ウル

何か書きたい時に何か書く。ほぼ50歳だが、まだまだ人生に慣れなていない。

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    ドラマや映画をみた感想を個人的な思いを交えて書いてます。

最近の記事

失うことで始まる

青春18切符を使って広島から友人のTさん夫妻が訪ねてきてくれた。久しぶりに会うふたりは、以前に会ったときよりも元気な様子だった。 あの頃の二人は勤めていたお店が閉店の危機で多忙を極めていた。体力も気力も削られる日々だっただろう。そのお店は昨年に閉店してしまった。 あの店を心から愛していた二人のことだから、ひどく落ち込んだことだろう。それでもそれぞれ新しい職場で働き始め、新しい生活に落ち着いている様子だった。 こうして遠くからみていると、あの店の閉店は二人に取ってよかった

    • 駅前にて

      娘が夕方から塾なのでカバンを届けに車で駅前まで行く。 娘は昼から服を買うからと友達とイオンに出かけていた。そのまま家に帰らずに駅前にある塾に行くけど、塾の用意をもっていくのは重いし、買った服を持っまま塾に行くのもあれなので、休日のわたしが駅前で塾のカバンを届けて買った服を預かるという約束を家を出るときしていた。 約束の時間にLINEで到着を知らせてしばらく待っていると、娘が手ぶらてやってきた。結局、服は買わなかったらしい。塾の用意の入ったカバンを渡すと、駅の改札前で友達と

      • 「海のはじまり」第三話 元気じゃないけど大丈夫

        ネタバレしてますので未見のかたはお気をつけて。 今回は夏くんと海ちゃんの心が通じ合う感動を描きつつ、二人の世界ができることで、外野が誕生してしまうことの苦しさに包まれた物語だった。 「海のはじまり」では「選択」が大きなテーマになっている。「選択肢から選ぶこと」と「選べない現実」がいくつも交錯する。 生むことを選ぶ水希。選べな勝った夏。堕ろすことを選んだ弥生。母親と一緒にいることを選べなかった夏。娘と一緒にいることを選べなかった水希。海と一緒にいることを選んだ夏。夏と一緒

        • わからないことばかり

          三連休明けの平日。予想に反して雨は降らなかったけど、予想通りにお客さまは少ない。 先々週あたりに仕事の山場を越えてから、あまり気分が乗らない。ノロノロと荷物を片付ける。ここ数ヶ月は調子が良かったけれど、また沈んでしまうのだろうか。 昼過ぎに常連の青年がやってきた。彼は今年に入ってから化粧をして口紅を塗っている。 韓流アイドルも化粧していることだし、最近はそんなものなのかと思いつつ特にそのことには触れずに話している。 今日はよく目立つイヤリングを片耳にしていた。あんなに

        失うことで始まる

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        記事

          「海のはじまり」第二話 選ぶこと、自分らしさ、自由であること

          それぞれの過去が少しづつ明らかになっていき、責任の問題ではなく、自分の過去とどう向き合っていき、これからどう歩んでゆくかに焦点が合ってゆく。 海にはじまりとおわりがないように、現在と過去は繋がっている。過去の出来事は現在とともにある。現在が過去の意味を書き換える。 そして過去と現在が入り混じりながら、すべては未来へと繋がっていく。 さっき打ち寄せた波と、今打ち寄せる波があったとき、それは過去の波と現在の波に厳密に分けられるのだろうか。 過去の波には現在の波も入り混じり

          「海のはじまり」第二話 選ぶこと、自分らしさ、自由であること

          並んで歩く休日

          妻と映画に行こうかと話していたけれど、見たい映画が少し遠くの劇場でしか上映していなくて、しかも開始時間も朝が早かった。 わたしたちはせっかくの休日だから映画と思っていたけれど、せっかくの休日だから朝はゆっくり寝たいという方向で意見が一致した。 若い頃の行動力はもうなくなり、いたわり合うことを優先するようになっていた。年老いていくとは、そういうことなのだろう。 午前中はのんびりして、午後からスーパーマーケットに買い物へ行く。水を張ったバケツに伊勢海老がいた。たまたま見かけ

          並んで歩く休日

          「海のはじまり」第一話感想 「いちばん好きな花」との比較や責任について

          「いちばん好きな花」が好きだったので生方美久脚本の「海のはじまり」を見ることに。 「いちばん好きな花」は人間関係がテーマだった。それぞれが抱える生きづらさは、「こうでないといけない」という規範の呪いのなから生まれていた。その呪いを解くために、それぞれが何かしらの決断をして、関係性が変わることで、居心地の良い場へたどり着く。 「海のはじまり」の映像的な美しさや音楽、言葉のひとつひとつに深い意味をもたせる演出は「いちばん好きな花」に近いと感じた。普段、まったくドラマをみないの

          「海のはじまり」第一話感想 「いちばん好きな花」との比較や責任について

          どの町にも馴染むことができない

          この町にやってきて5年になる。 わたしは子どもの頃から人付き合いが苦手なので、ひとりでぽつんとしているか、かろうじて話の通じる相手をみつけて生きてきた。 わたしは人見知りで話し下手なので、会話がすぐギクシャクしてしまい焦る。そんなときも話を聞こうとしてくれる人とは仲良くなれるが、何言ってんだコイツという表情をする人とは仲良くなれず距離ができてしまう。 この町にはどちらのタイプもいる。仲良くなれた人もいるし、今だに噛み合わない人もいる。 けれど、5年いることで噛み合わな

          どの町にも馴染むことができない

          選ばれない人生

          都知事選では現職の小池知事が当選した。わたしは蓮舫を応援していたから、とても残念だった。石丸候補にも及ばない投票数だった。 気がつけば有権者となってすでに30年が過ぎている。その間、選挙でわたしの推す候補が当選したことはほとんどない。 多数派よりも少数派の声を聞いてくれる人をいつも選んできた。これからも、そう思える候補を応援するだろう。 今回の選挙期間にSNSで「蓮舫が落ちたら何と弁明するつもだ」という投稿をみかけて驚いた。 当選した人の意見が正しくて、落選した人の主

          選ばれない人生

          あなたが自由でなければ、わたしも自由になれない

          今日は暑い一日だった。「あなたが自由でなければ、わたしも自由になれない」という言葉を本の中に見つけた。 例えば、わたしが強要することでわたしの意に沿うように行動する誰かといるときに、わたしは自分が自由にだと感じるだろうか。 監視をしたり指示を出しながら自分が自由だとはとうてい思わないだろう。 わたしは好きに行動する。あなたも好きに行動する。そこに心地よさが生まれるとき、自由を感じることができるのだろう。 では、ひとりでいるときはどうだろう。ひとりで好きなことをしている

          あなたが自由でなければ、わたしも自由になれない

          あなたがわたしにくれたもの

          春頃に新発売したわたしのお気に入りの缶ハイボールを妻が買ってきてくれた。妻はわたしが好きなものをいつも気にかけてくれる。 わたしはどうだろうか。

          あなたがわたしにくれたもの

          平凡な休日

          都知事選についてSNSばかり見てしまう。東京在住でもないのに、選挙の行方が気になっている。石丸の人気が橋下徹の登場した時に似ていて恐ろしい。 わたしは蓮舫さんに都知事になって欲しいが、まだまだ厳しいのだろう。それでも街頭演説には人が押し寄せ、支持者がひとりで街宣もしている。SNSをみながらポチポチといいねを押し続ける。 今日は休日なので妻とイオンに日用品の買いに出かける。ユニクロでTシャツを買う。Tシャツはたくさんあるのだが、どれもヨレヨレになっていた。年を取ってあちこち

          平凡な休日

          パーフェクトデイズのことをときどき思い返す

          年明けにみたパーフェクトデイズのことを今でもよく思い返す。 (以下、ネタバレしてます) この映画では無口で不器用な男性を役所広司が演じている。彼は自分の美意識のなかに閉じこもった生活をする。 読書、音楽、写真、盆栽といった趣味。銭湯や居酒屋に通う日常。トイレ掃除を完璧にするという仕事へのこだわり。 大きな変化ではなく、変わらない日常に喜びを見いだすことは、わたしにとっても理想的で憧れる姿。役所広司の口下手で不器用なところにも共感する。 ラストシーンの涙は違う人生があっ

          パーフェクトデイズのことをときどき思い返す

          いちばんすきな花は演劇的な脚本に近い気がする

          そんなに演劇をみているわけれでもないけど、いちばんすきな花をみていて演劇っぽいなと思った。 とにかく偶然が重なる。 同じテーマでセリフも重なる(重ねるたびに意味がズレる) リアリティを追求するドラマや映画、小説とは違って演劇は虚構性が強い。そもそも舞台の上が草原になったり教室、戦場、などなど最低限のセットで客に「ここはこういう設定です」と提示して、客も「そういう設定だな」と楽しむ無茶な世界。 小劇団など出演者も限られていて、どういう役割で登場するかも楽しむポイントだ。

          いちばんすきな花は演劇的な脚本に近い気がする

          いちばん好きな花はいちばん好きなドラマ

          やっと最終話を見ました。いつの間にか涙が流れていて、ああ、わたしは泣いているのかと。 「いちばん好きな花」という呪縛 途中まで見ていたころ、みんなの幸せを願って「最後にはそれぞれがいちばん好きな花をみつけることができればいいな」と思っていたわたし。真逆でした。浅はかでした。 周りからの規範、偏見に苦しめられてきた4人。「いちばん」にならずに「ひとそれぞれ」でいい。「好き」でなく「嫌い」に目を向けることで生きやすくなる。 やっぱり「いちばん好きな花」を見つけることが人と

          いちばん好きな花はいちばん好きなドラマ

          いちばんすきな花の第8話感想

          こんなにドラマ見てるのいつぶりだろう。娘が生まれてから初めてなので17年ぶりくらいか。 いちばんすきな花も序盤のヒリヒリした展開から、すっかり落ち着いたものに。今回は美鳥さんとみんなの過去の出会いを回想するもので、悲しくはあるけれど思いでとしてなので受け入れやすく。 とはいえ、穂積くんが…。 今回のキーワードは「ポジティブワード」 それぞれの嫌いなポジティブワードを話す冒頭。それは、それぞれ知ってる美鳥さんとの思い出と共鳴していく。ゆくえさんは穂積くんとのシーンにて。

          いちばんすきな花の第8話感想