twingo0810

近代日本洋画を中心に美術館巡りをしています。

twingo0810

近代日本洋画を中心に美術館巡りをしています。

記事一覧

東京国立近代美術館「MOMATコレクション(2024.4.16-8.25)」

先日、東京国立近代美術館で開催されている所蔵作品展「MOMATコレクション(2024.4.16-8.25)」に行ってきました。 はじめに今期のMOMATコレクションでは、会期中にパリ五…

twingo0810
1か月前
7

岐阜県美術館「アートまるケット 展覧会を準備してます、展。」

先日、岐阜県美術館で開催されていた「アートまるケット 展覧会を準備してます、展。」に行ってきました。 はじめに岐阜県美術館について 岐阜県美術館は、JR岐阜駅のひ…

twingo0810
2か月前
14

東京国立近代美術館「MOMATコレクション 小特集 芹沢銈介と、新しい日々」

先日、東京国立近代美術館で開催されている所蔵作品展「MOMATコレクション(2024. 1.23-4.7)」に行ってきました。 今期のMOMATコレクションでは、普段は日本画を展示する…

twingo0810
3か月前
12

静岡近代美術館「シャガール・ピカソ(リトグラフ)展」

先日、私のお気に入りの美術館である静岡近代美術館で開催している「シャガール・ピカソ(リトグラフ)展」に行ってきました。 はじめに静岡近代美術館は、私と同じ世代の…

twingo0810
5か月前
1

おすすめの美術図書「未完の青春―横手貞美」図録

私が参加していたメンバーシップ「オトナの美術研究会」(現在は閉鎖)で行われていた執筆企画「月イチお題note」。 毎日出されるお題の中で、唯一エントリーを見送った(…

twingo0810
6か月前
4

平塚市美術館「新収蔵展 特集展示 : 藤田嗣治の初期作品」

先日、平塚市美術館で開催されている「新収蔵展 特別展示 : 藤田嗣治の初期作品」に行ってきました。 はじめに平塚市美術館は、それまで平塚市博物館にあった美術部門が独…

twingo0810
7か月前
8

稲沢市荻須記念美術館「荻須高徳展 画業の変遷を辿る ー新収蔵作品と主要展覧会出品作を中心にー」

先日、稲沢市荻須記念美術館で市制60周年開館40周年記念として開催されている「荻須高徳展 画業の変遷を辿る ー新収蔵作品と主要展覧会出品作を中心にー」行ってきました。…

twingo0810
8か月前
6

永青文庫「細川護立の愛した画家たち ーポール・セザンヌ 梅原龍三郎 安井曾太郎ー」

先日、永青文庫で開催されている2023年度 夏季展「細川護立の愛した画家たち ーポール・セザンヌ 梅原龍三郎 安井曾太郎ー」に行ってきました。 はじめに永青文庫は、肥後…

twingo0810
9か月前
4

新潟県立近代美術館「開館30周年 コレクション展」

先日、新潟県立近代美術館で開催されている「開館30周年 コレクション展」に行ってきました。 はじめに新潟県立近代美術館は、新潟市ではなく花火大会で有名な長岡市にあ…

twingo0810
10か月前
24

東京国立近代美術館「MOMATコレクション 小特集 関東大震災から100年」

先日、東京国立近代美術館で開催されている「所蔵作品展 MOMATコレクション(2023.5.29-9.10)」に行ってきました。 はじめに今会期のMOMATコレクションでは、1923年に起…

twingo0810
10か月前
11

美術館周辺のおすすめスポット

私が参加しているメンバーシップ「オトナの美術研究会」で始まった執筆企画「月イチお題note」。 今月のお題は「美術館周辺のおすすめスポット」です。 はじめに私が紹介…

twingo0810
1年前
13

大野ギャラリー「小磯良平作品コレクション」

先日、広島市にある大野ギャラリーの「小磯良平作品コレクション」を見に行ってきました。 はじめに大野ギャラリーについて 大野ギャラリーは、広島市にある株式会社大野…

twingo0810
1年前
13

ひろしま美術館「コレクション展示」

先日、ひろしま美術館で開催されている「コレクション展示」に行ってきました。 はじめにひろしま美術館について ひろしま美術館は、1978年に広島銀行の100周年記念事業…

twingo0810
1年前
7

宮城県美術館「リニューアル直前!宮城県美術館の名品ぞろい!」

先日、宮城県美術館で開催されている令和5年度コレクション展示「リニューアル直前!宮城県美術館の名品ぞろい!」に行ってきました。 はじめに宮城県美術館について 宮…

twingo0810
1年前
17

私が美術館にいく理由

私が参加しているメンバーシップ「オトナの美術研究会」で始まった執筆企画「月イチお題note」。 今月のお題は「私が美術館にいく理由」です。 はじめに今月のお題が「私…

twingo0810
1年前
16

東京国立近代美術館「コレクションによる小企画 修復の秘密」

先日、東京国立近代美術館で開催されている展覧会「コレクションによる小企画 修復の秘密」に行ってきました。 展示概要この展覧会は、東近美のコレクションの中から「修…

twingo0810
1年前
17
東京国立近代美術館「MOMATコレクション(2024.4.16-8.25)」

東京国立近代美術館「MOMATコレクション(2024.4.16-8.25)」

先日、東京国立近代美術館で開催されている所蔵作品展「MOMATコレクション(2024.4.16-8.25)」に行ってきました。

はじめに今期のMOMATコレクションでは、会期中にパリ五輪が開催されることもあってか、第5室と第9室はパリに関係する展示内容になっているため、今回はそれらについて書きたいと思います。

展示概要第5室 パリのサロン

第一次世界大戦終結後の1920年代、パリに暮らす日本

もっとみる
岐阜県美術館「アートまるケット 展覧会を準備してます、展。」

岐阜県美術館「アートまるケット 展覧会を準備してます、展。」

先日、岐阜県美術館で開催されていた「アートまるケット 展覧会を準備してます、展。」に行ってきました。

はじめに岐阜県美術館について

岐阜県美術館は、JR岐阜駅のひとつ隣になるJR西岐阜駅から徒歩15分のところにあり(ちょっと不便)、1982年に開館しました。

美術好きの間では、世界有数のルドン・コレクションを持っていることでも知られています。
現在の館長は、地元岐阜市出身のアーティストで、東

もっとみる
東京国立近代美術館「MOMATコレクション 小特集 芹沢銈介と、新しい日々」

東京国立近代美術館「MOMATコレクション 小特集 芹沢銈介と、新しい日々」

先日、東京国立近代美術館で開催されている所蔵作品展「MOMATコレクション(2024.
1.23-4.7)」に行ってきました。

今期のMOMATコレクションでは、普段は日本画を展示する第10室を使って、現在は国立工芸館(旧東京国立近代美術館工芸館)が所蔵する芹沢銈介の作品群を紹介する特集展示が行われており、今回はその感想を書きたいと思います。

はじめに芹沢銈介とは

芹沢銈介(1895-198

もっとみる
静岡近代美術館「シャガール・ピカソ(リトグラフ)展」

静岡近代美術館「シャガール・ピカソ(リトグラフ)展」

先日、私のお気に入りの美術館である静岡近代美術館で開催している「シャガール・ピカソ(リトグラフ)展」に行ってきました。

はじめに静岡近代美術館は、私と同じ世代の静岡県人なら誰でも知っている「大村洋品店」の社長で、この美術館の館長でもある大村明氏の個人コレクションを広く一般に公開する目的で静岡市に開設した私設美術館です。
JR静岡駅からは徒歩で20分程かかりますが、散歩と思えばちょうどよい距離です

もっとみる
おすすめの美術図書「未完の青春―横手貞美」図録

おすすめの美術図書「未完の青春―横手貞美」図録

私が参加していたメンバーシップ「オトナの美術研究会」(現在は閉鎖)で行われていた執筆企画「月イチお題note」。
毎日出されるお題の中で、唯一エントリーを見送った(書けなかった)のがこの「おすすめの美術図書」でした。
最近このことをふと思いだし、今さらですがこのお題について書いてみたいと思います。

はじめに私の「おすすめの美術図書」は、2013年に長崎県美術館で開催された展覧会「長崎の美術5 未

もっとみる
平塚市美術館「新収蔵展 特集展示 : 藤田嗣治の初期作品」

平塚市美術館「新収蔵展 特集展示 : 藤田嗣治の初期作品」

先日、平塚市美術館で開催されている「新収蔵展 特別展示 : 藤田嗣治の初期作品」に行ってきました。

はじめに平塚市美術館は、それまで平塚市博物館にあった美術部門が独立する形で1991年に開館しました。

この美術館のコレクションは、多くの寄贈作品から形成されており、その始まりは1960年代初めまで遡ります。
その頃、平塚市では美術館建設を求める声が上がるのですが、いかんせんそこに飾るものがありま

もっとみる
稲沢市荻須記念美術館「荻須高徳展 画業の変遷を辿る ー新収蔵作品と主要展覧会出品作を中心にー」

稲沢市荻須記念美術館「荻須高徳展 画業の変遷を辿る ー新収蔵作品と主要展覧会出品作を中心にー」

先日、稲沢市荻須記念美術館で市制60周年開館40周年記念として開催されている「荻須高徳展 画業の変遷を辿る ー新収蔵作品と主要展覧会出品作を中心にー」行ってきました。

はじめに稲沢市荻須記念美術館は、名古屋にほど近い稲沢市にある公立美術館で、この地の出身でパリを拠点に活躍した画家 荻須高徳の画業を顕彰する目的で1983年に開館しました。

前から一度行きたいと思っていたのですが、ちょうど開館4

もっとみる
永青文庫「細川護立の愛した画家たち ーポール・セザンヌ 梅原龍三郎 安井曾太郎ー」

永青文庫「細川護立の愛した画家たち ーポール・セザンヌ 梅原龍三郎 安井曾太郎ー」

先日、永青文庫で開催されている2023年度 夏季展「細川護立の愛した画家たち ーポール・セザンヌ 梅原龍三郎 安井曾太郎ー」に行ってきました。

はじめに永青文庫は、肥後熊本54万石を治めた細川家の下屋敷跡にある東京で唯一の大名家の美術館で、細川家伝来の美術工芸品や歴代資料のほかに、この美術館の設立者である16代当主 細川護立(細川護煕元総理の祖父)の蒐集品など、国宝8件、重文35件を含む、9万4

もっとみる
新潟県立近代美術館「開館30周年 コレクション展」

新潟県立近代美術館「開館30周年 コレクション展」

先日、新潟県立近代美術館で開催されている「開館30周年 コレクション展」に行ってきました。

はじめに新潟県立近代美術館は、新潟市ではなく花火大会で有名な長岡市にあり、1993年の開館から今年で30年になります。

かつて、長岡市にはこの地に本店を置く大光相互銀行(現・大光銀行)の企業コレクションを展示する「長岡現代美術館」があったのですが、本業が経営危機に陥った時に閉館となりコレクションも散逸し

もっとみる
東京国立近代美術館「MOMATコレクション 小特集 関東大震災から100年」

東京国立近代美術館「MOMATコレクション 小特集 関東大震災から100年」

先日、東京国立近代美術館で開催されている「所蔵作品展 MOMATコレクション(2023.5.29-9.10)」に行ってきました。

はじめに今会期のMOMATコレクションでは、1923年に起きた関東大震災から100年ということで、被災、復興、社会のひずみなどのトピックから震災と美術の関係を振り返る小特集が組まれており、今回はそれを取り上げてみたいと思います。

展示概要2室 関東大震災から100年

もっとみる
美術館周辺のおすすめスポット

美術館周辺のおすすめスポット

私が参加しているメンバーシップ「オトナの美術研究会」で始まった執筆企画「月イチお題note」。
今月のお題は「美術館周辺のおすすめスポット」です。

はじめに私が紹介する美術館周辺のおすすめスポットは、東京国立近代美術館のお隣にある「パレスサイドビル」です。
一般的には「毎日新聞東京本社ビル」と言ったほうが通りがいいかもしれません。
そう、東近美に行くと必ず目にするあのビルです。

パレスサイドビ

もっとみる
大野ギャラリー「小磯良平作品コレクション」

大野ギャラリー「小磯良平作品コレクション」

先日、広島市にある大野ギャラリーの「小磯良平作品コレクション」を見に行ってきました。

はじめに大野ギャラリーについて

大野ギャラリーは、広島市にある株式会社大野石油店の本社内にある小磯良平の作品だけを展示しているギャラリーで1998年に開館しました。

大野石油店の現会長 大野輝夫氏が約20年かけて収集した359点の小磯作品のうち、約100点を常時展示しています。入場は無料ですが、毎週水曜日し

もっとみる
ひろしま美術館「コレクション展示」

ひろしま美術館「コレクション展示」

先日、ひろしま美術館で開催されている「コレクション展示」に行ってきました。

はじめにひろしま美術館について

ひろしま美術館は、1978年に広島銀行の100周年記念事業として開館しました。
当時の頭取で初代館長の井藤勲雄氏が、原爆投下後の広島のまちの惨状を自ら目にした経験から、原爆で亡くなった人々の鎮魂となり、残された人々のやすらぎの場となるものと、辿り着いた答えが「美術館」でした。

誰もが気

もっとみる
宮城県美術館「リニューアル直前!宮城県美術館の名品ぞろい!」

宮城県美術館「リニューアル直前!宮城県美術館の名品ぞろい!」

先日、宮城県美術館で開催されている令和5年度コレクション展示「リニューアル直前!宮城県美術館の名品ぞろい!」に行ってきました。

はじめに宮城県美術館について

宮城県美術館は、仙台のシンボル 伊達政宗公騎馬像がある青葉山公園(仙台城跡)の麓に位置し、1986年に開館しました。
本館は、フランスでル・コルビジェに師事し、日本のモダニズム建築の巨匠である前川國男によるもので、宮城県出身の彫刻家 佐藤

もっとみる
私が美術館にいく理由

私が美術館にいく理由

私が参加しているメンバーシップ「オトナの美術研究会」で始まった執筆企画「月イチお題note」。
今月のお題は「私が美術館にいく理由」です。

はじめに今月のお題が「私が美術館にいく理由」と知った時、しばらくの間「う~ん」と考えてしまいました。
結局のところ、「知見を広げるため」といった凡庸な答えしか出て来なかったのですが、しかし、ここで言っている知見とは、私にとってどういうことなのか少し語らせて下

もっとみる
東京国立近代美術館「コレクションによる小企画 修復の秘密」

東京国立近代美術館「コレクションによる小企画 修復の秘密」

先日、東京国立近代美術館で開催されている展覧会「コレクションによる小企画 修復の秘密」に行ってきました。

展示概要この展覧会は、東近美のコレクションの中から「修復」にまつわるエピソードを持つ20点ほどの作品が展示されています。

安井曽太郎《金蓉》

私が大好きな安井曽太郎の代表作である《金蓉》は、画面のひび割れがひどく2005年に修復を受けています。

私は修復後の《金蓉》しか見たことがありま

もっとみる