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【理論】品揃えと価格論⑩ 新装開店セールに潜む罠

いらっしゃいませ。
本日も小売王_マグロ大使のnoteにご来店有難うございます。

水曜日はお店の【理論】
更なる勢力拡大を目指し盛大に失敗した地域の人気店。
前回ご紹介したこのお店は、いつ自らの失敗に気付くのか

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開店前から、失敗しているのに

新装開店時には、ほぼ「盛大に成功」のような出足を見せますから、その時点で、自分が浮足立って大失敗をしていることに気付ける経営者はなかなかいません。

こういうお店の開店セールはどうあろうと成功しているように見えるものです。何故なら、オープンセールと言いつつもその実、お店のお披露目というよりも、関係者からの開店祝いの様相を呈しているからです。

地元の星ですから、1枚かませてもらおうと地元の問屋や業者も全面バックアップしてくれますし、ご祝儀原価も出ます。
開店祝いの景気づけに高額品を買ってくれることもよくあります。

こんなに好調ならと気をよくし、オープンを祝ってくれた業者たちに「これも売れるんじゃないですか」「あれもどうですか」と言われるがままに仕入れを追加し、さらに品揃えを迷走させることすらあります。

地元の人気店の改装、拡大はマスコミも連日取り上げてくれますから、ちょっと長めに持つこともありますが時間の問題です。

人気店だったのに、何がいけなかった?

最大の失敗は前回お話しした通り、
売価と品質のバランスを崩してしまったことです。

主には売価上限を引き上げてしまったことですが、さらに売価につられて品質下限も引き上げてしまうと、もう別のお店になってしまいます。

わかりやすいのは普段用とハレの日用などですが、これまで人気を博した1,000~2,000円で揃えた商品ラインとは別に、同じ商品群でも用途が違う3,000~5,000円のラインを増やすのは構わないのです。

それを漫然と1,000~5,000円に価格幅を広げて、品目数を増やしただけで「幅広く豊富な品揃え」が出来たというのは大きな勘違いです。

このお店では「これぐらいの品質のものが大体これぐらいの値段で買える」というイメージははっきりと持つ方もいれば、何となく「自分に合った店だ」と感じる方も多くいます。

いずれにしても価格と品質に関してはお店に対してイメージを持ちます。
ここが「なんとなく」いい店、「何となく」自分好みとは違う店の分かれ道です。

このほかにも単品や品種の有無でお店を印象付ける場合もあります。
「あれが買える店」というやつですね。これは明確で小型店の場合は顧客との会話でも引き出せますから店側にも比較的わかりやすいものです。

わかりやすくはありますが、品揃え対応は決して簡単ではありません。仕入れルートや特定の業者との緊密な関係作りなどが必要です。希少品であればあるほど、取引先との信頼関係がないとそれは実現できません。

なんでうちは人気店だったの?

しかし、もう一方の「何となくいい店」「自分に合った好みの店」はさらに難しいのです。なかなか言語化されない、客にとって「なんとなく」いい店という評価は、お店がその裏を論理的に見極めてあげないといけません。

その「何となく」の内訳は、その多くが売価と品質のバランスにあることを前提において、客動線や商品の売れ行き、売れ残りを観察してみましょう。

そして、品種の違いが売り場で表現されているか、購買客に伝わっているか、自分が想定していた購買動機のくくり方、つまり品種はあっていたのか、と1つ1つ見ていくと自店の強み、弱みが見えてきます。

店側まで「何となく気に入られてる」「仕入れセンスがいいからかな」と非論理的にとらえていると、こういったきっかけで価格が緩み、さらに品種を理解していないと品揃えは崩壊の一途になります。

このお店はおそらく自らの失敗を理解することないまま消えていきます。
自店が「人気であった理由」を勘違いしたまま、別のお店に作り変えてしまったことにも気づかずに。

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