とき子
noteを続けてきたことで頂いた感想。 紹介してくださった方からいただくお花🌼を集めます。
少しずつ書けた物語
ぬか床に関するこんなことやあんなこと。 「こんな時、どうしてる?」とほかの人に聞いてみたいことや、「聞いて聞いて、大発見!」とぜひとも報告したい発見などなど、熱烈歓迎いたします! 入部希望の方はコメント欄等でお知らせください♪ ヘッダー画像のぬか床は、清世さんが描いてくれた作品です。
ずっしり空気の重くなったリビングのコタツで、その引力に負けたように父さんが急に頭を下げたので、俺はギョッとした。 思えば、父さんが家族に頭を下げるところなんて見たことがない。てっぺんがだいぶ薄くなったなと、少し自分の頭を心配したところに、姉ちゃんがふぅーと小さく息を吐いて 「私たちじゃなくてお母さんに頭を下げてよ。まぁ、それも今更だけど」 と冷たい口調で言った。父さんは、頭を下げたまま、小さく頷く。 「お前たちに頼みがあるんだ」 それは意を決した口調だった。俺はゴクリ
本日6月14日 金 再放送決定😆✨ 14時30分より15分間 FM千里でエッセイ読みます♪ 本日のエッセイは初めての彼氏! https://note.com/toccodocco/n/n8ba1181a0590 こちらから聴くことができます↓ https://www.jcbasimul.com/fmsenri お時間合えば是非♪
それは毎日、途切れることなく続けられている。 もちろん、どうしても無理な日はある。 そんな時は、翌日以降、また淡々と続ける。 誰のためでもない、たった1人、この世にたった1人の私のために。 日記である。 自分で日記帳を初めて買ったのは、どうやら中学生の15歳。 何を書いたのか、まったく記憶にない。 ドキドキしながら1ページ目を開くと 「私が死んだら、この日記を友達に見せて欲しい」と書いてあった。 完全にアンネ・フランクを意識している…! そう、没年15歳と知って衝撃を受け、
何度もつぶやき失礼します! 昨日の放送、インターネットに不具合があったらしく、再放送していただけるそうです😆 14日金曜日、14時半からです♪ (当日朝またつぶやきます😂) お時間に都合が合いましたら、是非聴いてみてくださいませ!
私は過去、フラダンスを熱心に習っていました。 そして本日、『メリー・モナークin大原田』を勝手に送りつけておりました、友人の娘さん、つまり私の娘(違う)ひーちゃんが、フラコンペティションにおいて、ソロ・カイカマヒネ部門で優勝したと連絡を受けました。 カイカマヒネは、少女という意味で、オピオ(ジュニア)部門と同じです。 円花やん…!!と泣いてます。 ああ、素敵だったんだろうな。 この前、広島に行った時、パジャマで踊ってくれた姿でさえ泣きました。 本番の彼女のステージ、現地で観る
終わった…書き終わりましたよう! ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございます! まさか、毎日更新になるとは思いもかけず。 いやだって、早くラストを書かないと、不安でたまらなかったんですもの。 何が不安て? 「恋愛始まらねーぞこんちくしょう!」 という、私の気持ちや、その他あれやこれや、とにかく不安。 創作大賞、始まったら絶対参加するんだーい!と思ってました。 それで、前回の見切り発車を反省しましてね。 暴走に暴走を重ねて、どう着地すればいいか全くわからなくなった2万
「……という、フラッシュモブの主役をかっさらう、全く空気が読めない男です!」 真咲の話に、会場がどっと笑いに包まれる。 「しかも、一度はフってしまう姉ちゃんも、空気が読めない女です!」 あの日、ピンクのレイを持って走ってきた友也くんに、私は心の底からギョッとした。落ち着け友也、よく考えろ、私たちは、まだ2回しか会った事がない! 男女それぞれが遠方に住むため、合同練習の時間が取れず、リモートレッスンを駆使して練習は行われた。全てが一発勝負になるので、画面越しには確かに何
その日は朝から晴れていた。5月にしては少し暑すぎるんじゃないかという日差しに反して、潮風は冷たさを含んだ心地のいいものだった。 医療用ウィッグコレクションは2つに増えていた。ひとつはニット帽用、ひとつは、昼寝から起きた時に、慌てて着ける用だと言う。今日は、薄いブルーのコットンニットの帽子に、クルンとカールされたウィッグが覗いていた。 念の為にと姉ちゃんが先生に確認を取ったら、「風邪だけは絶対に引かないでくださいね」と言われ、宿泊はしないけれど、海辺のグランピングのテント
「これを完璧にできたら」 円花さんの出している紙は、いわゆる振り表というもので、フラダンスの振り付けが、歌詞と共に描かれているものだった。パッと見ただけでも、それがペアの動きのものであるのがわかる。 「……花花の!」 先に反応したのは友也だった。姉ちゃんは動かない。 「……そこまでの勘は戻らないよ」 円花さんから目を逸らす姉ちゃんは、いつもの姉ちゃんではない。あの日の姉ちゃんだ。 「どうして?」 もうフラを辞めると姉ちゃんが言った日、姉ちゃんのチームが入賞したお祝いを
「花乃さんの家は、夜に洗濯するんですね」 和室の隣の縁側にあたる廊下で洗濯物を干していると、友也くんが和室の入り口から申し訳なさそうに首を出して話しかけてきた。 「うん、お母さんがフルタイムしてた頃からの名残で。ここに干しとけば、日中も日があたるしね。ていうか、どした? 入っていいよ?」 そういうと、 「いや、洗濯物はお手伝いしない方がいいかなって」 照れくさそうに、細い目の際を掻いている。ポワポワだった髪の毛がしっとりしていた。 「やだそういうの、逆に照れるから。凝視
寒さが緩む日がふっと訪れて、春が来たかと気持ちも緩む。その頃合いを見計らってか、「まだ油断するなよ?」と言わんばかりに寒風吹きすさび、勝手に裏切られた気持ちになってくしゃみをひとつ。梅の木に雪がちらついています、というニュースが流れた頃、いよいよ母さんの脱毛が始まった。それに備えて、ベリーショートになっている。 こないだ不意に思い出した、腰までロングヘアーだった母さんの後ろ姿を思い出す。くるくると髪を丸めていることがほとんどだったけれど、あの長い髪の毛をバッサリ切る決意を
「『あの花花』って、アイドルグループじゃあるまいし……」 私は、画面に映る3人の青年たちの顔を眺めながら顔を顰める。 ちょうど、リモート業務が終わった時にビデオ通話が来たので、つい出てしまった。真咲がドアップで 「姉ちゃん、姉ちゃん!」 と叫んでいる。いい歳して5歳も離れた姉に、そんな嬉しそうにビデオ通話をするかねぇと呆れていると、後ろから、ポワポワとした素朴な顔をした青年が 「ああああ! あの、どうも、江田です、江田友也と言います! ええと、花花コンビ、現役の時、よく
4月に披露する舞空の練習を終えたあと、恩田先輩に我が家の事情を話すと、思った以上に真剣な顔で聞いてくれた。我が家の一大事というところまでは説明していた友也も、隣で一緒に頷いている。フラダンスの説明のくだりで口をポカンと開けていたが、当然の反応だとスルーした。最後まで全部頷いていてくれた恩田先輩も 「で、どうしてもフラダンス? 俺たちの舞空だとダメなのか?」 と、腕を一本は真横に、一本は胸の前に折り、手首をゆらゆらゆらしながら疑問を口にした。 「俺たちに頼むとしても、舞空と
本日5月20日 14時30分より15分間 FM千里でエッセイ読みます♪ 本日のエッセイはパンジーヤンキー② https://note.com/toccodocco/n/nb6d7d8ff778e こちらから聴くことができます↓ https://www.jcbasimul.com/fmsenri ヤンキーの理由は③まで明かされないけども🤣
工藤円花の家は、木々の向こうに遠く、海が見える。あの、ほんの少しだけしか見えない水平線に、それでも心が奪われるのは、ここが円花の家だからなのだろうか。 玄関横には広々としたウッドデッキがあって、十数名ほどならそこで踊れるだけの広さがあった。青空の下で踊れる贅沢な作りだ。そこから続く室内は大きな掃き出し窓になっていて、白い壁に囲まれた空間が広がっている。まさに理想のレッスン室だった。 「ちょっと、思ってた以上にすごい豪邸なんですけど……」 久しぶりに連絡をとったら、じゃあ
姉ちゃんが、しばらく実家にいると聞いて少し安心した。 本当なら大学生の俺の方がよっぽど暇だと思うのだが、正直、俺と父さんでタッグを組んだところで、母さんを悩ませるだけな気がする。さらに俺の部屋の混沌具合を知ったら母さんの病状は悪化するに違いない。病気の人にそこを連想させるのはリスキーすぎる。 姉ちゃんに感謝しつつ、今後の母さんの入院や、手術の日程、薬物療法の予定を、帰る前におおまかに家族で共有することにした。 昨日は結局、熱い気持ちに火がついて、母さんが集めているメリ