リハビリSS ダーリン/にしな
ベッドから抜け出したコウちゃんが、ノートパソコンに向かって別れの歌を書いている。
ずっと気付かないふりをしてたことを認めざるを得なくなった時、泣くでも怒るでもなく、どうにかして作品に落としこもうとする。そういうとこミュージシャンなんだなって。一応ね。
空が白み始めてる。カーテンの隙間から漏れてくる光が、結露にぶつかって屈折する。床に落ちた結露の影を見て、この部屋湿気多いんだよなぁなんて、わざと違うことを考えてみる。でも結局それも無駄な努力だ。
迷っていたし、迷わせていた。恋の