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美術館周辺のおすすめスポット

私が参加しているメンバーシップ「オトナの美術研究会」で始まった執筆企画「月イチお題note」。
今月のお題は「美術館周辺のおすすめスポット」です。


はじめに

私が紹介する美術館周辺のおすすめスポットは、東京国立近代美術館のお隣にある「パレスサイドビル」です。
一般的には「毎日新聞東京本社ビル」と言ったほうが通りがいいかもしれません。
そう、東近美に行くと必ず目にするあのビルです。

東近美側から見たパレスサイドビル全景

パレスサイドビルについて

概要

パレスサイドビルは1966年に竣工し、地下6階、地上9階、延床面積11万9625平方メートルを誇るこの建物は、日本の大規模複合ビルの先駆けとなりました。
また、1999年には近代建築の歴史的価値の保存・継承のため「日本建築学会」が組織するNGO「ドコモモ」により、戦後のオフィスビルとして唯一「モダニズム建築20選」に選出されています。

見所

東近美へ行くには、東京メトロ東西線の竹橋駅から1b出口を利用する方が多いと思いますが、たまには右側の扉を抜けてパレスサイドビルの中を覗いてみませんか?

地下1階の飲食店フロアとの連絡口です。

パレスサイドビルの中でひときわ目を引くのは円形の「エレベーターホール」です。
片側に4機、合計で8機のエレベーターが円周上に配置され、正面は「階段」になっています。
また、エレベーターの裏側は「トイレ」だったりして、このビルの特徴である白い円形コアの中に、これらの共用スペースが上手く収められています。

フロアから突き出た2本のポストに
エレベーターの上下ボタンが付いています。
階段はまるで大理石彫刻のような造形です。
外壁(右側)とエレベーターホールの隙間が
トイレになっています。

それ以外にも、地上1階と地下1階の吹き抜け部分には、独創的なデザインと構造を持った通称「夢の階段」があったり、とある壁には、日本の伝統建築でよく見られる「丸窓」が設けられたりしています。

柱を使わずに左右のメッシュ部分で
踏み板を吊るというアイデアは、
それまでにない正に夢のような階段でした。
丸窓から見えるのは地下駐車場の出入口というのが
なんともシュールです。

このビルは、中だけでなく外にもいろいろと見所がありますので、それらは是非ご自身の眼で確かめてみて下さい。

あとがき

パレスサイドビルが「モダニズム建築20選」に選出された時の理由です。

「装飾で建物を美しく飾るのではなく、線や平面、円筒などの組み合わせによって美しいビルが出来る」

主催者コメントより

まるで、セザンヌの絵画に対するコメントのようですね。



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