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記憶の改ざんは起こるのか 前編

いつも見てくださりありがとうございます。

今回はSF的な要素がテーマとなります、かなり内容が濃くなていると思うのでぜひ最後までご覧いただければと思っております。

目次

・(記憶改ざんの歴史)

・エリザベスが示した記憶のあいまいさの実験

・記憶は後から加えることで変化する

記憶改ざんの歴史(割愛していいよ)

精神科医ジュディス・ハーマンを筆頭に勧めた催眠療法が著書『The Courage to Heal』で広まりました。その本には理由もわからず鬱に悩んでいるのであれば、少女・幼児期に受けた性的虐待の記憶を抑圧されている可能性が高いと示唆されており自分が鬱に悩んでいる人が有るのか無いのか分からない記憶を思い出したがるようになりました。これが記憶改ざんの始まりといわれているそうですよ。

エリザベスが示した記憶のあいまいさの実験

エリザベス・ロフタスは2つの実験で記憶のあいまいさを示唆しています。

1つ目:

「ショッピングモールの迷子」という実験において、まず家族の証言による実際の過去の記録3つに「ショッピングモールにおいて迷子になった」という嘘の記録1つを混ぜることで、4分の1の被験者に対してその嘘の記憶を埋め込むことに成功したことを示し、人間の記憶の不確かさを指摘した。

2つ目:

参加者に交通事故のビデオをみてもらいました。その後、一つのグループには「車がぶつかった(hit)時のスピードはどれくらいでしたか?」と尋ね、別のグループには「車が激突した(smashed)時のスピードはどれくらいでしたか?」と尋ねました。

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激突したという言葉で聞かれたグループは平均で時速10.46マイル=時速16.83キロメートルだったのに対して、ぶつかったという言葉で聞かれたグループは、平均で時速8マイル=12.87キロメートルと回答し、同じビデオをみていたのに聞き方を変えただけで後者の聞き方のほうがスピードを速く見積もりました。

また、この実験の一週間後、参加者に対して、一週間前にみた事故のビデオで、「割れたガラスをみたかどうか」を尋ねたところ(実際には割れたガラスは存在しませんでしたが)、激突したという言葉で尋ねられたグループでは、ガラスをみたという回答の割合が高まりました。

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Smashed!!!

このように人間の記憶はあいまいで書き換えはそう難解ではないことがわかりますね。

記憶は後から加えることで変化する。

また、後から情報を加えることで、トラウマになるほどの出来事、たとえば、捕虜となり暴力や尋問を受けた相手の顔すらも、確信をもって誤った選択をすることが示されています。

アメリカ海軍の訓練で戦争捕虜となることを経験するものがあります。30分の間、尋問者から一人で尋問を受けるのですが、訓練の一環とはいえ、尋問者の質問に答えなかったり、要求に従っているように見えない場合は、顔面を叩かれたり、腹部にパンチを受けたり、無理な体勢を強いられたりと身体的懲罰をも伴います。

尋問の間は尋問者の目をみることが求められ、尋問される側は確実に尋問者の顔を眺めることになります。尋問が終わった後、独房に隔離され、顔写真を渡され写真を見るように指示を受けます。写真をみている間に、「尋問者があなたに食べ物を与えましたか?」など尋問に関する質問を行います。渡された写真は尋問者とは違う人物のものです。

その後、尋問者の写真を選択するよう求められると、9割の人は後でみせられた偽物の写真を選びました。偽の情報や特定の行動へと誘導するプロパガンダに対して抵抗できるよう、訓練を受けた兵士でさえも、虚偽の情報に晒されることで誤った記憶を簡単に作り出すのです。

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嘘やろ!!

まとめ

・人間は知らぬ間に記憶を抑圧しているよ

・記憶はエピソードの合間に埋め込むと改ざんしやすいよ

・聞き方だけで人間の印象は操作されちゃうよ

次回は「科学的にわかっている記憶改ざんの現状」「記憶改ざんの方法」について触れていきたいと思います!乞うご期待!



虚偽記憶:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A%E5%81%BD%E8%A8%98%E6%86%B6

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/071800316/

光による書き換え:https://www.riken.jp/press/2014/20140828_2/


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