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誓いを守る時が来た。


※これは猫が死ぬ話です。苦手な方はここで閉じてください。
あと文章としての体裁とか死んでるのでそれも嫌な人は閉じてください




前の猫、ミルクが死んだ時、ふわふわの白い毛皮に誓った。
まともな人間を名乗れる日まで、もう二度と猫を迎えない。今いるレイくんが最後。
犬もうさぎもハムスターも、何も、迎えない。
私にはその権利がない。
最期の時を知らない場所で迎えさせてしまった私に、毛皮の友達を持つ資格はない。
ミルクの毛皮に頬ずりして泣いたあの日から、1日も忘れたことは無い誓いを、
守る時が来てしまった。

レイくんは生意気な猫だった。
そして、母の猫だった。
ミルクは私の猫だったと思う。常に私のそばにいたし、私とミルクには言いようのない繋がりがあった。
レイくんは私のことを、給仕の人としか思ってなかった。
ご飯、水、トイレ、痒い。そういう時だけ近寄ってきて、用が終わると母の部屋にとっとと帰っていく
あとめっちゃ人の目を見て嫌がらせするタイプだった。
レイくんはその呼び名の通りオスなのだが、
クラスで1番可愛くて性格の悪い女の子みたいなやつだった。
私が大急ぎで準備していて、レイくんの要望を聞けずにいて「後にして!!」と言ったら
私の目を真っ直ぐ見ながら今まさに荷物を入れていたカバンに放尿したという前科がある
そういう頭が良くて生意気な、存在感のある猫
そういうやつが居なくなると、家はとたんに静かになる。


この子達を家に迎え入れた日から、この日が来るのは決まっていた。
人に比べて猫の生涯は短いし、見送ってやるのが飼い主の義務でもある
決まってたんだ、私の中にぽっかりと、3匹の猫の形の穴が開くことも。
全部わかっていたこと、というかミルクといっちゃんが先に逝った時に理解したことだ
どんなに愛したって永遠に一緒にはいられない
どんなに後悔したって、生き返ったりしない
再会があってくれたら、と祈ることしか私にはもう残されてない


愛し合った動物と人は、虹の橋の麓で再会出来るって聞いてる。
ミルクといっちゃんは多分私を待ってくれるだろうけど
レイくんと、随分昔に飼ってたシーズーのリリーは多分母を待つだろうな
レイくんは母の猫だったから。
私はあくまで奴隷だもんねぇ
私が先に逝ったりしたら、多分お前じゃねぇよって顔するんだろうな
順番通りに逝けたら、私が着いた頃にはもう居ないんだろうな
白状な奴、お前のご飯も水もトイレも、全部私がやっとったんやぞ?
そう悪態をついたら多分、「それがなんだ」って顔してしっぽを振るんだろう

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