基準になっている。

取得した資産は、通常、減価償却すること

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適正に減損は行われている?

適正に減損は行われている?

減損の判断は柔軟に?

というような話が出ましたが。

決算発表シーズンを迎え、多くの企業での減損事例が目立ってきました。

三越伊勢丹ホールディングは減損を行っていますね。

今回の件で直接的に影響を受けている業種、特に商社なども減損を計上しています。

減損の仕組みは?こちらにも書いているように、保有している固定資産の価値が著しく下落している場合に計上しなければなりません。

企業は将来の利益

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今、簿記を学んでいるあなたへ:決算探究のススメ:企業の決算発表を見てみよう

今、簿記を学んでいるあなたへ:決算探究のススメ:企業の決算発表を見てみよう

1. 簿記を学んでいる人にお勧めしたい本、情報ここでは簿記を今、学んでいる人に向けたメッセージを書きたいと思います。なんせ、今大変な時期ですから、何が大変かと言いますと・・・・

6月の日商簿記検定は中止になりました。

一部地域とありましたが、やれているところはあるのでしょうか・・・。

静岡も中止です。

これに限らず、各種資格試験が中止になり、モチベーションが保ちにくくなっている、という人も

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ソフトバンクグループの決算発表を読み解く:ベンチャーファンドと事業会社の顔を併せ持つ異色の会社

さて、みんなも注目のソフトバンクGの決算発表の読み解きを試みてみたいと思います。

*こちら随時訂正する可能性があります。

5月18日が決算発表でした。

こちらの記事にもあるように2020年1〜3月期(3ヶ月の四半期の決算)では、1兆4381億円の最終赤字、通期(2019年4月〜2020年3月)では1兆9313億円の最終赤字でした。さらに保有しているアリババの株を使い1.2兆円を調達したことも

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会計学は現実を、経営学は希望を語る

会計学は現実を、経営学は希望を語る

会計学ってどんな学問ですか?

本学部には色々な先生がいらっしゃいますが、やはり人気は経営学、マーケティングですね。

会計学は地味です。

真面目にやればやるほど地味になります。

地味だから人気はいまひとつです。

もちろん、会計学が超人気のゼミという方もいらっしゃるとは思いますが、いわゆる財務会計、企業会計の分野で、他の分野と共存している学科、学部において、会計学が他の分野の先生と比較して人

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会社の破産、事業再生に関して整理する

会社の破産、事業再生に関して整理する

倒産・・・というのは会社の終わりでもあり、始まりでもある。

ダイナミックな動きですね!

倒産を整理すると、

破産(清算)と事業再生(会社更生)に大別できるでしょう。今回はその事を整理しておこうと思います。

1.破産とは?破産とはざっくりいうと、会社の清算手続きになりますね。

破産とは清算を目的とした債務整理手段の一つ。債務超過などによって継続的な経営が困難になった会社は、破産手続きを行う

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企業倒産のパターンを簡単に整理する:民事再生法は余力を残した倒産:レナウンの事例

企業倒産のパターンを簡単に整理する:民事再生法は余力を残した倒産:レナウンの事例

企業はどういったときに倒産するんですか?

という質問はシンプルにして結構難しい質問かもしれません。

というのも・・・

倒産するということは、企業の運営を経営を一度諦めて、借金を清算するという意味があるからです。

倒産は、企業経営が悪化して、何らかの整理手続が必要になった状態です。一般的には、2回手形の不渡りを出すと、銀行取引を停止されるので、その時点で「倒産」と言われることもあります。ただ

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会計を通じて社会構造を明らかにする

会計を通じて社会構造を明らかにする

自分の基本的な軸は、

「会計を通じて社会構造を明らかにする」

ことですね。

会計というのは奇妙なもので、経済学とも経営学とも異なります。

この辺りのことを昨日、振り返っていました。

会計学は「何を目的に探究するかが不明確」なことが逆に強みなんではないかと思います。

つまり、どうにでもなるという笑

会計はやはり貨幣、金銭が絡みますから、やっぱり関心が高い、親和性が高いのはファイナンス分

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企業分析を行う上での基礎データの集め方(株価編)

企業分析を行う上での基礎データの集め方、を整理しておこうと思います。

まず何といっても株価!

が気になりますよね。

そのための株価データの集め方について触れたいと思います。

株価のデータは、こちらから取得できます。

株価がどう決まってるの?という話をきちんと説明できる人は多くないと思います。

株は証券取引所で売買され、需要と供給のバランスによって株価が決定します。そもそも株取引とは、企

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企業会計において今後着目するトレンドは?(国内編)

企業会計において今後着目するトレンドは?(国内編)

企業会計において今後着目するトレンドを整理しておこうと思います。

まずは国内企業に限定した話をします。直近!といえば、決算発表会でしょう。

1. 決算発表、株主総会がどうなる?決算日である3月31日を過ぎてからは次の様なプロセスで進みます。

①単体の数字を固める
②連結の数字を固める
③決算短信の作成、公表(4月末から5月上旬)
④計算書類・連結計算書類の作成、承認
⑤株主総会の招集通知作成

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新型コロナ感染症(COVID-19)関連のリスク情報開示動向(1)

新型コロナ感染症(COVID-19)関連のリスク情報開示動向(1)

新型コロナ感染症(COVID-19)の影響が多方面に渡って生じています。

先行きが見通せない状況ではある!のですが、それでもある程度見通しを示さないといけないのが企業。

今般の新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、世界的な規模で経済活動に影響を及ぼしており、多くの企業において、事業運営上の重要なリスクとしてご認識されていることと存じます。
 他方、内外の株主・投資者は、新型コロナウイルス感染症

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