本能寺の変の裏に、おむすびと佃煮あり！
【837むすび】うにとぼんた(丸の内)あさりの佃煮
おむすびは、日本古来からある伝統食。
おむすびを800日以上に渡って食リポをしていく中で、日本の歴史と深い関わりがあったことなども見えてきたりもする。
例えば、日本の歴史を語る上で重要な事件となっている、本能寺の変。
調べてみたら、ここでも、おむすびが大きく関わっていたのだ。
過去に、こんなことを書いた。
天正十年(1582年)7月 京都の本願寺で、織田信長が明智光秀に暗殺をされた。いわゆる本能寺の変である。その報を聞いた、羽柴秀吉がとったのは驚きの「おむすび大作戦」だった。
備中高松城を水攻めしていた秀吉は、その報を受けて急遽和睦をし、その軍およそ2万5千人を引き連れて、光秀討伐に向かったのだ。
光成の居城がある山崎までは、およそ200km。
この距離を最速で詰めて、光成を討伐するために、秀吉は驚異のリーダーシップとおむすびを使ったのだ。
秀吉は、自分が使えるであろう財産を全て投じ、必要な水、食料、装備などを整え、兵士たちを鼓舞し、光成征伐に走らせたのだ。これがいわゆる「中国大返し」と言われるものだ。
特に、力を入れたのがお米だ。集められるだけのお米を炊きだし、各居城で休憩ポイントを作って、兵士たちに振る舞った。また、出発する兵士たちには、味噌おむすびを作り持たせたのだ。季節は夏。途中、暑さや大雨もあった。この長距離のマラソン大会で、兵士たちを支えたのは、当時、ふんだんに食べることが難しかった白米のおむすびだったのだ。
実は、この本能寺の変の裏には、おむすびにとても関係のある食べ物が絡んでいた。その食べ物は、今、東京が日本の首都になっていることにもつながっている。
それは、「佃煮」
なんで、そんな庶民的な食べ物が歴史と関係あるの？と思われる方もいるかもしれない。でも、調べていくととても深い関係があったのである。
佃煮の発祥とされているのは、江戸の佃島（現在の東京都中央区）。
江戸幕府が開かれた時に、この地に住む漁民が、江戸前（現在の東京湾）で獲れた小魚や貝を甘辛く煮て食べていたことが始まりとされている。
実は、この佃島に住んでいる漁民は、徳川家康の命の恩人らしいのだ。
天正10年（1582年）6月、明智光秀の謀反が起こり、本能寺で織田信長が暗殺をされた。その時、徳川家康がいたのは大阪の堺。信長の死により、次に命を狙われるのは自分だと考え、急いで国へ逃げることになった。
しかし大阪の神崎川に差し掛かった時、渡る船がなく立ち往生してしまった。早く逃げなくては命が危ないのに、先に進むことができない。
この危機を救ったのが、摂津国の佃村（現在の大阪市西淀川区佃）の漁民たちなのだ。
彼らは手持ちの漁船と、いざという時のために備蓄しておいた小魚煮を家康一行に提供。日持ちの良い小魚煮は、厳しい道中を急いで進まなくてはならない一行を助けたとのこと。
それに大きく感謝をした徳川家康は、が江戸幕府を開く時に佃村の30余名の漁民も江戸に連れていき、特別な漁業権と住み場所を与えた。それが佃島なのだ。そこで作られた佃煮は、江戸の大名の食膳にも上がり、また参勤交代の際の江戸の土産として重宝されたそうだ。
大きく時代が動いた本能寺の変。
天下を掴もうとした、信長、光秀、秀吉、家康。
そして、その裏にあったおむすびと佃煮の存在。
食と歴史の関係、知れば知るほど面白い。
そんな歴史を動かした佃煮を使ったおむすびを、食べたのでリポートしたいと思う。
東京の中心、丸の内にあるオアゾ。
その地下にあるのが、「うにとぼんた」だ。
注文してから、結んでくれるスタイル。
この中から選んだのは、そう、あさりの佃煮！
結びたて熱々のおむすびがきた！
たっぷりのあさりの佃煮。
この佃煮のおかげで、江戸幕府ができたのか。
心して食べよう。
アツアツ、ほふほふ。
口の中で解けるように、ふんわりと結ばれたおむすび。
おむすびの上だけかと思っていたあさりの佃煮。
実はごはんの中にも大量に隠れていた！
これは嬉しい。
甘塩っぱく煮付けられたあさりの旨み。
アツアツの白米に絡まることで、その美味しさが数倍にも広がっていくよう。
あらためて佃煮の美味しさに、感動することができた。
おむすびを探す旅は、歴史を知る旅。
過去と今と未来をつなげていくのも自分の役目だと思う。
ご馳走たまでした！
昆布と秀吉の深い関係も、おかわりどうぞ。
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