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ジョグジャカルタ思い出し日⑭|西田有里
駐車場整理のおじさん
ルジャールじいさんの家があるマタラム通りはバイクや車の交通量がとても多い。最近はマタラム通りも北向きの一方通行に変更され、観光地のマリオボロ通りに来る人のために広い駐車場も整備されて少しは状況が改善されたのかもしれないけれど、それほど大きくもない道にたくさんのバイクや車が毎日行きかい騒々しいことに変わりない。道路に面してジョグジャ土産の店の他、洋服屋、スポーツ用品店、文具
ジョグジャカルタ思い出し日⑬|西田有里
マラム・ミングー
マラム・ミングーというのは土曜の夜という意味のインドネシア語で、休日の前日の夜ということで日本語の「華金」のような雰囲気をまとった言葉であり、実際に土曜の夜は夜遅くまで町で遊ぶ若者も多く、ジョグジャカルタの目抜き通りであるマリオボロ通りにほど近いここマタラム通りも、土曜の夜はいつもより遅くまでたくさんの人で賑わう。マタラム通りのルジャールじいさんの店の並びにあるTシャツ屋さんに
ジョグジャカルタ思い出し日記④|西田有里
出張美容師さん
外国で散髪するのはなかなか勇気がいる。日本のようにあちこちに美容院があるというわけでもなく、腕の良い美容師さんをどうやって探したらよいか分からないし、外国語で自分の希望を伝えるのも自信がない。大学の伝統音楽科のクラスメートの女の子たちは皆、伝統衣装で日本髪のような髷をつけた髪型にするために髪を長く伸ばし普段はひっつめにしていて、美容院に行ってヘアカットする習慣はどうもないような
にほんご回復中【3853字】|篠田千明
第二回 3853字 私は街にいると知らない人によく話しかけられる。他人から話しかけられるのが嫌ではない、というのがパッと見でバレているんだと思う。十数年前にポーランドのワルシャワ中央駅の地下のコーヒー屋で私に話しかけてきたおじさんにも、それは見抜かれていたに違いない。
今回は、今までも友人には話してきたけど、文章にしていなかったエピソードを書いてみる。
その時私は、ベルリンからワルシャワを