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新刊『羽ばたく本棚』、始動!

もともとは、本の話を書くアカウントにするつもりだった。
その証拠に、noteに来てから最初に載せた記事は『「とりあえずビール」なんて』。

『ビールの最初の一口 とその他のささやかな楽しみ』(フィリップ・ドレルム 著、高橋啓 訳)がすごくよくて、読んでいるうちにビールが飲みたくてたまらなくなったんだ、というエッセイだ。

このエッセイを軸に埼玉県での一人暮らしの楽しさと切なさをみっちり書いたのが、第一作目のエッセイ集『春夏秋冬、ビール日和』。

ゲストエッセイに「生涯ピアノ弾き」こと実の母親を迎えたこの本は、「トラブルを笑いに変える圧倒的妄想力!」「私も半額パンを食べて頑張ろうと思いました!」とご好評いただき、重版まですることができた。ありがてぇ。

調子に乗って作った第二作目の『「お邪魔します」が「ただいま」になった日』では、ゲストエッセイにnote仲間の戌亥さんを迎え、大学生のころから付き合っていた彼氏と結婚するまでの悲喜こもごもをネチネチ書いた。

「独自の視点と、その瞬間を想像させる巧みな描写力でぐいぐい惹き込まれてしまう」「ミッチー似の旦那さんとお幸せに!」とまたまたありがたいお言葉をいただいて、へこへこ喜んだ。ありがてぇ。


新刊のテーマ

そして現在。またまた調子に乗って、第三作目。性懲りもなくエッセイ集を作っている。
今度のテーマは、「」。
これまで私のエッセイを読んでくれた方ならご存じの通り、私が書くものは書評ではない。
「こんな気分のときにこの本を読んだら、こんな気持ちになったのよ」的な感想文である。

本の話と言いつつも、自分のエピソードがやたらと分厚くなってしまうこともしばしばだし、名作と呼ばれる本に恐れ多くもツッコミを入れまくってしまっているときもある。
けれども紹介している本はどれも、出会うべきタイミングで出会えた運命の一冊である。

まるで本自らが「今こそおいらの出番だね」と私のもとに羽ばたいてきたかのような、そんな思い入れのある本たちを、一冊ずつ本棚に入れなおすような感覚で、一冊の本にまとめたい。
そうした思いで、刊行に向けて準備している真っ最中である。

実は、タイトルはすでに決まっている。
その名も、『羽ばたく本棚』。

そして今回、すでにゲストも決まっている。
なんと、三人もお呼びしてしまった。
とき子さん橘鶫さんKaoRu IsjDhaさんだ。

このメンバーに、既視感を覚える方もいるのではないだろうか。
実は我々四人は、一度KaoRuさんの案内でオロモウツに集合している
なんのこっちゃな方は、ぜひ下記の記事をお読みいただきたい。

さて今回の本では、とき子さんにはエッセイを、鶫さん、KaoRuさんには扉絵をお願いした。
あまりにも贅沢なメンバーである。

豪華すぎるメンバー紹介

とき子さんは明るくパワフル、ときにしっとりな文章を解像度高めに、一度刺さったらしばらく動けなくなるレベルの強烈なギャグを放ちながら書くヤバいお方。
今回取り上げてくれた作品は『巌窟王』。またの名を『モンテ・クリスト伯』。ゴリゴリした名作との運命的な何度もの出会いを読み応えたっぷりに書いてくれた。

鶫さんは「少し的を外れた鳥好き」を自称する、イヌワシをはじめとしたさまざまな鳥の絵を描く方。
植物と親しむ聡明な少女カリンと翼を持つ誠実な少年レンが主人公の長編小説『物語の欠片』の著者でもある。鳥を描き、物語を書き、俳句を詠み、ピリカグランプリの審査員も務め……等々多方面での大活躍に、本当は鳥なんじゃないかとか、三人くらいいるんじゃないかという疑惑がある。

KaoRuさんも、とにかく多彩な才能を持つ方。
水彩画、万年筆画、アクリル画……とうっとりするような透き通った線の絵をさまざまな表現方法で描いている。
そのうえ墨絵、書道教師としても活躍。noteには自分と対話するひょうきんな四コマ漫画や、瞬く間にnoterたちの心を鷲づかみ人気キャラクターに上り詰めた「コーヒー豆氏」シリーズ、連載小説『その名はカフカ』等を掲載。ひゅるっと軽やかな絵と、煉瓦を積み上げていくような手触りのある文体のギャップが素敵。

そんな、私が敬愛する、大好きなnoterさんたちと、一つの作品を作る。
これが興奮せずにいられようか。
ここまで書いている間に、何度鼻血が出かけたかわからない。
正直いって、読者の誰よりも私が楽しんでいる自信がある。
推したちと本が作れるなんて!
noteやっててホントによかった。

このメンバーで本が作れることがあまりにも嬉しすぎて、自分でも恐ろしくなるほど執筆ペースが上がった。さらにとき子さんのエッセイも、鶫さん、KaoRuさんの扉絵も、実はすでに入っている。
そんなわけで、目次もほぼ完成してしまった。
さっそくお目にかけたい。

カッコ書きしてあるのは、エッセイのなかで扱っている本のタイトルである。
太字のタイトルの作品は、noteにはアップしていないものになる。

『羽ばたく本棚』目次

*親分を待ちながら(注文の多い料理店)
ロブスターのために生きてるわけじゃない(虫愛づる姫君)
ルサンチマンとヘクソカズラ(植物図鑑)
「あの子がいれば」と言われたい(老人と海)
『おちゃとら』ウエディング(おちゃのじかんにきたとら)
蘇れ! 手紙魔ウェルテル(若きウェルテルの悩み)
*誰も神父にならなかった (レ・ミゼラブル)
*「めでたしめでたし」のあとの物語 仮題(物語の欠片)
*再びミッチーになり損ねた夫(この宇宙にあなたは一人しかいない 及川光博名言集)
*辻野先生の課題図書(モンテ・クリスト伯)……とき子
ばあさんズは棍棒を手に手に……(フィンランドの昔話)
地獄へパシられる(フィンランドの昔話)
魔王に恐れられる弟、脱腸を投げる父(フィンランドの昔話)
*本をめぐる座談会つる・るるる×橘鶫×とき子×KaoRu IsjDha


現在は書き下ろしもいくつか書き終え、座談会の収録も終えて、秋の文学フリマを目指して制作中
普段の日常エッセイに加えて、これから随時制作風景を公開していく予定なので、どうぞお楽しみに!

➡️続きはこちら。文学フリマ大阪にとき子さんと一緒に出ることになりました!


KaoRu IsjDha画伯の作品です。

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