23年前の11月27日。世界一悲しいVゴールの後に、森保一(現日本代表監督)が福田正博にかけた言葉とは
《連続1234日目!》
世界中を熱狂の渦に巻き込んでいるサッカーのワールドカップ。
同じ時間に、何億人、いやもしかしたら何十億人という人々がひとつのボールを注視し、一喜一憂している。これって、ものすごい出来事なのかもしれない。
サッカーの試合でいちばん盛り上がるのは、やっぱりゴールのシーンだ。
しかも、そのゴールによって勝利が決まるような場面では、ゴールを決めた選手も周りの選手も、応援しているサポーターたちももみくちゃになって喜び合う。
まさにスタジアムが揺れている、と言える瞬間だ。
だけど…
俺たち浦和レッズサポーターは、勝利を決めたのに喜ばないゴールを知っている。
悲しすぎるゴールを知っている。
それは、今からちょうど23年前の1999年11月27日のことだった。
悲しすぎるVゴール
この年からJ1からJ2へ2枠の降格制度ができ、浦和レッズは16チーム中14位で最終戦を迎えることになった。15位のジェフ市原(千葉)との勝ち点差は僅か1。90分で勝利をすれば自力で残留を決められる状況。
当然、サポーターたちの熱量は高く、最終戦の地ホーム駒場スタジアムは定員ギリギリの超満員。
試合前から絶対勝利に向けて、ヒートアップしていた。
そして…
浦和レッズは、エース福田正博のシュートで延長Vゴール勝ちを決める。
勝利を決めたゴールの後、スタジアムが必ず熱狂に包まれるのが世界の常識のはず…
なのに…
静まりかえるスタジアム。
勝ったのに、喜びに溢れていない。
いやむしろ、悲しみに包まれているよう。
なぜなら…
Vゴールの勝ち点は2。
この勝利の瞬間、この日負けた福岡、勝った市原と勝ち点28で並ぶことになり、得失点差によって浦和レッズは16チーム中15位になった。
シーズンを通した得失点差1。わずかゴール1本差のJ2降格だった。
と書きながら…
実は、自分はこの日の試合内容をあまり覚えていない。
もちろん、当日はホームスタジアムの駒場競技場に
駆けつけていたし、熱く応援はしていた。
なんなら応援していた席の位置もしっかり覚えているし、最後のゴールの後に福田正博選手がチームメイトの池田選手を振り払ったシーンも目に焼き付いている。
でも、それ以外のことがショックすぎて覚えていないのだ。
これまで経験をしたことがない、2部リーグに降格するという現実。それが受け止められなかったのだ。
(この試合は、Jリーグ公式の「ファンが選ぶ、記憶に残るVゴールランキング」の1位にも選ばれています)
森保一選手の言葉
ショックから当時の試合のことをあまり覚えていない…
そこで、あらためて当時の試合のことを動画で見ることにした。
その動画はJリーグ公式チャンネルにあるこの動画だ。
(ここから下の画像並びにタイトルで使った画像は、動画の中をキャプチャしたものです。使用が難しい場合はご連絡ください!)
福田正博が現役時代を振り返るインタビュー動画の中にこの試合のことがあった。
対戦相手はサンフレッチェ広島。
試合は延長戦に入り、交替で入った福田選手がコーナーキックからの流れてボールを蹴り込んでVゴール。
ゴールを決めた後に、寄ってきたチームメイトを振り払い、喜ばなかった福田選手。
サポーターの多くは、この福田選手の行動を見て降格の事実(他会場の結果)を知ったと思う。
悲しみに包まれるスタジアム。
哀しみにくれる福田選手を抱きしめたのは、対戦相手だった森保一選手だった。
そう。
23年後にカタールワールドカップを闘う日本代表を率いている森保監督のことだ。
森保選手は、福田選手を抱きしめてこう言葉をかけてくれたらしい。
「また、来年、上がってくればいいじゃないですか」
福田選手は、この言葉を聞いて涙が止まらなくなってしまったらしい。
このエピソードだけでも、当時から森保監督は相手を思い、気遣い、その場面場面で言葉をかけられる人だったのかと思われる。
そして、その言葉のとおり、1年後に浦和レッズは同じ最終戦でギリギリだったけれどJ1へ復帰をすることになった。
その激闘の試合の様子は、こちらの記事でどうぞ。
今日は、あの悲しみのVゴールと同じ11月27日。
日本中が喜びに包まれるゴールを、そして勝利を祈っています!
がんばれ森保ジャパン!
このマガジンでは、ファンやサポーターの熱量を高め、熱狂のスタジアムを生み出すことを書き綴っています。
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ファンベースデザイナー、地域創生プロデューサーなどしてます。 おむすびnoteを毎日書いてたり、浦和レッズを応援したり… みんなが、好きなこと、応援したいことを素直に言える世の中にしたいなあ。 皆さんと、いろいろなコラボをしたいです! ぜひぜひご連絡ください!