ウル

何か書きたい時に何か書く。ほぼ50歳だが、まだまだ人生に慣れなていない。

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何か書きたい時に何か書く。ほぼ50歳だが、まだまだ人生に慣れなていない。

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    本の内容を読むのではなく、そこから自分が何を感じたか思いを巡らせてみる

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    ドラマや映画をみた感想を個人的な思いを交えて書いてます。

記事一覧

地図を見ながら歩む人生

この小説を読むと決めたら先入観を持ちたくないから、どんな小説なのか予備知識なく読むのが好きだ。 そのほうが純粋に小説を楽しんでいる気持ちになる。 泣けるとか、感…

ウル
11日前
1

文章を書きたくない

20代の頃は文章を書くことが楽しかった。話すのが苦手だったから。 わたしは子どもの頃から誰かに言葉で伝えようとしても、その場で咄嗟にうまく表現できなくて、悔やんで…

ウル
2週間前
16

「海のはじまり」11話 わかりあえない夏

夏が海と一緒に暮らすことを目的に続いてきた物語は、目的を達成したことで崩れ落ちる。 幸せになると思っていた海は、自分の選択が周りを悲しませていることに気づき、そ…

ウル
2週間前

ほとんど登場しない人物に感情移入する読書

今日はよく本を読んだ。「よく」というのは「たくさん」でもあり「良く」でもある。 タイトルは書かない。殺人事件の起きない探偵ものと、責任について書かれた新書。昨日…

ウル
3週間前
3

わたしを考える読書

本を読んでいて気がつくと自分のことばかり考えている。 登場人物に共感したことで、共感する自分の記憶や感情について思いを巡らせる。 反感や違和感があれば、それもま…

ウル
3週間前
3

「海のはじまり」夏の責任について考える

第10話までみた。夏がわたしのようでつらかった。 前回に引き続き責任について考えてみる。 責任とは 「海のはじまり」のなかで最も責任と向き合う立場にあるのは夏だろ…

ウル
4週間前

「海のはじまり」における責任問題。水希について

初回をみた感想でわたしは「海のはじまり」は「責任」と向き合うものがたりになるだろうと書いた。 自己責任の圧力が強い時代になった今、子どもを産むこと、その子どもを…

ウル
1か月前
7

海のはじまり 特別編と第9話 誰も恋人に選ばれない

全体を貫く選択というテーマのなかで、大きな決断が描かれた2話。 失われるものがあっても、一番大切なもののために選ばなければいけない苦しさと悲しさ。 津野を選ぶこ…

ウル
1か月前
3

生きる歩調

はやく動けば動くほど まわりがゆっくり動いている ようにみえる きみはなぜもっとはやく動かないのかとぼくは思う ぼくときみのあいだが離れていく はやく動くぼくはき…

ウル
1か月前
2

適切な仕事量が健全な心を生む

台風はジョギング並みの速さのため週始めの予測ではもう頭上にいたはずが、まだ遠くでうろうろしている。 しかも、勢力は弱まったとのこと。なので普段通りにお店を開ける…

ウル
1か月前
2

夏の影

この夏もいろいろなことをやり残した気がする。 夏を満喫した人も、そうでない人からも夏が過ぎ去ろうとしている。 夏に何かをやり残さなかった人なんているのだろうか。

ウル
1か月前

「海のはじまり」第7話 津野くん回

すべてが受け入れられない津野くん ついにやってきた津野くん回。水希や海ちゃんの前での優しい表情と、夏や弥生の前での苦虫を噛み潰したような顔の落差を何度もまのあた…

ウル
1か月前
5

「海のはじまり」第6話 津野が持っていたのは『カステーラのような明るい夜』

忙しくしていたらTVerで第五話を見逃してしまった。いったい、何があったのか。 第6話について 物語は終始、穏やかに進んでいた。それぞれの人間関係は信頼感があり、安…

ウル
1か月前
4

会話

子どもの頃から感情を言葉にして伝えるのが苦手だった。あの時、ああ言えばよかったと後から後悔する。 学校からひとりで帰っている時に、頭の中で言葉にできなかった思い…

ウル
1か月前
1

見守られて生きている

お世話になっている方の訃報を知る。急なことで心の整理がつかない。彼の部下の女性がわざわざ足を運んで教えてくれた。 ◯◯さんとは昨年は一緒に仕事もしたし、今年の入…

ウル
1か月前
1

「海のはじまり」第四話 それぞれの物語

今まで胸が苦しかったけど、今回の話で救われた。頑張ってみていて報われた。とてもよかった。 今回も弥生と朱音の苦しさが痛いほどあったけど、これまでドラマのなかで外…

ウル
2か月前
3
地図を見ながら歩む人生

地図を見ながら歩む人生

この小説を読むと決めたら先入観を持ちたくないから、どんな小説なのか予備知識なく読むのが好きだ。

そのほうが純粋に小説を楽しんでいる気持ちになる。

泣けるとか、感動するとか予測した感情をなぞるのではなく、小説から受け取ったものを直接感じたい。

こんなテーマがあるとか、こんな問題に深く切り込んでいるとか、そうしたことは誰かに言われずに自分でみつけたい。

今回の本も読むと決めたので、著者が詩人で

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文章を書きたくない

20代の頃は文章を書くことが楽しかった。話すのが苦手だったから。

わたしは子どもの頃から誰かに言葉で伝えようとしても、その場で咄嗟にうまく表現できなくて、悔やんでばかり。人見知りで、気が小さくて、自分の意見を伝えることを怖がっていた。

話したくてもうまく言葉がでてこないのではないか。恥ずかしい思いをするのではないか。その時は何食わぬ顔で聞いていても、心の中ではつまらない話だとバカにしているので

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「海のはじまり」11話 わかりあえない夏

夏が海と一緒に暮らすことを目的に続いてきた物語は、目的を達成したことで崩れ落ちる。

幸せになると思っていた海は、自分の選択が周りを悲しませていることに気づき、そんな海にかける言葉が見つからない夏。

「責任」を感じる海を目の前に、夏をフラッシュバックが襲う。夏はかつて水希に「責任を感じなくていい」と干渉することを拒否されていた。

あの時に無理にでもついていけば。そうすれば、最初から海の父親とし

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ほとんど登場しない人物に感情移入する読書

今日はよく本を読んだ。「よく」というのは「たくさん」でもあり「良く」でもある。

タイトルは書かない。殺人事件の起きない探偵ものと、責任について書かれた新書。昨日はティーンエイジャー向けの翻訳小説を読んだ。

結婚して子供が生まれてから、好きだった小説が思うように楽しめなくなった。登場人物の家族が不幸な目に合うと自分の家族を思い浮かべて苦しくなる。死ぬなんて耐えられない。

けれど、小説ではたいて

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わたしを考える読書

わたしを考える読書

本を読んでいて気がつくと自分のことばかり考えている。

登場人物に共感したことで、共感する自分の記憶や感情について思いを巡らせる。

反感や違和感があれば、それもまた自分の中にあるものと照らし合わせる。

本を読んでいる時間よりも、自分のことを考えている時間のほうが長い。読書が遅いうえに、本の内容をから意識がそれていくから、読書がおざなりになってしまう。

せっかく本を読んでいるのに、これでは本末

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「海のはじまり」夏の責任について考える

第10話までみた。夏がわたしのようでつらかった。

前回に引き続き責任について考えてみる。

責任とは

「海のはじまり」のなかで最も責任と向き合う立場にあるのは夏だろう。

自分の恋人が子供を生んでいることを知らなかった。

自分の子供がいるのに知らずに何もしてこなかった。

序盤で朱音さんに津野くんに冷たい眼差して塩対応され、中盤では母親のゆき子さんに叱られる。

夏の知らないことであり、どう

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「海のはじまり」における責任問題。水希について

初回をみた感想でわたしは「海のはじまり」は「責任」と向き合うものがたりになるだろうと書いた。

自己責任の圧力が強い時代になった今、子どもを産むこと、その子どもを育てることは「責任」とセットになっているから。

「海のはじまり」を9話までみたが、やはり「責任」がさまざまな場面で描かれている。だかそれは責任をいかに取るかという物語ではなく、責任の呪縛を解放してくれる展開だった。

責任を辞書で見ると

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海のはじまり 特別編と第9話 誰も恋人に選ばれない

全体を貫く選択というテーマのなかで、大きな決断が描かれた2話。

失われるものがあっても、一番大切なもののために選ばなければいけない苦しさと悲しさ。

津野を選ぶことで一番大切な海が一番大切なものでなくなることを恐れる水希。自分の心の弱さを伝えて、納得しないまでも受けれいた津野。

今まで津野は水希の物語の外野として描かれていて、それがみていて苦しかったので、ふたりがこうして分かりあえたことがあっ

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生きる歩調

はやく動けば動くほど
まわりがゆっくり動いている
ようにみえる

きみはなぜもっとはやく動かないのかとぼくは思う
ぼくときみのあいだが離れていく

はやく動くぼくはきっと
はやく死ぬだろう
ゆっくり動くきみはきっと
かなしむだろう

ぼくはゆっくりと動けばいい
きみと同じはやさで動けば
世界は何も変わらない

何も変わらない世界でいつか
ぼくときみは一緒に動かなくなる

適切な仕事量が健全な心を生む

適切な仕事量が健全な心を生む

台風はジョギング並みの速さのため週始めの予測ではもう頭上にいたはずが、まだ遠くでうろうろしている。

しかも、勢力は弱まったとのこと。なので普段通りにお店を開ける。

ここ数日、仕事は多くはないのに、思うように片付かない。

わたしは仕事が許容量を超えるととたんにパフォーマンスが落ちるのだけど、余裕があるのも気が抜ける。わたしは仕事をするのに向いていないなといつも思う。

トラックは過積載が危ない

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夏の影

夏の影

この夏もいろいろなことをやり残した気がする。

夏を満喫した人も、そうでない人からも夏が過ぎ去ろうとしている。

夏に何かをやり残さなかった人なんているのだろうか。

「海のはじまり」第7話 津野くん回

すべてが受け入れられない津野くん

ついにやってきた津野くん回。水希や海ちゃんの前での優しい表情と、夏や弥生の前での苦虫を噛み潰したような顔の落差を何度もまのあたりにする。

津野くんに対して水希が恋愛感情はなくても、もう少し親密な感じのほうが救われるのでみていて苦しい。いくら津野くんが選んだ道とはいえ、水希に都合よく振り回されてきる状況は否めない。

だからこそ何も救われない津野くんのあの不機嫌

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「海のはじまり」第6話 津野が持っていたのは『カステーラのような明るい夜』

忙しくしていたらTVerで第五話を見逃してしまった。いったい、何があったのか。

第6話について

物語は終始、穏やかに進んでいた。それぞれの人間関係は信頼感があり、安心してみていられる。第五話はきっと、登場人物たちがお互いを思いやる流れだったのだろう。

得意すぎました

あの手紙のシーンはグッときた。少し唐突ではあったものの(前回伏線があったのかな)このドラマに必須のシーンだった。

「人に与

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会話

子どもの頃から感情を言葉にして伝えるのが苦手だった。あの時、ああ言えばよかったと後から後悔する。

学校からひとりで帰っている時に、頭の中で言葉にできなかった思いを相手にぶつけて、そこから始まる会話を繰り広げていたことが、何度もあった。

いつしか、文章に書けば言葉に出せなかった感情も表現できることに気づいた。ゆっくりと時間をかけて言葉を選ぶことができることが気に入っていた。

けれど、近頃は書き

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見守られて生きている

お世話になっている方の訃報を知る。急なことで心の整理がつかない。彼の部下の女性がわざわざ足を運んで教えてくれた。

◯◯さんとは昨年は一緒に仕事もしたし、今年の入ってメールのやり取りもしていた。春先から体調を崩していたが、職場にも病気のことは伏せていたそうだ。

付き合いはわたしのほうが長いけれど、知らせにきてくれた彼女のほうがいつも身近にいたのだから、わたしよりずっと悲しいだろう。

「わたしが

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「海のはじまり」第四話 それぞれの物語

今まで胸が苦しかったけど、今回の話で救われた。頑張ってみていて報われた。とてもよかった。

今回も弥生と朱音の苦しさが痛いほどあったけど、これまでドラマのなかで外野にいた人たちが自分の物語を語りだしたことで、受け止め方がまた変わる。

これまで見ていてつらかったのは、弥生と朱音が物語の外野にいたこと。主旋律は夏と水季と海の物語であって、そこに翻弄され傷つけられる二人の姿はみていられなかった。

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