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地図を見ながら歩む人生
この小説を読むと決めたら先入観を持ちたくないから、どんな小説なのか予備知識なく読むのが好きだ。
そのほうが純粋に小説を楽しんでいる気持ちになる。
泣けるとか、感動するとか予測した感情をなぞるのではなく、小説から受け取ったものを直接感じたい。
こんなテーマがあるとか、こんな問題に深く切り込んでいるとか、そうしたことは誰かに言われずに自分でみつけたい。
今回の本も読むと決めたので、著者が詩人で
「海のはじまり」11話 わかりあえない夏
夏が海と一緒に暮らすことを目的に続いてきた物語は、目的を達成したことで崩れ落ちる。
幸せになると思っていた海は、自分の選択が周りを悲しませていることに気づき、そんな海にかける言葉が見つからない夏。
「責任」を感じる海を目の前に、夏をフラッシュバックが襲う。夏はかつて水希に「責任を感じなくていい」と干渉することを拒否されていた。
あの時に無理にでもついていけば。そうすれば、最初から海の父親とし
ほとんど登場しない人物に感情移入する読書
今日はよく本を読んだ。「よく」というのは「たくさん」でもあり「良く」でもある。
タイトルは書かない。殺人事件の起きない探偵ものと、責任について書かれた新書。昨日はティーンエイジャー向けの翻訳小説を読んだ。
結婚して子供が生まれてから、好きだった小説が思うように楽しめなくなった。登場人物の家族が不幸な目に合うと自分の家族を思い浮かべて苦しくなる。死ぬなんて耐えられない。
けれど、小説ではたいて
「海のはじまり」夏の責任について考える
第10話までみた。夏がわたしのようでつらかった。
前回に引き続き責任について考えてみる。
責任とは
「海のはじまり」のなかで最も責任と向き合う立場にあるのは夏だろう。
自分の恋人が子供を生んでいることを知らなかった。
自分の子供がいるのに知らずに何もしてこなかった。
序盤で朱音さんに津野くんに冷たい眼差して塩対応され、中盤では母親のゆき子さんに叱られる。
夏の知らないことであり、どう
「海のはじまり」における責任問題。水希について
初回をみた感想でわたしは「海のはじまり」は「責任」と向き合うものがたりになるだろうと書いた。
自己責任の圧力が強い時代になった今、子どもを産むこと、その子どもを育てることは「責任」とセットになっているから。
「海のはじまり」を9話までみたが、やはり「責任」がさまざまな場面で描かれている。だかそれは責任をいかに取るかという物語ではなく、責任の呪縛を解放してくれる展開だった。
責任を辞書で見ると
海のはじまり 特別編と第9話 誰も恋人に選ばれない
全体を貫く選択というテーマのなかで、大きな決断が描かれた2話。
失われるものがあっても、一番大切なもののために選ばなければいけない苦しさと悲しさ。
津野を選ぶことで一番大切な海が一番大切なものでなくなることを恐れる水希。自分の心の弱さを伝えて、納得しないまでも受けれいた津野。
今まで津野は水希の物語の外野として描かれていて、それがみていて苦しかったので、ふたりがこうして分かりあえたことがあっ
「海のはじまり」第7話 津野くん回
すべてが受け入れられない津野くん
ついにやってきた津野くん回。水希や海ちゃんの前での優しい表情と、夏や弥生の前での苦虫を噛み潰したような顔の落差を何度もまのあたりにする。
津野くんに対して水希が恋愛感情はなくても、もう少し親密な感じのほうが救われるのでみていて苦しい。いくら津野くんが選んだ道とはいえ、水希に都合よく振り回されてきる状況は否めない。
だからこそ何も救われない津野くんのあの不機嫌
「海のはじまり」第6話 津野が持っていたのは『カステーラのような明るい夜』
忙しくしていたらTVerで第五話を見逃してしまった。いったい、何があったのか。
第6話について
物語は終始、穏やかに進んでいた。それぞれの人間関係は信頼感があり、安心してみていられる。第五話はきっと、登場人物たちがお互いを思いやる流れだったのだろう。
得意すぎました
あの手紙のシーンはグッときた。少し唐突ではあったものの(前回伏線があったのかな)このドラマに必須のシーンだった。
「人に与
見守られて生きている
お世話になっている方の訃報を知る。急なことで心の整理がつかない。彼の部下の女性がわざわざ足を運んで教えてくれた。
◯◯さんとは昨年は一緒に仕事もしたし、今年の入ってメールのやり取りもしていた。春先から体調を崩していたが、職場にも病気のことは伏せていたそうだ。
付き合いはわたしのほうが長いけれど、知らせにきてくれた彼女のほうがいつも身近にいたのだから、わたしよりずっと悲しいだろう。
「わたしが
「海のはじまり」第四話 それぞれの物語
今まで胸が苦しかったけど、今回の話で救われた。頑張ってみていて報われた。とてもよかった。
今回も弥生と朱音の苦しさが痛いほどあったけど、これまでドラマのなかで外野にいた人たちが自分の物語を語りだしたことで、受け止め方がまた変わる。
これまで見ていてつらかったのは、弥生と朱音が物語の外野にいたこと。主旋律は夏と水季と海の物語であって、そこに翻弄され傷つけられる二人の姿はみていられなかった。
け