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【SLAM DUNK GI】183話「アリガトウゴザイマス」


日本で控えるトライアウトに向けて仙道彰はアメリカのストリートで出会ったベネズエラ人のマリオ・タルデッリと共にトレーニング、ブランクからのリハビリを図っていた。

その日の最終試合には、決まって二人は別々のチームとなり、勝敗を競っていた。

「アキラ、今日は負けたが、これで通算成績はドローだ。明日が最終戦だな。」マリオ・タルデッリ

「そうだな。連勝して気持ちよく日本に帰国させてくれよ!」仙道

「はっはっ(笑) そうはさせねーぜ。」マリオ・タルデッリ

そして翌日、仙道は帰国前最終日となった。

「しばらくはここに来ることはねえかな? マリオ、今日も勝たせてもらうぜ。」仙道

「さみしくなるな。今日勝って、またすぐこさせてやるぜ! はっはっ」マリオ・タルデッリ

両者は別れを惜しみながらも全力でプレーした。そして試合終了後、コートに倒れ込んだ。


「はぁはぁ アキラ 決着はつかなかったなーー。」マリオ・タルデッリ

「はぁはぁ だな。マリオとの縁も続くってことだな!?」仙道

https://note.com/tyimage/n/n406ab791e788

「アキラ! 腹減らないか?」マリオ・タルデッリ
「ああ。」仙道

「しばしの別れだ。今日は俺がご馳走するぜ。」マリオ・タルデッリ

「はは。できるもんならしてもらおうか。」仙道



マリオ・タルデッリは立ち上がり仙道に手を差し伸べた。
そして二人は夕食へと出かけた。


「アキラ。一足早くトライアウト合格に乾杯だ。」マリオ・タルデッリ

「サンキュー。」仙道

日本で新しくプロリーグがはじまるのか?」マリオ・タルデッリ

https://note.com/tyimage/n/n41bce564f396


「そうみたいだな。」仙道
「・・・・」マリオ・タルデッリ

「どうした? マリオ。」仙道

いや。素直に羨ましいと思ってな。」マリオ・タルデッリ

「・・・・」仙道


マリオ・タルデッリは再びバスケットをプレーするきっかけを与えてくれた仙道に感謝する気持ちと同時に少し嫉妬する気持ちもあった。
そしてそれを察した仙道が口を開く。

マリオ。かつて代表候補にも絡んだ実力者だ。希望を見て当然だ。俺は日本で何の実績も残していない。だから現時点では俺がやれることはまずはその世界に入ることだ。そうでもしねーと、何も動けない。」仙道

https://note.com/tyimage/n/ndf6c929dc72f


「ああ。悪いな。余計なことに気をつかせてしまったな。」マリオ・タルデッリ

「少し待ってくれ。トライアウトに合格出来た時、必ず連絡を入れる。出来なかった時はすまねえな。」仙道

「なーに 言ってんだ。アキラなら 大丈夫だ。はっはっ(笑)」マリオ・タルデッリ

「はは(笑) マリオ。体つくっておけよ。」仙道

「OK。しかし何か考えがあるみてえだな? 聞かせてくれよ。具体的な希望があったほうがモチベーションも上がるってもんだぜ。」マリオ・タルデッリ


コート外の仙道は、抜けているところがあるがこの時は違ったのであった。

俺に日本でのトライアウトが受けられるようにきっかけを与えてくれた知り合いは、海外ボランティア活動をしていて、支援にも精通している。日本は海外の難民にも支援をしている。マリオのような人のことをどうにかチャンスが与えることが出来ないか聞いてみた。」仙道

https://note.com/tyimage/n/nb47c5e9227ce


「おお。何だって?」マリオ・タルデッリ

サッカーW杯予選である国の代表が日本で試合をしたのだが、母国に戻れば迫害される恐れがあるとして、そのまま日本にとどまり難民認定を申請しているという選手がいるみたいなんだ。」仙道

「難民申請、、、。」マリオ・タルデッリ




「それでそれを報道で知った日本のクラブがその選手にプレーする場を提供しようと練習生として招待したって話しさ。」仙道

「おお! でそいつはどうなったんだ?」マリオ・タルデッリ

「プロ契約には至らなかったみたいだが、そういうチャンスを与えてもらって感謝していたそうだよ。」仙道

「・・・そうか。でもチャンスはあるってことだよな?」マリオ・タルデッリ

プロは当然、実力の世界だ。チャンスはあるだろう!?」仙道

「いい話じゃねーか!! アキラ!」マリオ・タルデッリ

「おっと。マリオ。早まるな。あくまでサッカーの例だ、日本はサッカーの方が現状、人気も歴史を進んでいる。バスケットで同じことができるとは限らない。」仙道


「そうか。」マリオ・タルデッリ

「でもな、偶然だが、その選手を受けいれた日本のクラブがある町は、俺が高校時代過ごした神奈川って所だ。なんか運命的だろ?」仙道

「おお アキラ が過ごした町か!?」マリオ・タルデッリ

きっとバスケットでも受け入れてくれるクラブがある、、、、、なんてな。」仙道

「はっはっ(笑) 俺とアキラがこうしているのも運命だ。それを信じるぜ!」マリオ・タルデッリ


マリオ・タルデッリは希望が広がった気がした。
そして仙道はくぎを刺すことも忘れなかった。

「あわてるこたーない。」仙道


「とりあえずマリオは今やれることをやって準備をしておけ。俺もやれることをやる。まずはそこからだ。」仙道

「アキラ。吉報を待っているぞ! サンキューな。」マリオ・タルデッリ

「ああ。」仙道

そうだ。アキラ、サンキューって日本語で何て言うんだ? アキラと出会った証に、そしてアキラの母国語で礼を言わせてくれ。」マリオ・タルデッリ


アリガトウ、アリガトウゴザイマス だ。」仙道



「アリ、、アリガ ト  ゴザ マス アリガ ト ゴザ イマ アリガト ゴマス」マリオ・タルデッリ


「はは(笑) いいぞ マリオ」仙道



「アリガトウゴザイマス!!」

          マリオ・タルデッリ



仙道彰は、マリオ・タルデッリとの絆。
また1つ使命を持って日本に帰国した。


そして、ヴィルフェーダ大阪トライアウトに合格するのだった。

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