詩編3:虚構の愛理論

曇り空に鈍い光が射しても
雨の匂いは残るばかり
晴れ間が覗いたらさようなら
遠くで向日葵の泣き笑い

湿った空気にまとわりつかれても
前にまた一歩一歩は理想のこと
執着に終着する愛の形は
苦しみと真実の悦びを産む

ありがとう
憎いあなたを嫌いになれなくて
でも本当はきっと嫌いなの
雪の下で芽吹くものは綺麗で
頑張れ頑張れって心が叫ぶよ
かなしいから

桜の木は散る前に花を咲かせます
美しいなんて自覚もないまま
名前のついた感情なんてものが
介在するという錯覚があるのです

仮想の苦しみを現実にするのは
理想を自分に押し付けるから
だって片想いで募る想いなんて
所詮は全部妄想の産物でしょう?

雨が創り出す背比べは綺麗
でも僕は傘を差したいんだ
片方の肩を濡らす優しさを
否定する人は雨の冷たさを知らない

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